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アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

インド初(?)の潜水艦映画『The Ghazi Attack(ガージー攻撃)』

2017-03-09 | インド映画

昨日のブログで「戦争映画はやめなさい」と言ったばかりなんですが、実は面白い戦争映画もできていまして、というわけで次は『The Ghazi Attack(ガージー攻撃)』です。Ghaziは本当は「カーズィー」と書いた方がいいのですが、パキスタンの潜水艦の名前です。1971年、西パキスタンがバングラデシュとして独立しようとしたのを機に、インドとパキスタンの間で三度目の戦争が始まるのですが、その中でインド海軍潜水艦「カランジ」(S21)が水中で、敵潜水艦ガージーとの間で繰り広げた攻撃を描いています。過去にも潜水艦を舞台にしたインド映画があったのかも知れないのですが、私は寡聞にして知らず、もしかすると本作が初の潜水艦映画かも知れません。今回も最初、タイトルとイメージを見た時は外国映画かと思いましたが、よーく見るとシク教徒の兵士がいる、というわけで、タミル語版でしたが見に行った次第です。元の作品はヒンディー語版だと思うので、もう一度ぜひヒンディー語版で見直したいです。南インドでは、タミル語、テルグ語に吹き替えられてヒット中でした。ストーリーはこんな感じです。

File:The Ghazi Attack Poster.jpg

正義感の強い海軍士官アルジュン・ヴァルマー(ラーナー・ダッグバーティ)は、海軍基地ヴィシャーカパトナムからS21潜水艦「カランジ」に乗り組みます。ベンガル湾にパキスタン潜水艦が侵入し、インド側を叩こうとしているという情報により、臨戦態勢で「カランジ」は出航していきます。艦長はシク教徒のランヴィジャイ・シン(K.K.メーノーン)、ちょっとクセのある人物です。副艦長は温厚なデーウラージ(アトゥル・クルカルニー)で、間もなく出産する妻を残しての出撃でした。アルジュンは艦長のやり方に納得できず、つい自己判断に走りがち。商船が攻撃されて残骸が海面に浮いているのを浮上した潜水艦から見た時も、「生存者がいる!」と叫んで海に飛び込み、幼い少女とその母親らしい女性(タープシー・パンヌー)を助け上げてしまいます。彼女は医者でした。そんな中、「カージー」が接近してきて、魚雷攻撃を受けることに。最初の魚雷はかわしたものの、船尾にあたった次の一撃で、「カランジ」は海底へと沈んでいきますが....。

The Ghazi Attack | Official Trailer | Karan Johar | Rana Daggubati | Taapsee Pannu

上の予告編からもわかるように、潜水艦内部のセットがとてもよくできています。ちょっと古びた、1971年の、それもさらに古い建造である潜水艦S21。ストーリーが進むに従って、この潜水艦内部が様々に演技をしてくれて、緊迫感を盛り上げます。人間ドラマはステレオタイプですが、そして最後に「ジャイ・ヒンド!」と叫んでマンパワーで事態を打開する、というのも精神主義であまり評価できませんが、それでも本作はサスペンス映画としてもアクション映画としても見応えがありました。

監督のサンカルプ・レーッディは本作がデビュー作の、まだ若い監督のようです。それにしては、導入部からクライマックスまで場面処理もうまく、まるでベテランのような演出力です。今後、注目しておきましょう。なお、オーム・プリーが海軍提督の役で出ていましたが、これが遺作でしょうか。さらに、副提督の役ではナーサルが出演しており、元々南北のバイリンガル作品として作られたのかも知れません。もうちょっと人物に深みを、というのが監督への注文ですが、機会があればぜひご覧になってみて下さいね。

ヒンディー語なのですが、実際の事件をドキュメントした画像がありましたので、付けておきます。

The ghazi attack (Real story in hindi)



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