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アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

香港から荷物到着

2012-04-30 | 香港映画

香港から3月27日に送った荷物が届きました。船便で1ヶ月強かかっています。毎回、本や紙もの資料などは船便小包にして送るのですが、香港は小包を送るのが楽な国の1つです。郵便局で段ボール箱を売っていて、それに詰め込んで紐を掛け(紐はかけなくてもOK。また、郵便局には強いビニール紐がひと巻き備えられていて、誰でも自由に使えます)、書類に記入して持って行けばいいのです。

段ボール箱もいろんな大きさがありますが、私がいつも使うのは5㎏用です。その箱も値上がりしていて、1個17香港ドル(約170円)になっていました。数年前までは13.5ドルで、その後じりじり値上がりしています。今回は、本の他にインドで着たサリーとかも送ったので、結局2箱になってしまいました。スーツケースがいっぱいで入りきらず、また重さも危ういところから、旅行用アイロンなど重い物も含めて船便にすることにしたのです。料金は1箱2~3千円ですから、エクセス・バッゲージ代に比べるとまだ安いのです。

今回は、ご紹介するほどの面白い本はなかったのですが、映画『桃姐』関係の本を2冊挙げておきましょう。どちらも以前の記事でちょっと触れていますが、いい本なのであらためてご紹介を。

まず、劉徳華(アンディ・ラウ)著「我的30個工作天 《桃姐》拍攝日記(僕の30日間の仕事の日々 『桃姐』撮影日記)」(明窗出版社、2012)です。香港の書店で買った時にポスターがもらえたのは、以前ご紹介した通り。

アンディは字、つまり書とともに、文章も上手ですが、ここでも簡潔な文章で現場の様子等を紹介しています。もちろん、写真がいっぱい入っています。アンディ・ファンなら絶対欲しくなる1冊ですが、『桃姐』に深く心を動かされた人にとっても魅力的な本です。

私はアンディが演じるロジャーの母親役の人にいまいち見覚えがなかったのですが、この本で、中国の王馥茘という女優さんだと知りました。太太(タイタイ=奥様)という雰囲気がよく出た、ちょっと権高な感じさえするキャラ造りをしていて、それがピッタリの人でした。中国の映画界では、「天下第一嫂」と呼ばれているそうです。訳は難しいのですが、ピカいちの兄嫁、世界一の長男の嫁、てな意味でしょうかしらん。

もちろん、カメオ出演の皆様も写真が載せられています。全員というわけでないのが残念ですが、黄秋生(アンソニー・ウォン)や杜マン澤(チャップマン・トー)に対するアンディのコメントは、ちょっとかしこまっていて笑えます。チャップマン・トーと許鞍華(アン・ホイ)監督とのツーショットには、こんなケッサクなやり取りが付けられています。

監督「澤、あんたの役は歯医者なの」
チャップマン「わかった。何て名前?」
監督「名前はないの。セリフも1つだけよ」
チャップマン「いいよ。セリフは...」
監督「このセリフ、すごく平凡ね。あんた、もっといいのを考えてくれる?」
チャップマン「俺がぁ?」
監督「任すから。あんたならきっといいのが出てくるでしょ」
チャップマン「待て待て、ちょっと考えさせてくれ...」

チャップマン・トー、香港電影迷宮ブログで知ったのですが、ミラーフィッシャー症候群という珍しい病気にかかっているのだとか。ミラーフィッシャー症候群は、調べてみるとギランバレー症候群の亜型だそうで、目の神経がマヒしたり、歩けなくなったりする症状が出たりするのだそうです。今ノリにノってるチャップマン・トーなのに、気の毒ですね。何とか回復してくれないかしら。あるいは、誤診だといいんですが。

それからもう1冊は、アンディが演じたロジャーのモデル、李恩霖(ロジャー・リー)が書いた「桃姐與我」(青森文化、2012)です。こちらの表紙は本物の桃姐こと鍾春桃さんと赤ん坊時代のロジャー・リーです。

こちらの本は6章に分かれ、第1章の「桃姐と私」のほか、ロジャー・リーの家族についてや彼の仕事についてなど、映画『桃姐』の周辺事情が詳しく記述されています。映画だけではわからない、様々な背景がこの本を読むとよくわかるのです。映画の中で、病床にある桃姐を訪問する時、ロジャーが牧師さんか神父さんと一緒に行くのですが、どうしてだろうと思っていたら、桃姐はロジャーの薦めで2000年に洗礼を受けていたのでした。そのあたりの事情も詳しく書いてあり、「字が読めなかったので、教会に行くのを誘っても桃姐は躊躇していた」というくだりなど、胸を突かれます。行ってみると、教会に来る人々は字が読めないからといって桃姐をバカにしたりすることもなく、聖書は読めなくても牧師さんのお話を聞いているだけで心が落ち着いたそうで、以後桃姐は教会に通い、洗礼を受けるまでになったのでした。

『桃姐』は香港では3月22日に公開され、いまだに上映中(4月30日現在で17館)とロングラン・ヒットとなりました。日本でも秋に公開されるそうですので、楽しみにお待ち下さいね。

 

 


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