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アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

7月25日(金)は大忙し! ②力作『スタントマン 武替道(ぶたいどう)』も見逃すな✊

2025-07-10 | 香港映画

久しぶりに「香港映画」のカテゴリー・タグを付けました。忘れてたわけじゃないのよ、香港映画。この間も友人と吉祥寺の香港風のお店「香港食通街」に言って、店の様子は茶餐廳、メニューの内容は飲茶楼+α、という仕様に目を白黒させながら、いろいろおいしくいただいてきたばかり。ちょうど厨師長らしき方がいらしたので聞いてみると、「私は香港からだよ。香港ではマキシムで働いていた」とおっしゃったんですが、それにしては一番おいしかったのが大根餅というのが何だかなー、でした。でも、韮菜鮮蝦餃もおいしかったし、○○と○○と○○はちと残念なお味でしたが、お茶もいっぱい飲めるし、お値段もリーズナブルなので、よしとしましょう。という食べ物話はおいておいて、今日はまたまた7月25日(金)に公開が決まっている香港映画『スタントマン 武替道(ぶたいどう)』をご紹介します。でもってのっけから何ですが、この「ぶたいどう」というのがどうも「舞台道」に読めてしまって(『国宝』がヒット中だからかな?)、全部広東語読みして下さればよかったのに、と思ってしまいました。広東語なら「武替道(モゥタイトゥ)」、ときれいに決まるんですが、可惜啊(残念です)。

 

             香港海報(香港版ポスター)             日本版ポスター


『スタントマン 武替道』 公式サイト
 2024年/香港/広東語/114分/字幕:鈴木真理子/原題:武替道/Stuntman
 監督・原作:アルバート・レオン、ハーバート・レオン
 出演:テレンス・ラウ、トン・ワイ、フィリップ・ン、セシリア・チョイ
 配給:TWIN
7月25日(金)より新宿ピカデリーほかにてロードショー

© 2024 Stuntman Film Production Co. Ltd. ALL RIGHTS RESERVED.

香港返還が決まったものの、最後の花を咲かせるように香港映画が次々と大作、名作、問題作を生み出していた1980年代の後半。当時活躍していた伝説のアクション監督李森(サム)は、難しいアクションシーンを撮影中でした。ところが、高い歩道橋から下のトラックの屋根に飛び降りるスタントマンがタイミングを誤り、スタントマンは屋根から落ちて後続の車に激突、下半身不随となってしまったのです。起きた事故の責任を負ってサムは業界を去り、30年後の今は小さな整骨院を営んでいました。さらにこの事故が原因で、サムの妻は自分勝手なサムに愛想を尽かして離婚を決意、娘チェリーを連れて出て行ってしまい、それ以来サムは寂しい一人暮らしとなったのでした。
そんなある日サムは、かつての朋友である老監督楚天行から、彼が最後に撮る映画のアクション監督をやってくれないかと打診されます。友人の思いやりを受け入れ、最近知り合った熱意ある若きスタントマンのロン(龍)を助手に、サムは撮影現場に赴きます。ロンは運送業を営む兄キッ(傑)を手伝っており、兄からは映画なんかあきらめて運送業に専念しろと言われて、配送用のバンも買ってもらっていたのでした。そんな2人は現場に入ったものの、サムの
昔風のやり方は現場では通用せず、かつてサムの弟子だった今回の主演俳優ワイ(威)やスタントマンたちは、サムのやり方に反発します。それなのにサムは、別れた妻が再婚して育てた娘チェリーの結婚式が間近になったことから、現在の彼女の父親と張り合う気持ちもあって、ついつい撮影が二の次になっていきます。窮地に立たされるサムとロン。果たして映画は完成するのでしょうか...。

© 2024 Stuntman Film Production Co. Ltd. ALL RIGHTS RESERVED.

ちょっとここで、役名と出演者名を漢字で書いておきます。上の写真は、左がトン・ワイ、右がテレンス・ラウですね。

 李世龍(レイ・サイロン)  劉俊謙(テレンス・ラウ)
 李森(レイ・サム)     董瑋(トン・ワイ)
 梁志威(リョン・チーワイ) 伍允龍(フィリップ・ン)
 チェリー          蔡思韻(セシリア・チョイ)

下の写真はフィリップ・ンで、劇中では人気スターであり、主演と共にアクション監督的な役割も負ういわばドニー・イェンというところ。この人もいい面構えで、オーラを放っています。サムの娘チェリー役のセシリア・チョイはまたのちほど。

