『バーフバリ 伝説誕生』の続編、『バーフバリ 王の凱旋』を試写で見せていただきました。今回も前作に引き続き、インターナショナル版での上映です。1箇所、クリシュナ神を祭る歌のシーンがカットされているのはわかったのですが、ほかは前作同様非常にうまくつまんであり、むしろ密度がぐっと高くなった感があります。インターナショナル版を編集したのは、ハリウッド映画で『トランスポーター2』『グランド・イリュージョン』、最近では『キング・ホステージ』等の編集を担当したヴァンサン・タベロン。アクション・シーンはもちろんのこと、小ネタのギャグシーンもしっかり残してあって、クスッと笑わせてもらいました。
以前の記事であらすじを引用しましたが、『バーフバリ 王の凱旋』は巨大な「2」の数字とそれにかかる「Baahubali」の文字が出た後、ちょっと変わったデザインのタイトルバックで始まります。本編の幕開けには、悪魔払いの祭りの日、頭に火種を入れた容器を載せ、素足で森の寺院に参るシヴァガミ妃(ラムヤ・クリシュナ)が登場。この形で寺院を回れば願いが聞き届けられるというのですが、このシーンはラスト近くのシーンと呼応しているという、憎い幕開けです。そして、巨大な象が暴走してきてシヴァガミ妃に危険が迫ります。と、そこに姿を現したアマレンドラ・バーフバリ(プラバース)がこれまた巨大なガネーシャ像を乗せた山車で見事に象を静め、上のメイン・ビジュアルのシーンとなるのです。『バーフバリ 伝説誕生』のシヴァリンガ持ち上げシーンにも匹敵する強烈な導入部で、これだけでハートが持って行かれてしまいます。それに続くシーンも含めて、「Saahore Baahubali」というソングシーンとしてYouTubeにアップされているので、下に付けておきましょう。ここに、藤井美佳さんの格調高い歌詞訳がかぶさってくるのですから、マヒシュマティ王国の民と一緒に、花びらを画面のバーフバリに撒きたくなる人が続出するに違いありません。
Saahore Baahubali Full Video Song - Baahubali 2 Video Songs | Prabhas, Ramya Krishna
その後、バラーラデーヴァ(ラーナー・ダッグバーティ)に父ビッジャラデーヴァ(ナーサル)が悪巧みを吹き込む場面、やってきた衛士隊長カッタッパ(サティヤラージ)がそれを暗に諫めるシーン等々、どれを取っても目が離せないシーンばかり。さらに見所満載なのが、シヴァガミ妃から命じられてカッタッパと共に国内や隣国を視察していくアマレンドラ・バーフバリが、クンタラ王国に赴いたシーンです。クンタラ国王の妹で、美しい王女デーヴァセーナ(アヌシュカ・シェッティ)との意表を突く出会いや、数々の駆け引きに加え、デーヴァセーナの従兄で初登場のクマーラ・ヴァルマ(スッバラージュ)が誘う笑いのシーンなどもあり、硬軟取り混ぜてのお楽しみシーンが次々と出て来ます。さらにアクションシーンが文句なく素晴らしく、盗賊(なんですね。あまりに数が多いので、他国の軍かと思いました)が城を襲撃した時の「二人弓3連射」シーンなどは優雅なペアダンスを見ているようでした。
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デーヴァセーナ姫を連れてアマレンドラ・バーフバリが自国の王宮に帰った中盤以降も、状況がめまぐるしく変わり、だれることなくクライマックスまで突っ走ります。見終わってみると、暴走機関車に轢かれた気分がするぐらい、物語の怒濤の展開に圧倒されていました。「バーフバリ中毒」度は『バーフバリ 伝説誕生』を見た時よりも重症で、すぐまた2回目が見たくなります。あのアクションの細部はどうなっていたの? と思うシーンも多くて、アクションの組み立てをいちいち確認してみたい思いに駆られました。
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今回のヒロインはデーヴァセーナで、アヴァンティカ(タマンナー)の出番が少ないのが残念ですが、女戦士姿で最後に登場し、エンドシーンでは女性らしいハーフ・サリー姿もちらっと写ります。あそこ、マヘンドラ・バーフバリとその妃として、もっとアップにしてくれてもよかったのになあ。タマンナー・ファンにはサービスとして、今夏シンガポールの地下鉄の駅で写したタマンナーのサリー姿広告写真を付けておきましょう。
で、今回のエンドロールには、BGMは最後までバッチリ付いているのかって? それがですね、今回は別の意味で衝撃のエンドロールなんですよ。これもインターナショナル版ゆえでしょうか。ぜひ、劇場で「えーっ!」を味わって下さいね。『バーフバリ 王の凱旋』は12月29日(金)からの公開です。公式サイトはこちら、暮れも正月も、大掃除も初詣も、「バーフバリ!」の前には敵ではないのじゃ!
バーフバリの様に、ゾウの上で「バーフバリ~~~」と叫んでるcinetamaさんの姿が見える位、熱い思いが文章から伝わってきました(笑)
本当、年末年始が楽しみです♪
私も文章を読んで、興奮してきましたヽ(^。^)ノ
除夜の鐘が鳴ったら「ハッピーバーフバリ~~~」って叫んじゃいそうです(笑)
「ゾウの上で”バーフバリ~~~”と叫んでいる私」って、どんなだろう?
私は年齢のせいもあって、シヴァガミ様とつい同化して映画の中に入り込んでしまうのですが、今回は「バラーラデーヴァに甘いお母ちゃん」の顔も出て来て、「そら、あきまへんで、国母様」とダメ出しもしてしまいました。
案の定、息子バラーラデーヴァは...なんですよォ、あの極悪人。
『バーフバリ』で年越し、というのもいいですね。
配給会社の社長のお話では、『バーフバリ 伝説誕生』も同時にどこかの劇場さんで上映してもらえるよう、今交渉中、とのことなので、2017/2018は「バーフバリ祭り」の年末年始として記憶されそうです。