アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

中国語圏映画いろいろ見ました

2013-08-24 | 中国語圏映画

ここ2日間お天気が悪いという予報が出ていた香港。昨日は午前中にものすごい雨が降りました。日本で言うとゲリラ豪雨ですが、昼頃には小降りになり、あとはやんでしまいました。今日は、午後2時頃に激しい雨が。でも、30分ぐらい降って、あとはお日様が出る展開に。まるで南国のスコールみたいですね。

雨だと気温が30度程度で涼しくていいのですが、そのかわり湿度が97%とかになるので、歩くとやはり汗が出ます。昨日も今日もいろんな所をお買い物で回ったので、映画を見る頃は我ながら汗くさかったです。隣の席の人、ごめんなさい...。 

昨日見たのは、旺角のUA朗豪坊(ランガムパレス)で夏日電影節『台北工廠』。そこから九龍駅の上にあるグランド・シネマにタクシーで移動して(間が30分しかなかったのです)『被tao走的那五年』の2本でした。

『台北工廠』はオムニバス映画で、「ブタ」「沈黙の庇護」「麗しい旅」「張氏の新住所」という4本の短編が入っています。カンヌの監督週間に出たそうなのですが、うーん、イマイチでした。一番面白かった「張氏の新住所」は、ある日家が門だけを残して消え失せ、役所で住所を調べてもらうと「その住所は海のただ中になるよ」と言われてしまう張さんのお話。張さんを高捷(ガオ・ジエ)が演じていて、達者な水泳も見せてくれます。シュールなお話で、第1話の中で語られる寓話と通じているのですが、真ん中の2話は退屈で夢の世界へ....。すみません。それぞれ、台湾と台湾以外の若手監督が共同で制作した作品となっています。予告編はこちらをどうぞ。

『被tao走的那五年』は台湾の男優張孝全(ジョセフ・チャン)が出ているのでてっきり台湾映画だと思っていたのですが、中国映画だったみたいです。相手役は『失恋33天』の白百何で、監督は女性監督の黄真真。途中までなかなかよくできていたのですが、あと3分の1というところで、えええ~?な展開になります。

オープニングは、ラブラブの2人の描写がこれでもか、と出てきます。ところが甘い新婚旅行が一転して交通事故になり、目が覚めた妻は5年間の記憶がなくなっている上、夫とはすでに離婚していると言われてしまいます。あんなに愛し合っていたのになぜ離婚をしたのか、と妻は元夫の家に転がり込んで、謎を解き明かそうにしますが...。

まるでインド映画『命ある限り』みたいですが、空白の5年間をさぐっていくうちに、意外な事実がいろいろ明らかになるなど、面白い展開が続いて飽きさせません。また、主演2人の演技も魅力的で、3分の2の所で終わっていればさわやかな恋愛映画になったのですが。ちょっとだけネタバレを言うと、『私の頭の中の消しゴム』になっちゃうんですよね....。後味がぐっと悪くなったのが残念でした。予告編はこちらです。

そして今日は2本ともグランド・シネマにて。まず『第一次不是nei』は、香港映画でした。地味な上映なので、まさか地元の映画とは思いませんでした。子供時代から高校時代まで知り合いだった男女が、友人の結婚式で再会するのですが、女性はすでに結婚し、男性も間もなく結婚するガールフレンドがいます。ところが、昔の思い出を語り合っているうちに2人は...。というお話。撮り方も幼くて、脚本もヘタで、演技も素人っぽく...と、「?」な作品でした。また、高校時代に病気の母親を助けるために彼女が働き始め、いつも彼が送り迎えするのですが、彼女の仕事がデリヘル嬢で...という何とも変な展開もあり、何が言いたい?という感じ。予告編はこちらです。

その疑問が解けたのは、映画が終了してからどどっと監督や主演男優を始めとする俳優陣が劇場に入ってきてQ&Aが始まった時で、どうやら身内の試写会を一般客にも開放したという作品のようなのでした。そんなの、映画館でやるな!と「金返せ」気分でしたが、こういう上映をシネコンが担ったりしているのだ、という実態調査にはなりました。下の写真は順番に、Q&Aに答える監督とキャスト、葉念■(パトリック・コン/本名が江柏■)監督、主演男優馬志威、主演女優蒋家旻です。