© 2024 Stuntman Film Production Co. Ltd. ALL RIGHTS RESERVED

冒頭、アクションシーンの撮影が登場しますが、「あれ、これジャッキー・チェンの『ポリス・ストーリー/香港国際警察』じゃない?」と思う方がきっといるはず。あのデパートでの名アクションシーンを、ちょっとゆるめにしたシーンが次々と出てきます。劇中の現在が1980年代だということを気づかせるための処理のようですが、このシーンは何十回と見たので、「うおっ、落ちる高さが違うじゃん!」とか思ってしまい、しばし思いはあの1985年作品に飛んでしまいます。『ポリス・ストーリー/香港国際警察』は映画としても数回見ていますが、1999年に公開されたドキュメンタリー映画『ジャッキー・チェン・マイスタント』の中で素材として使われており、メイキングも含めて、大学での「アジア映画史:アジアのアクション映画」の授業で素材としてよく使ったのでした。そういえば、ブルース・リーを取り上げた時は『燃えよドラゴン』(1973)の冒頭に出てくるブルース・リーと、本作のサム役董瑋(トン・ワイ)が問答するシーンも見せましたっけ。まだ少年という感じのトン・ワイが、ブルース・リーから教えを受けるシーンなのですが、「蹴ってみろ」と言われて右足を高く上げてキックするものの何度もダメ出しが出て、やっといいキックが決まり、「そうだ、何か感じたか?」と聞かれるのです。それに対してトン・ワイは、「Let me think.」と答えてしまい、頭をはたかれてブルース・リーから「Don't think, feeeeeeel !(考えるな、感じるんだ)」と言われてしまいます。『燃えよドラゴン』の中で、5本の指に入る印象的なシーンの一つです。その時のトン・ワイは美少年と言ってもいいのですが、あれから50年、本作のトン・ワイはあの少年の面影を十分に残していて、初登場シーンでは思わず目がウルウルしました。この頃、トン・ワイ以外はまだ誰も生まれていなかったんですね。

© 2024 Stuntman Film Production Co. Ltd. ALL RIGHTS RESERVED

その後の、映画製作と娘チェリー(上写真右)の結婚式との板挟みになるサムの姿は、ちょっとありきたりすぎて不満があるのですが、それでも新しいアイテムを登場させたりして、監督の2人組は新鮮味を出そうとしています。そんなもの作る人には見えませんでしたけどね、サム大哥(タイコー=兄貴)。そんなこんながあって、最後のクライマックスになるのですが、それがワイヤー・アクションでもなく、SFXでもないところが、この映画のいいところ。いかにも香港映画らしいこのアクション設定、ちょっと前の日テレ『突破ファイル』でも使われていたなあ、とか、いろいろ思い出してしまいました。『突破』スタッフの中に、香港映画ファンがいるのでしょうか? もちろん、『ジャッキー・チェン・マイスタント』でも登場します。ほかにも見どころはいっぱいで、街中での撮影シーンなど、もっと細かく見ていたかったシーンが多々あります。

監督の梁冠堯(アルバート・レオン/上写真は香港版ウィキより)と梁冠舜(ハーバート・レオン)は兄弟で、2人の初長編劇映画監督作です。兄のアルバートの方は、俳優としてのキャリアが20年近くあり、特にスタントマンとして映画やテレビで活躍していました。上の写真を見ても、なかなかの好靚仔(ホゥレンチャイ=ハンサム青年)ですよね。初期の作品は短編だったりしますが、いろんな賞を獲得していますし、本作『スタントマン 武替道』も、今年の香港電影金像奨で最優秀アクション賞にノミネートされました。賞を取ったのは『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』のアクション監督谷垣健治さんでしたが、それでもたいしたものです。今後の活躍に期待がかかりますね。ついでに一言言い添えると、昨年のピカイチヒット作だった『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』には、本作でロンを演じるテレンス・ラウも、それからワイを演じているフィリップ・ンも出演しており、洪金寶(サモ・ハン)の懐刀役のフィリップ・ンは見事助演男優賞にノミネートされたのでした。あの、一風変わったアクの強いヤクザの兄貴分、憶えていらっしゃるでしょうか? テレンス・ラウの方は、完璧に本作の方が光るキャラになっています。そんな風に本作には見どころがいっぱい! ぜひ、劇場の大スクリーンでご覧下さい。最後に予告編を付けておきます。おっと、あと「メイキング 監督篇」もアップされていました。うう、泣かせますねー、監督兄弟...。

『スタントマン 武替道』予告篇

 

『スタントマン 武替道』メイキング-監督篇


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