アジア映画巡礼

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楽しかった宝塚星組公演『RRR × TAKA"R"AZUKA ~√Bheem~』配信

2024-02-04 | インド映画

本日は、宝塚星組『RRR × TAKA"R"AZUKA ~√Bheem~ (アールアールアール バイ タカラヅカ ~ルートビーム~)』の宝塚大劇場公演千秋楽。以前こちらで書きましたように、配信のU-NEXTでライブ中継をたっぷりと楽しませてもらいました。上演時間は約1時間40分。その中に、3時間丸々ある『RRR』(2021)の物語を上手に詰め込んであるので、映画とは違っている細部が結構あります。これから2月23日(金)からは東京宝塚劇場での公演が始まるため、そこでご覧になる方のためにどこが違っているかはお伝えしませんが、本当に上手に脚本がまとめられていて、感心しながら見てしまいました。プログラム(下写真)には各場面とその簡単な説明が出ているので、どうしても気になる方はこちらでプログラムをお求めになってご覧になってみて下さい。

そして見る前は、副題にある「√(ルート)Bheem」の意味がはっきりせず、今回はビームの話だけで、のちに「√Rama」も作る、ということかしら? とか思ったりしていたのですが、ラーマの出番も多く、確かにビームほど主役然とはしていないものの、最後まで遜色のない描かれ方でした。さすがにラーマの最後の修行者姿はなかったのですが、警官服や赤い制服、ラフな私服など、お着替えはビームより回数が多かったような...。出ずっぱりのビームはお着替えのヒマが少なかったのか、「ナートゥ」ダンスのシーン以外は、サルワール・カミーズ風の黒色と白色2パターンにショール等で変化を付けていましたが、それでもステキな衣装で、中華剣士風の髪型とよく似合っていました。上のプログラムの表紙写真は、インド版の『RRR』ポスター(下)を元にしたものだと思いますが、アダプテーションの力量に毎回感心してしまいます。

アダプテーションと言えば、映画からメロディーを借りた歌ではなく、今回作曲された歌のうち、2曲ほどのメロディーが中近東風で、うーむ、やはりカルナータカ音楽風にするのは難しかったのかも、と思ってしまいました。不満と言えばそのくらいで、あとは『オーム・シャンティ・オーム ~恋する輪廻~』(2017)の時も舌を巻いたのですが、場面転換のすばらしさにはため息が出ました。「装置:國包洋子」というクレジットがあり、ちょっとググってみたら、この方の以前の素晴らしい装置を褒めたものがいくつか出てきましたので、宝塚ファンにはよく知られたスタッフの方ではと思います。上下、左右、前後と空間をうまく使いながら背景や大道具を配してあって、時にはそれが動いたりし、DVDが出たらじっくりと見てみたい、と思ってしまう魅力にあふれる舞台装置でした。これから公演をご覧になる皆様、楽しみにしていて下さいね。常に舞台全体を見回しながら鑑賞できるなんて、本当にうらやましいです。

今日の配信は、千秋楽のプログラム全部が配信されたので、『RRR × TAKA"R"AZUKA ~√Bheem~』のあとは30分の休憩をはさみ、上にロゴを付けた『Violetopia』のレビュー公演が約1時間演じられました。このレビューが大階段シーンで終わったあとは、今回の公演で引退するメンバー4人(調べてみたら、大輝真琴、天華えま、彩園ひな、侑蘭粋の皆さん)のお披露目とご挨拶、東京公演への決意表明みたいな感じのシーンがあって幕となったのですが、何とその後アンコールが4回も! 最後のアンコールは、ビームを演じ、レビューでも主役を張った礼真琴の緞帳脇からの単独登場でしたが、大きな羽衣装を背後に着けての長時間立ちっぱなし(その前には出ずっぱり公演3時間!)後のサービスぶりには、ちょっと気の毒になったほど。でも、千秋楽で何回アンコールが請われたのか、というのがヒットの目安になったりもするのかも知れませんね。

で、あれこれ調べているうちに、今回の主役ビームを演じた礼真琴は、『オーム・シャンティ・オーム~恋する輪廻~』のムケーシュ役を演じた人だとわかりました。上のプログラムを引っ張り出して当時の素顔を見たりしながら、2019年から星組トップという今回の紹介文を読んで、今回の魅力と貫禄が溢れる演技に納得したのでした。できれば、ぜひナマの舞台で見たいので、いつか『RRR × TAKA"R"AZUKA ~√Bheem~』を再演してほしいものです。次に、宝塚から熱い視線を向けられるインド映画は何でしょうね? インド映画もがんばってくれないと、と、特にボリウッドにムチ(ラーマ役の暁千星が、すごいムチを上手に使ってたっけ)を入れたくなった今日のプログラムでした。

 

 


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2 コメント

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こんにちは (はるみとまこ)
2024-02-07 13:01:23
自宅の小さいテレビで配信を見ましたが、結構迫力ありましたね。
宝塚的な歌の部分は私も少し違和感がありましたが、仕方ないかな?とも思っておりました。
無事に千秋楽を迎えられて本当に良かったです。
東京の千秋楽の配信も楽しみにしております。
宝塚では2回公演もあるので、体力的にとても大変だと思います。
今の星組だからこそ実現できた公演だったと思います。
はるみとまこ様 (Cinetama)
2024-02-08 02:02:34
たびたびのコメント、ありがとうございました。

宝塚は、春日野八千代が出ていた時代に2~3回、豊中市に住んでいた叔母に連れて行ってもらったあと、地元に公演に来てくれた時に1回だけ、中学時代だったか高校時代だったかに見ただけで、その後が『オーム・シャンティ・オーム』のため、毎回もその演出力のすごさに驚かされることばかりです。
今回の舞台も生で見てみたいので、再演を願っています。

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