先日の告知ではチラシを貼り付けた上記の映画上映、その後開始時刻の変更もありましたので、あらためてお知らせをアップします。
<TUFS Cinema インド映画特集>
『カーンチワラム サリーを織る人』
2008年/タミル語/117分/日本語・英語字幕付き
監督:プリヤダルシャン
主演:プラカーシュ・ラージ、シュリヤ・レッティ
11月28日(土) 14:00~ 解説:杉本良男(国立民族学博物館・教授)
※「インド通信」読者の皆様、第445号P.3「催し物ガイド」には”11月23日(月祝)”となっていますが、これは誤りです。上映はすべて土曜日ですので、お間違いなく。また、開始時間がその日によって違いますので、こちらも注意して下さいね。
(c)Percept PictureCompany/Four Flames Pictures
「カーンチワラム」とは、サリー産地で有名なタミルナードゥ州カーンチープラムで織られるサリーの呼び名のようです。カーンチワラム・サリーの数々は、こんなショッピングサイトで見ることができます。ベナレス・サリーと並んで有名なカーンチワラム・サリーですが、独立直後の産地での実態を描いたのがこの作品で、2007年度のインド国家映画賞最優秀作品賞を受賞しています。監督のプリヤダルシャンは日本でもDVDが出ている『ヴィラサット~会いと宿命の決断』(1997)などで知られる監督で、1984年に南インドのマラヤーラム語映画でデビュー、その後ヒンディー語映画界に進出し、南インド映画の翻案作品でたくさんのヒットを飛ばしている監督です。主演は、『ミルカ』にも出演しているプラカーシュ・ラージ。予告編を付けておきます。
Tamil Movie Kanchivaram Trailer
『ミルカ』
2013年/ヒンディー語/153分/原題:Bhaag Milkha Bhaag/日本語字幕付き
監督:ラケーシュ・オームプラカーシュ・メーラ
主演:ファルハーン・アクタル、ソナム・カプール
12月5日(土) 16:00~ 解説:萬宮健策(東京外国語大学・准教授)
(c)2013 Viacom18 Media Pvt. Ltd & Rakeysh Omprakash Mehra Pictures
本年1月に公開されたのですが、上映がすぐ終わってしまい、残念な思いをした方もあったのでは、と思います。「インド映画完全ガイド」でも、P.44&45で紹介していますので、ご参照下さいね。
パキスタン領となった故郷の村から虐殺を逃れて逃げて(バーグ)来た少年が、やがて生活のために軍隊に入り、その走る(バーグ)力を見いだされて短距離走者となるお話で、ミルカ・シンという実在のアスリートの半生を描いています。スポ根ものであるのに加え、インド・パキスタンの歴史がわかる作品でもあり、日本でのアジア大会も登場するというおまけ付き。アジア大会シーンには、タレントの武井壮が出演していますのでお見逃しなく。
実はこれ、私が字幕を担当した作品で、どのシーンを見ても思い出深いです。ラケーシュ・オームプラカーシュ・メーラ監督が来日した時は取材もさせてもらい、その時のインタビュー記事がこちらとこちらに。日本版予告編を付けておきますね。
映画『ミルカ』予告編
『シャモルおじさん灯りを消す』
2012年/ベンガル語/65分/原題:Shyamal Uncle Turns off the Lights/日本語・英語字幕付き
監督:シュモン・ゴーシュ
主演:シャモル・ボッタチャルジョ
12月12日(土) 14:00~ 解説:臼田雅之(東海大学・名誉教授/国際ベンガル学会日本委員会会長)
(c)Arindam Ghosh
本作は短い作品ながら、なかなか味わい深い作品だとのこと。私も未見なので、ぜひ見に行きたいです。監督のシュモン・ゴーシュは1972年生まれ。2006年に監督デビューしたあと6本の作品を世に出しているのですが、そのかたわらというか本職はというか、フロリダ・アトランティック大学で経済学を教える准教授でもあります。コーネル大で経済学の博士号を取っているのですが、どんなきっかけで映画製作を? といつかインタビューしてみたいです。
シュモン・ゴーシュ監督の新作『Kadambari(カドンボリ)』の予告編がステキなので、こちらも見てみたい気が。『女神は二度微笑む』のラナ役ポロムブロト・チョトッパダエがタゴール役で出ていますね。
なお、『シャモルおじさん灯りを消す』が上映される12月12日(土)と、その次の日12月13日(日)には、東京外国語大学のキャンパスで国際ベンガル学会第4回大会が開催されます。その大会に関してはこちらのサイトをどうぞ。
『ファンドリー』
2013年/マラーティー語/103分/原題:Fandry/日本語・英語字幕付き
監督:ナグラージ・マンジュレ
主演:ソムナート・アウガデ、サンジャイ・チョウドリ
1月23日(土) 16:00~ 解説:松尾瑞穂(国立民族学博物館・准教授)
(c)Holy Basil Productions Pvt. Ltd.
こちらも、簡単な紹介が「インド映画完全ガイド」P.117にあります。現在はダリト(「抑圧された者」の意味)と呼ばれる被差別カースト(チラシの「不可蝕民」はカッコ書きにする配慮がほしかったです)の少年が主人公で、「ファンドリー」とは「豚追い人」という意味だとか。ナグラージ・マンジュレ監督は1978年生まれで、本作が長編映画第1作なのですが、各地の映画祭で次々と賞を受賞し、一挙に注目される監督となりました。本作には、俳優としても出演しているようです。これもぜひ見てみたい作品です。インド版予告編をどうぞ。
Fandry | Marathi Movie | Official Trailer (HD Quality)
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場所はいずれも、東京外国語大学(アクセス)アゴラ・グローバル プロメテウス・ホール。入場は無料で、先着順となりますが、定員501名とのことなので、並んだりなさらなくても大丈夫かと思います。問い合わせ先は以下の通りです。上映当日は土曜日なので問い合わせができません。ご注意下さいね。
[お問い合わせ]
東京外国語大学 総務企画課広報係
183-8534 東京都府中市朝日町3-11-1
TEL:042-330-5150(土日祝をのぞく9:00~17:00)