昨年公開された『手塚治虫のブッダ-赤い砂漠よ!美しく-』 (2011)が、インド、ムンバイの映画祭で上映されることが決まったと、東映の方から教えていただきました。<第12回ムンバイ国際映画祭~ドキュメンタリー映画、短編映画、アニメーション映画(略称MIFF)>で、2月3日(金)~9日(木)の開催です。『手塚治虫のブッダ』の上映は、次の時間となります。
2011「手塚治虫のブッダ」製作委員会
『Osamu Tezuka's Buddha』
日時:2月6日(月) 11:00am~12:55am
場所:Tata Theater, NCPA(National Centre for Performing Arts) 地図
問い合わせ:Registrarion Unit, MIFF TEL: 022 23510461 ex. 480 映画祭公式サイト
う~ん、1ヶ月ほど後だったら、ムンバイにいるのにな~。残念! ムンバイ在住の方で、拙ブログを見てらっしゃる方がいらっしゃいましたら、ぜひお出かけ下さい。インドの観客の反応が知りたいです。
この映画祭MIFFは、前述したようにドキュメンタリー映画、短編映画、アニメーション映画に特化した映画祭です。政府の部門であるフィルムズ・ディヴィジョンが母体となり、1990年に始まりました。
フィルムズ・ディヴィジョンは以前は啓蒙映画を作っていて、1970年代の映画館では劇映画上映の前には必ず、フィルムズ・ディヴィジョン製作の短編映画が上映されていました。タイトルは忘れてしまったのですが、たとえば、「飲酒はあなたの家庭を不幸にする」とか、「水を大切にしましょう」(炎天下、か弱い女の子が水を求めてさまようアニメーション)とか、そういうテーマの作品が作られていたのです。時には、「家族計画を推進しましょう」といった国策宣伝映画まで作られ、断種手術をする(させられる?)人々が映し出されたりと、結構インドの一面をリアルに見せてくれたものです。
こういう啓蒙映画の上映が映画館から姿を消したのは、1980年代の中頃でしょうか。多分、インディラ・ガンディーが暗殺された1984年の少しあと辺りからでは、と思います。その後フィルムズ・ディヴィジョンが始めた映画祭MIFFでは、ドキュメンタリー映画と短編映画のコンペ部門が若手映画作家の登竜門となり、たくさんの監督がこの映画祭から育っていきました。山形国際ドキュメンタリー映画祭が始まったのが1989年で、MIFFが1990年、どちらも2年に1回の映画祭ですから、この20年間毎年交替でアジアのドキュメンタリー映画のために気を吐いていることになります。
MIFFのアニメーション部門はあまり注目を浴びてこなかったのですが、この『手塚治虫のブッダ』を上映するということは相当気合いが入っているわけで、今後は目玉部門になっていく予感がします。日本の劇場用アニメがコンスタントに紹介されるようになると面白いですねー。
なお、『手塚治虫のブッダ』は、東南アジアではすでに公開済みです。上の写真は昨年8月にタイのバンコクで撮ったものですが、サイアム・スクエアの映画館で上映中でした。シンガポールでも、夏の終わりに上映されていたようです。
今気が付いたんですが、このポスター、一部が消してあります。
左上にタイ文字が入り、真ん中のタイトルはローマ字、日本文字に続いてタイ文字が入っていたようなんですが、そこに黒いテープが。綴りでも間違えたんでしょうか。仏教国タイ、恥ずかしいですねー。
それはさておき、MIFFでの上映を機会に、インドでも『手塚治虫のブッダ』が公開されるといいですね。最後に、英語字幕入りの予告編を付けておきます。