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アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

インド版『Raid(強制捜査)』@メトロ映画館

2018-03-16 | インド映画

本日公開のアジャイ・デーウガン主演作『Raid(強制捜査)』を見てきました。地方の税務署に赴任した署長が、地方の大物に対し税法違反の強制捜査をかける、という物語です。予告編を何度か見せられてすごく期待していたのですが、ちょっと期待外れでした。昔、アクシャイ・クマール主演で作られた、騙しのプロ集団が税務署の捜査官を装って強制捜査に入り、金品を残らず巻き上げる、というニーラジ・パーンデー監督の『Special 26』(2013)の方がよほどうまかったなあ、と思いながら、この、ラージ・クマール・グプターという監督の作品を見ていました。

Ajay Devgn in Raid (2018)

物語は、1981年ラクノウでの出来事、と設定されています。税務署に赴任したパトナーヤク(アジャイ・デーウガン)は、これで7年間で4回目(確か、そう言っていたような...)の転勤。つまり、きちんとした税務処理を行ってはうとまれ、左遷される、という正義の人物でした。今回のラクノウ税務署は、どうやら大地主であり、政界にも大きな影響力を持つ「ターウー・ジー(伯父さん)」ことラーメーシュワル・シンには楯突けないようでした。彼の脱税の証拠をつかもうとしていたパトナーヤクは、匿名の密告者からコンタクトを受けます。それによると、ラーメーシュワル・シンは膨大な隠し財産を自宅に持っている、とのこと。書類で裏付けを取ったパトナーヤクは、強制捜査に踏み切ります。警官隊に守られて邸内に入ったパトナーヤクたちは、あちこち隠されていそうな所を探し回りますが、何も出てきません。でも、新たなる密告があり、また、ラーメーシュワル・シンの年老いた母親がつぶやく言葉をヒントに、パトナーヤクたちはついに宝の山を探し当てます。すると、出てくるは出てくるは....。ところがそこから、ラーメーシュワル・シンの悪あがきが始まります。州首相から、さらには中央政府の首相(当時はインディラー・ガーンディーなので、そっくりに扮した人が出てきます)まで陳情という名の脅しを利かせ、「これまでそっちの党には献金を山ほどしただろうが」と迫るのですが、パトナーヤクが臨機応変に処理してしまい、不発に。やがて、ラーメーシュワル・シンはパトナーヤクの妻(イリヤナ・デクルーズ)を襲わせ、手を引かせようとしますが....。

Raid | Official Trailer | Ajay Devgn | Ileana D'Cruz | Raj Kumar Gupta | 16th March

上が予告編ですが、駄目だった点は、①あまりにも隠し財産が多く発見されすぎで、それもいいかげんな隠し方がされているので、リアリティが非常に希薄、②妻に精神的に頼っている、という設定もわからないではないのですが、外界から遮断して捜査中のラーメーシュワル・シンの屋敷なのに、妻の差し入れは受け取りにいったり、ひんぱんに妻に電話したりと、「統率者がそんなことでどうする」と叱りたくなるシーンが多かったこと、③税務署長の家なのに召使いを雇っていないなど、細部の不自然さがストーリーを白けさせたこと、等々で、妻役もイリアナ・デクルーズは演技・表現力から言ってもミスキャストでした。せっかく280ルピーも払ったのになあ。


今回見たのは、昔のメトロという映画館がINOXに買収された映画館です。基本的に、古い建物を残してあってとてもいい感じなのですが、やはりカメラは電池を預けさせられたため、スマホ写真しか撮れずじまい。2回へ上がった階段の踊り場には、こんな映写機が飾られています。


壁には古い時代の写真がいろいろ飾ってあったのですが、シャシ・カプールが昨年亡くなったためか、シャシ・カプールとラージ・カプールに関するものが多かったです。出口でやっとバッテリーを返してもらい、「動くかどうか試すわね」とここでもパチリ。こちらもかわいい二人の娘さんたちがセキュリティをやっていました。


映画館メトロの隣はカフェ・メトロという喫茶店兼レストラン。1939年から、とメニューに書いてあったので、1938年にメトロ劇場ができてすぐ開業したのですね。


ここのボーイさんはかわいい紺の制服を着ていて、「チェッカーズ」とでも呼びたいおじさんたちになっています。


映画館でサモサ2個140ルピーを食べていたので、アイスクリーム系にしてみました。「セワーイー・クルフィー」という、私も初めて見るメニューで、インド式アイスクリームのクルフィー(丸い円盤形になっている)を8等分し、星形に飾って、中にセワーイー(インド式そうめん)を入れてトッピングする、というものです。セワーイーはほとんど味がついておらず、おいしいかと言われるとビミョーでした。クルフィーだけで食べた方がよかったかも、です。


アイスクリームと言えば、マリーンドライブにあるこちらのナチュラル・アイスクリームに行ってみたのですが、この場所、来た覚えがある...。そう言えば、プネーの町歩きの先達Oさんが、「ナチュラル・アイスクリームはムンバイが発祥の地」と言っていたっけ。


思い出しました。2011年、女優のスハーシニー・ムレーに夕食をおごってもらったあと、「とってもおいしいアイスクリーム屋さんがあるのよ。デザートを食べに行きましょ」と連れてきてもらったのが、マリーンドライブにあるこの場所だったのでした。あの時はおいしいと思ったものの、3.11のニュースをスハーシニー宅でパソコンをネットにつなぎ(ホテルではネットにつながらなかったのです)、見入ったあとだったので、あまりよく味を覚えていませんでした。


お店の人に聞くと、16年前からここにできていたそうで、2011年当時はまだ全然名前を知られていなかったのです。それが、現在はこんなにメニューが増え...、というわけで、ココナツとマンゴーのダブルをコーンでいただきました。これで120ルピーです。


日本に進出してほしいお店の最有力候補ですが、日本だと1スクープ300円ぐらいになってしまうんでしょうねえ。インド式アイスクリームのクルフィーでもいいな。ぜひ日本へレイドをかけて下さい。


 


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