明後日からいよいよ、ロンドンのパキスタン系女子高生リアが、日本のスクリーンで大暴走、ぢゃない、大活躍します。一見、無鉄砲で何も考えていないように見えるリアですが、心の中では姉のリーナを心配し、いろいろ考えてはいるんですね。その考えが時には素っ頓狂になってしまうから、この映画はとっても面白いんですが。で、さっきYouTubeをチェックしたら、たくさん本編映像が上がっていました。重なってしまう部分もあり、毎回予告編がもれなく付いて来てちょっとうるさいのですが、ここにアップしておきますので、明後日に備えて下さいね。
『ポライト・ソサエティ』スクールカーストなんてぶっ飛ばせ!本編映像
学園の問題児vsライバル図書委員!映画『ポライト・ソサエティ』本編映像
8.23㊎公開『ポライト・ソサエティ』メイキング映像|“格闘の芸術”
いかがでしたか? え? 飛び蹴りは私の方がうまい? そんなことが言えるのは、『エブエブ』のミシェル・ヨー(楊紫瓊)お姉様ぐらいでしょうが。イギリスにインド亜大陸からの移民の人たちがたくさん住んでいることは皆さんご存じだと思いますが、少し前に退任したイギリスの首相リシ・スナク氏がインド系だということが取り上げられてから、さらに注目を集めるようになったのでは、と思います。このスナク元首相も、両親が東アフリカからイギリスに移民したあとに生まれた世代で、そもそも一家が東アフリカ(ケニアとタンザニアらしい)へと向かったのは、スナク氏の祖父母の世代だった、とのことです。インド(現在のインド、パキスタン、バングラデシュ)がイギリス領になった1858年以降、インド各地から時には半強制的に、時には自由意志で大英帝国領の各地へと渡っていった人たちがたくさんいたことは、皆さんもご存じでしょう。アフリカ大陸へ渡った人たちは、その後1972年のウガンダでのアジア人(=インド系住民)追放策など様々な困難に直面し、多くの人がアフリカから他国へと再び移動しました。
©2022 Focus Features LLC. All rights reserved.
『ポライト・ソサエティ』のニダ・マンズール監督はパキスタン系イギリス人で、生まれたのはシンガポール。10歳の時一家でロンドンに移住した、1990年生まれの女性です。リア役のプリヤ・カンサラは、1955年か1956年ロンドン生まれで、インド系イギリス人。姉リーナ役のリトゥ・アリヤもインド系イギリス人です。コワーい大金持ちシャー家の奥様ラヒーラ役のニムラ・ブチャはパキスタン人女優で、パキスタンでは映画とテレビで活躍しています。とまあ、いろんな人がいるキャスティングなのですが、リアの両親役などはイギリス在住のインド系、パキスタン系の人が見ると、「あるある」なキャラクターになっているんだろうな、と思われます。ラヒーラ奥様の役作りはちょっとエグすぎますが、成功している人たちの中には、今日はエステ、明日はお買い物、明後日はパーティー、という生活をしているインド系&パキスタン系のご婦人方もいらっしゃるのでしょうね。
©2022 Focus Features LLC. All rights reserved.
そんな観察もあれこれできる『ポライト・ソサエティ』、パンフレットも買って、映画を楽しんで下さいね。最後に映画のデータを付けておきます。
『ポライト・ソサエティ』 公式サイト
2023年/イギリス/英語・ウルドゥー語/104分/字幕:田渕貴美子/原題:Polite Society
監督:ニダ・マンズール
出演:プリヤ・カンサラ、リトゥ・アリヤ
配給:トランスフォーマー
※8月23日(金)新宿ピカデリー、グランドシネマサンシャイン池袋、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかロードショー
【明日の記事予告】
明日の記事は『ポライト・ソサエティ』と同日公開の映画『モンキーマン』ついてです。応援している作品が同日公開というのはちょっとつらいんですが、インド映画やインド&パキスタン関連映画の公開が増えたため、昨年からこういうバッティングが多くなってきています。『モンキーマン』については一足先に【BANGER!!!】の記事が本日アップされましたので、こちらもぜひご覧下さい。