月&火曜日はお仕事のある日なので、TIFF出勤は半日勤務に。しかも、月曜日は柏市から、火曜日は町田市から六本木に出勤。町田市からは小田急線で新宿まで出て、コメントで教えていただいた丸ノ内線→日比谷線を乗り継いだらとっても楽でした。よしださん、ありがとうございました! というわけで、この2日間に見た映画のご報告です。
『スナップ』
タイ/2015年/タイ語/97分/原題:สยามยุทธ
監督:コンデート・ジャトゥランラッサミー
主演:トーニー・ラークケーン、ワラントーン・バオニン
昨年のTIFFで『タン・ウォン 願掛けのダンス』が上映されたコンデート・ジャトゥランラッサミー監督の新作。『タン・ウォン』からは技術的にも内容的にも格段の進歩を遂げており、コンペに選ばれるのも納得です。ただ、もう少しメリハリがほしかったのと、軍事クーデターなどの政治的状況に時折言及されるものの、単なるストーリーの背景だけに終わっているため、作品としての奥行きに欠ける印象が否めません。主人公たちは、高校時代の同級生カップルの結婚式に合わせて帰省し、物語が進行していくのですが、この同級生カップルが成立したいきさつや、二人の本音が一番面白かったです。
『グランドマザー』
フランス・フィリピン/2009年/タガログ語/110分/原題:Lola
監督:ブリランテ・メンドーサ
主演:アニタ・リンダ、ルスティカ・カルピオ、タニヤ・ゴメス
アジアフォーカス・福岡国際映画祭で『ばあさん』のタイトルで上映された作品です。最初、香港国際映画祭で見た時は、二人の「ローラ=おばあちゃん」の尊厳がよく描かれている、と思ったのですが、今回見直してみると、二人のずるさや身勝手さもしっかりと描かれていて、さすがメンドーサ監督、とあらためて感心しました。
『告別』
中国/2015年/中国語・モンゴル語/95分/原題:告別
監督:デグナー(徳格娜)
主演:トゥメン、アリア、デグナー
内モンゴル出身の女性監督の作品ですが、いまひとつ映画の意図がわかりませんでした。お父さん、そんな死に方ではかわいそうなんじゃ...。
『The Kids』
台湾/2015年/中国語・台湾語/90分/原題:小孩
監督:于瑋珊(サニー・ユイ)
主演:巫建和(ウー・チェンホー)、温貞菱(ウェン・チェンリン)、柯宇綸(クー・ユールン)、高盟傑、楊、洪群鈞
ハイティーンで赤ん坊が生まれてしまうカップルを演じる、主演の二人がとても魅力的な作品でした。二人とも、昨年のTIFFで上映され、先日公開となった『共犯』(2014)に出演していたのですが、ウー・チェンホーの方は別人かと思う変身ぶり。いい俳優になりそうです。ウェン・チェンリンも大人かと思うと少女の顔がのぞいたりと、不思議な魅力を持った女優で、この先が楽しみです。張作驥(チャン・ツォーチ)映画の常連だった高盟傑がバイト先の店主に扮して、よきおっちゃんぶりを見せてくれます。
『父のタラップ車』
トルコ/2015年/トルコ語/105分/原題:Merdiven Baba
監督:ハサン・トルガ・プラット
主演:ハジュ・アリ・コヌック、エスラ・デルマンジュオウル
トルコ版「わらしべ長者」ならぬ、「タラップ車長者」のお話。空港の清掃員で、給料の少なさを妻からも嘆かれている男が、職員への払い下げのタラップ車を手に入れたとたん、たちまち人気者になりお金も稼げるようになる、という一種おとぎ話的な作品でした。庶民にはウケそうですね。
TIFFも半分が過ぎ、コンペの賞の行方も気になるところです。あと3日、がんばって残ったアジア映画作品を見ようと思いますが、皆さんもTIFF公式サイトをご確認の上、劇場に足をお運び下さいね。