パトリック・コン監督はすでに結構作品を撮っていますね。なぜこんな、80年代のテレビドラマみたいな作品を撮ったんでしょう...。

最後は夏日電影節の『對面的女hai殺過來』。謝駿毅監督の台湾映画です。タイトルの元ネタは、リッチー・レンが歌って10数年前にヒットした「對面的女hai看過來」ですね。これは、なかなか面白かったです。予告編はこちら

台北の28歳の公務員(張書豪)は、上司に提出する企画書をまとめるに際し、中国大陸の人間との交流が不可欠と言われて、台北の食堂で知り合った中国人の旅行者の女の子(黄[王路])を家に連れ帰ることに。彼女は祖母に頼まれて、祖母のかつての恋人を捜しに台湾にやってきたのでした。こうして、政治的背景も違えば性格も違う2人が、人捜しを始めるのですが...。中国と台湾の違う点などで大いに笑わせてくれ、家族関係でホロリとさせるなど、上手な映画で引き込まれました。豪快な中国大陸のお姉ちゃんが面白いキャラで、続編が見たくなる映画でした。

さて、明日は韓国映画2本が無事見られるか? UA朗豪坊(ランガムパレス)で『ミスター・ゴ』、徳福戯院で『7号室の贈り物』の予定なんですが。それにしても、今回は同じ映画館でばっかり見ていますねー。どこか、新しい所を開拓したいです...。

 


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6 コメント

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夏日電影節 (ある)
2013-08-29 01:26:14
cinetama様

こんばんは。楽しく拝読しております。
毎回非常に参考になる映画コメントを有難うございます。
香港にいらしていたのですね。以前にやはり昨年三月の電影節のことでコメントさせていただきました。今回もいくつかみにいきました、いつか香港の映画館でばったりお会いしたいです、(o^^o)。

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ある様 (cinetama)
2013-08-29 15:12:38
コメント、ありがとうございました。

あるさんもいらしていたのですね。今回の「夏日電影節」では、グランド・シネマに見に行った時に、以前からの顔見知りTさんが1Fの麺屋さんから出てくるのにバッタリ会いました。Tさんは確か真面目なお勤め人だったと思うので、私はびっくりしたのですが、Tさんは「次の映画ですよね」と涼しい顔。ブログを見て下さってたのかも知れません。
あるさんとも、香港のどこかの映画館でお会いしたいものです。ぜひお声をかけて下さいね、一緒に飲茶しましょう!
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来年を楽しみにしております! (ある)
2013-08-31 00:55:32
cinetama様

早速お返事有難うございます。
とても嬉しかったです。。
Tさんとのふれあい、香港らしいなぁと思いました。私もそのように偶然だけど偶然じゃなくお会いしたいものです。
来年の三月楽しみにしております!
何か目印を持って映画館にいきます。
飲茶へ是非ご一緒したいです、有難うございます。

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ある様 (cinetama)
2013-08-31 09:22:26
再びのコメント、ありがとうございました。

私はデカいので、とにかく目立ちますから、「うわっ、大きなおばさんがいる。態度からしてきっと日本人~」と思われたらぜひお声を掛けて下さい。今回は友人と会えなかったので、飲茶もできず(1回だけ、茶餐庁で大家樂式の飲茶をした)、おいしい物も食べられず少々がっかりでした。どなたかとご一緒できたら、張り切って飲茶にいけますので、あるさんとぜひ、と思っています。
来年3月も香港に行けるよう、今から一層がんばります!
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Unknown (ある)
2013-09-05 02:12:57
cinetama様

こんばんは、こちらこそお返事をいただき、とても嬉しいです。是非是非飲茶ご一緒させていただいたけたら幸せです!私は横におおきいのですが、目印になるものを身につけます。三月近くなったらまた、ご連絡させてくださいo(^▽^)o。
どうも有難うございます。
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ある様 (cinetama)
2013-09-05 11:00:08
再々度のコメント、どうもありがとうございます。

[口甘],我[口地]出年三月[口係]香港一斉去飲茶,一言為定!(それでは、来年3月に香港で一緒に飲茶に行きましょう。約束ですよ!)
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