シンガポールでは、インド映画をあと2本見ました。タミル語映画『Sakalakala Vallavan Appatakkar』と、ヒンディー語映画『Brothers(兄弟)』です。日本でもちょうど8月15日(土)の上映会で上映されたばかりのテルグ語映画『Srimanthudu(大富豪)』もボンベイ・トーキーズでやっていたのですが、土・日と見ることができず、土曜日に『バーフバリー』のヒンディー語版を見に行った時、「マヘーシュ・バーブーの映画は月曜日もやりますか?」ときいたら「時間は今わからないけど、必ず1回上映するよ」との返事で安心していたら、日曜日の夜ネットで確認してみても出てこない....。シンガポールとは言え、ここはインド世界なのでした。
さて、タミル語映画『Sakalakala Vallavan Appatakkar』はレックスで見たのですが、大きな方の上映ホールで毎回上映しているという人気作品。とはいえ、観客はそんなに多くなく、800人入るところに20人ぐらい。主演はジャイヤム・ラヴィという男優で、私はこれまでノーチェックでした。今34歳ですが、お腹周りの貫禄はすごく、甘めの顔ということもあって、アクションでもロマンスでもコメディでもOK、という俳優のようです。今回は、村の実力者(プラブ)の息子シャクティを演じます。
ところがこの映画にはもう一人コメディアン主役とでも言うべき人がいて、それがスカーフをいつも巻いている伊達男のチンナサーミ(スーリ)。どちらも村では知られた顔で、常に張り合っていますが、チンナサーミが損な役回りをするのはお約束。チンナサーミの親戚の娘アンジャリ(アンジャリ)にシャクティが惚れ、相思相愛になるかと思われたのですが、シャクティの父の友人とその娘トリシャ(ディヴィヤ)が都会からきて村で結婚式を挙げることになり、それがとんだ悲劇を引き起こします。トリシャの相手が結婚式の最中に逮捕され、式が宙ぶらりんになってしまうのです。シャクティの父は友人を助けるためにシャクティを婿の代わりとすることを決定、こうしてシャクティは好きな女性と結ばれず、トリシャと都会で暮らすことになります....。
と書くとお話がまとまっているようですが、何だかてんでバラバラなエピソードがかろうじて1本に繋がっていく、という感じです。後半はトリシャが田舎者のシャクティを嫌い、離婚騒動に発展するという展開になり、う~ん、ワケわからんけど、刹那的には楽しいから、ま、いいか、というような作品でした。予告編はこちらです。
Sakalakalavallavan Appatakkar - Official Trailer | Jayam Ravi, Soori, Trisha, Anjali | SS Thaman
もう1本は今週の新しい公開作、ヒンディー語映画『Brothers』です。監督が『火の道』(2012)のカラン・マルホートラーだというので、期待して見に行きました。
ストーリーは、父ゲイリー・フェルナンデス(ジャッキー・シュローフ)が母親マリア(シェファーリー・シャー)以外の女性に産ませたモンティー(成長後はシッダールト・マルホートラー)が家に引き取られ、兄となったデヴィッド(成長後はアクシャイ・クマール)は母と共に面倒を見てやります。ところがある時父がうっかりとモンティーの母の名を呼んだため、母との間で争いになり、父は誤って母を殺してしまいます。その時からデヴィッドはモンティーと父を許せなくなり、家を捨てて学校の教師として身を立てることにしました。妻(ジャクリーン・フェルナンデス)と幼い娘とで幸せな生活を送っていたのですが、父が刑期を終えて出てきたり、自身に金銭の必要が出てきてデヴィッドは手っ取り早く稼げる格闘技の世界に。また、モンティーも父の指導で、格闘技家としてデビューしようとしていました....。
最後は、インド初の格闘技大会で、決勝戦まで勝ち残った二人の戦いとなります。アクシャイ・クマールもシッダールト・マルホートラーも身体能力は高く、対決場面はかなりリアルに演じられているのですが、残念ながら格闘技自体が映画的には難しく、試合の描写も平板すぎて、全然楽しめません。訓練シーンも、お約束のメニューをこなしている、という感じで、いまひとつでした。香港映画『激戦』などと比べると、人間ドラマも弱くて、こう言っちゃ何ですがいい所なし。Yahoo!Indiaの映画評が★1つだったのもうなずけます。予告編はこちらです。ほかに。カリーナー・カプールが特別出演したアイテム・ソングもありました。
Brothers Official Trailer | Akshay Kumar, Sidharth Malhotra, Jackie Shroff and Jacqueline Fernandez
インド映画、結局今年の夏は『バーフバリー』と『バジュランギー兄貴』が制した、という感じですかねー。
格闘シーンはレベルが高くって引き込まれました。
兄弟と父親の心の葛藤や変化も良かったと思います。
・・・・ヒンディー語であまり理解できなかったので、
台詞のない格闘シーンに引き込まれたのかもしれませんが。
格闘技とまったく縁の無い私は、全然ダメでした。
見ている間中、『激戦』のエディ・ポンとニック・チョンの戦いぶりが頭の中で比較対照されてしまって、脳内イメージの方が勝っていた気がします。
格闘技アクション系では、『コマンドー』の方が断然好きですね。
内容もサルマンもナワちゃんもカシミールの美しい景色もとても良かったのですが、何と言ってもあの子役の女の子の可愛らしさ、演技の上手さにやられてしまいました。
2回観に行きましたが、また観たいと思ってます。
ほんとに、あの子役ちゃん、かわいすぎですよね。
しゃべれない、という設定だからかよけいにいじらしくて、よしよししたくなってしまいました。
一方バジュランギー兄貴は正直の上にバカがつく設定なので、国境越えのところなどでは蹴飛ばしたくなって困りました。
インド・パキスタン間の融和というのも大胆に打ち出していますし、日本で公開してもイケるのでは、と思います。