アジア映画巡礼

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『PS1:黄金の河』に溺れる幸せ④劇場用パンフがすごい!!

2024-05-18 | インド映画

マニラトナム監督作『PS1:黄金の河』、First Day First Showをご覧になった皆様、いかがだったでしょうか?「初日初回」という意味のFirst Day First Showは、インドではテレビ番組のタイトルにもなっているほどで、映画ファンなら何はさておき、初日の初回に行かなくては、と言われています。単なる映画ファンではなく、出演している俳優のファン、それもファンクラブのメンバーだったりしたら、タミル語映画『響け!情熱のムリダンガム』(2019)の主人公ピーターたちのように、上映を言祝ぎ、映画館で一騒ぎすることになります。と、突然この映画の話題を出したのは、ソフト発売が7月31日に決まったからです。出るのはBlu-rayで、ちょっとお高いですが今予約すると23%引き。作品を気に入った方が配給に乗り出したケースでは、往々にして上映終了後のソフト発売まで行かないことが多いのですが、今回はソフトが出て本当によかったです。

以上は前置きで、本題は『PS1:黄金の河』。この作品、昨日が初日だったのでもうご覧になった方も多いことと思いますが、この映画のパンフ(上写真)は「マスト・バイ」です!ここ3日ほど、ご紹介しようと思っては他の用事に阻まれ、今日もこれから西に向かって出かけるので詳しくご紹介はできないのですが、このパンフレット、買わないと一生後悔します パンフを買わなくて後悔する人を何人か見たのは『RRR』の時ですが、今回もそんな方が続出するといけないので、ご注意をうながしておきます。価格は1,000円です。

© Madras Talkies ©Lyca Productions

何がすごいと言って、この映画の歴史的背景を余すところなく解説し、かつそれに加えて、南アジアの歴史が専門の石川寛さん(早稲田大非常勤講師)の文章が映画全体を俯瞰させてくれるという豪華な内容なのです。たくさん出てくるカタカナの名前に怖じ気づかず、映画を見てこのパンフを読み、そしてもう一度映画を見たら、ぐっと理解が深まっているのにご自身驚かれることと思います。

© Madras Talkies ©Lyca Productions

それだけではありません。『K.G.F:CHAPTER1&2』のパンフの時は、イラストによる人物相関図が出色でしたが、こちらは顔写真による人物相関図なので、よりわかりやすいです。この人物相関図と、4ページにわたるキャスト紹介をあちらとこちら見比べているうちに、かなりの人物の輪郭が明確になりました。これからご覧になる方も必携ですが、映画を見ている最中にチェックできないので、「2度見る」という投資をぜひやって下さいね。

© Madras Talkies ©Lyca Productions

それから(まだあるのか、とお思いでしょうが、まだあるんです)、地図もあるんです。それも、よくできた2種―南インド全図と物語の舞台となる地域の地図の2本立てです。もう、1冊の参考書ぐらいのボリュームがあります。字の小ささが私のような後期高齢者にはちとつらいのですが、字を大きくしていたらこの表紙合わせて24ページには収まらなかったでしょう。マニラトナム監督が見たら、感銘を受けると思います。ほとんどの部分の執筆は、南インド映画研究家の安宅直子さんです。

© Madras Talkies ©Lyca Productions

大学の先生なみに、これぐらい書ける人がインド映画ファンの中にもっといてほしい。歴史好きの日本の皆様、『PS1:黄金の河』をご覧になって、南インドの濃密な世界にぜひ絡め取られて下さいね! 予告編を付けておきます。公式サイトはこちらです。

インド映画「PS1 黄金の河」予告

 

 

 


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