アジア映画巡礼

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アジア映画研究会「アートはどこにあるのか?――ルアンルパのサザン・スタイルのキュレーションの過激な可能性」

2024-05-21 | 東南アジア文化

現在開催中の横浜トリエンナーレ。詳しくはこちらの開催概要とか、こちらの公式サイトとかをご覧いただければと思いますが、その開催に合わせて、アジア映画研究会が現地で研究会を行うことになりました。アジア映画研究会は日本映像学会の下部組織で、みなさんおなじみの石坂健治さん(映画大学教授&東京国際映画祭シニア・プログラマー)が主幹となって続いている研究会です。今回の企画者は神奈川大学外国語学部中国語学科准教授の秋山珠子さんで、アジア映画好きなら、特に中国のドキュメンタリー映画好きなら、このお名前にビビッと反応なさるはず。隔年開催の山形国際ドキュメンタリー映画祭では字幕に通訳にと毎回大活躍、それ以外の映画祭でも、中国語の通訳として、あるいは字幕翻訳者として、お名前を見たことがある方は多いと思います。また、「侯考賢(ホウ・シャオシェン)の映画講義」(みすず書房、2021)の翻訳者でもあります。秋山さんの所属する神奈川大学は、みなとみらい地区にもキャンパスがあり、横浜トリエンナーレも開催場所の一つにみなとみらい地区が入っていることから、今回のこの企画となったものです。申し込みさえすればどなたでもご参加になれますので、横浜トリエンナーレ見物のかたわら、ぜひご参加下さい。

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世界各地で分断が顕在化するいま、芸術と政治の関係があらためて問い直されています。現在開催中の横浜トリエンナーレ(6月9日まで)に合わせ、芸術の政治性が争点となった2022年のカッセル・ドクメンタでフィールドワークを行われたマーク・ノーネス氏(ミシガン大学)をお招きし、日本映画研究者から見た芸術と政治のアクチュアルな関係について語っていただきます。

また研究会に先立つ同日午後には、関連企画として、講師とともに横浜トリエンナーレを参観します(自己負担、自由参加・自由解散)。詳細は文末の [関連企画] 欄をご覧ください。

講師の報告と開催中の横浜トリエンナーレを糸口に、参加者間のディスカッションを通して、アートにまつわるポリティクスを多方面から考察します。

研究会および関連企画参加ご希望の方は、下にある指定Googleフォームから期日までにお申し込みください。

■テーマ:アートはどこにあるのか?――ルアンルパのサザン・スタイルのキュレーションの過激な可能性
■日時:2024年5月31日(金)18:00-19:30 
■会場:神奈川大学みなとみらいキャンパス 1F 体験展示エリア アクセス
■講師:マーク・ノーネス(ミシガン大学)
■座長:秋山珠子(神奈川大学)
■主催:日本映像学会アジア映画研究会
■共催:JSPS基盤研究(C) 23K00224
■参加申込:こちらのGoogleフォームにご記入の上、期日5月29日(水)までにお申し込みください
 
■概要:インドネシアのアート・コレクティブであるルアンルパは、2022年のドクメンタ15での彼らの過激なキュレーションを通して、アート界に世界規模のスパナを投げ入れた。1955年に新たに民主主義国家としてのドイツの姿を世界に示すために設立されたドクメンタは、5年ごとに開催され、世界最大級の、影響力ある国際芸術展の一つとなった。2022年に至る各回までは、招待されたキュレーターがテーマと作品を選定していたが、ルアンルパは、地元インドネシアの感性に根ざした芸術実践を通じて、これを一変させた。彼らはグローバルサウスまたはそのディアスポラから成るコレクティブを招き、それらのコレクティブが他のコレクティブ(推定1,500人のアーティスト)を招待し、参加者全員が自分たちの作品を選ぶというスタイルを採用した。日本関連のコレクティブとして招かれたのは、東京リールとシネマキャラバンであった。前者はパレスチナとのつながりがあり、不当な反ユダヤ主義の非難の対象となった一方、後者は帝国主義の歴史に対する非政治的な関係を提示した。今回の報告では、この2つのプロジェクトの比較を通じて、ドクメンタ15の「サザン・スタイル」の芸術実践が地元の展示戦略に置かれた際に示す、野生的で、魔術的で、錯綜した可能性を、内部観察者の視点から描写する。

[関連企画]
同日、講師とともに横浜トリエンナーレを参観します(自己負担、自由参加・自由解散、横浜美術館のみ)。参加希望者は、上記Googleフォーム内[関連企画]からご回答ください。
■集合日時:2024年5月31日(金)15:00
■集合場所:横浜美術館(研究会会場より徒歩5分)エントランス左手(チケット売り場付近)
* 詳細は、上記Googleフォーム内[関連企画]欄をご覧ください。
* 定刻にスタートしますので、遅刻の際はご自身でご観覧ください。
* 横浜美術館以外の会場は、別途ご自身でご観覧ください。
 
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横浜美術館の「第8回横浜トリエンナーレ:野草、いまここで生きてる」の入場料等の概要はこちらでご確認下さい。「ルアンルパ(Ruangrupa)」は「ルル(ruru)」とも呼ばれる芸術創作集団で、詳しくはこちらの公式サイトか英語版Wikiをご覧いただければと思います。また、「美術手帖」のサイトであるこちらには、詳しい紹介があります。ご興味を持たれた方は、ぜひご参加下さいね!
 
 
 

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