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アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

東京と大阪でナンディタ・ダース監督作『マントー』を上映

2019-04-26 | インド映画

TUFS Cinemaの萬宮健策先生から、ご案内をいただきました。標記の作品『マントー(原題:Manto)』(2018)の上映と、監督ナンディタ・ダースによるワークショップのご案内です。ナワーズッディーン・シッディーキー(『女神は二度微笑む』や『バジュランギおじさんと、小さな迷子』で名脇役ぶりを見せた男優)が主演した『マントー』は、著名な作家サアーダト・ハサン・マントーを主人公にしたもので、マントーの作品は下のご案内にもあるように日本語訳も何冊か出ています。まずは、一斉メールで届いたご案内を貼り付けておきましたのでご覧下さい。

(画像は市販DVDカバーより。ポスターと少しデザインが異なっています)

ナンディタ・ダース氏招聘および国際ワークショップ開催、

映画『マントー(Manto)』上映

 今年2019年7月に、東京外国語大学TUFSCinemaとFINDASは、インドを代表する映画監督の1人であるナンディタ・ダース氏を招聘し、国際ワークショップを開催するとともに、同氏の代表作である映画『マントー(原題:Manto)』(2018年インド=フランス/日本語字幕付/118分)を上映いたします。みなさまのご参加をお待ちしております。

 ナンディタ・ダース氏(1967-)は、インドを代表する映画監督であると同時に、俳優、社会活動家など多くの側面を有しています。今回の滞在中、同氏の社会活動及び映画製作に焦点を当て、ワークショップを開催いたします。ダース氏は、インドにおいてWomen of Worth (Dark isbeautiful)という活動に積極的に関与するなど、社会運動家として非常に有名です。氏の活動をとおして、現代インドが抱えているさまざまな社会問題にあらためて目を向ける機会を設けることには大きな意義があると考えます。
 また、ダース氏監督最新作である映画『マントー』(2018)(2018年Asia Pacific Screen Awardで、主演俳優ナワーズッディーン・シッディーキーがBest Performance by an Actorを受賞)を上映し、現代インド文学を代表する作家であるサアーダト・ハサン・マントー(1912-55)の生涯を振り返るとともに、現代インド文学におけるマントーの位置づけを改めて考える機会としたいと思います。2018年カンヌ映画祭では、本作品がプレミア上映されています。
 ダース氏は、初監督作品である『Firaaq』(2008)以降、映画を通して南アジアにあるさまざまな社会問題を提起しています。監督業だけでなく、『Fire(映画祭での上映題名「炎の二人」)』 (1996)や、『1947 Earth 』(1998)、『Ramchand Pakistani』(2008)をはじめとする作品に出演し、俳優としても一目置かれる存在です。2005年にはカンヌ映画祭で審査員を務めた経験も有することからも、世界的に注目されている監督、俳優と言えます。

1.ワークショップ開催
テーマ: 現代インド女性をめぐる問題:女優として、活動家として
日時:2019年7月9日(火)18:00から
場所:東京外国語大学(東京都府中市朝日町3-11-1)100番教室(定員60)
使用言語:英語(通訳なし)、入場無料、予約不要、先着順

2.映画『マントー(Manto)』上映(インド=フランス/日本語字幕付/上映時間118分)
(1)東京
日時:2019年7月4日(木)18:00から、および同7月7日(日)16:00から
場所:東京都府中市朝日町3-11-1 東京外国語大学アゴラ・グローバル内プロメテウス・ホール(定員501)
どちらの回も予約不要。入場無料。先着順。
(2)大阪
日時:2019年7月5日(金)18:00から
場所:大阪大学中之島センター(大阪府大阪市北区中之島4-3-53)(定員192)
大阪会場については、入場無料、事前予約制といたします。
予約専用メール・アドレス: manto2019osaka@gmail.com (おひとりさま2席まで)

どの回も、映画上映終了後、ダース監督による解説(通訳付き)を実施します。

映画についての詳細は、以下のウェブサイトをご参照下さい。
https://www.imdb.com/title/tt6923462/
https://www.youtube.com/watch?v=QFbUei2DDhc

 なお、映画を見る前には、作家マントーの作品に触れることを強くお勧めいたします。日本語訳された作品は、大同生命国際文化基金のウェブサイトから電子書籍の形で読むことができます。
http://www.daido-life-fd.or.jp/business/publication/ebook

主催: 東京外国語大学南アジア研究センター(FINDAS)、東京外国語大学TUFS Cinema
共催: 大阪大学外国語学部ウルドゥー語専攻
後援: 大阪大学21世紀懐徳堂
協賛: VIACOM 18、全日本空輸(ANA)、ホテルマネージメントインターナショナル株式会社(順不同)

  سعادت حسن منٹو    سعادت حسن منٹو    سعادت حسن منٹو   سعادت حسن منٹو    سعادت حسن منٹو

ナンディタ・ダース監督は、1989年にプラカーシュ・ジャー監督作『Parinati(変容)』でデビュー、その後ディーパー・メーヘター監督の『炎の二人(Fire)』(1996)で、自分勝手な兄弟のもとに嫁ぎ、シャバーナー・アーズミー演じる長男の嫁と慰め合う次男の嫁を演じて、一挙に注目されました。二人の関係がレズビアンともとれるような描写があったことでもセンセーショナルな関心を集めた『炎の二人』でしたが、ナンディタ・ダースの演技は高く評価され、「フィルムフェア」誌の新人女優賞を受賞したりしました。その後、アート系作品を中心に、娯楽映画にも出演するようになり、ヒンディー語映画界以外でも南インドや東インドの諸言語の映画で活躍を始めました。そんな頃、2001年秋に撮ったナンディタ・ダースの写真がこちらです。


デリーの友人宅でたまたま出会い、友人も交えて一緒におしゃべりしたのですが、自分の主張をしっかり持っている聡明な人、という印象を受けました。その後、2008年には初の監督作品『Firaaq(別離)』を発表、2002年にグジャラート州で起きた列車焼き討ち事件によって運命に翻弄される市井の人々を描き、高い評価を得ました。『マントー』は長編監督作品としては2本目で、上記のようにカンヌ映画祭で上映されるなど、こちらも高く評価されています。この機会にぜひご覧下さい。また、ナンディタ・ダース監督の活動の全貌を知るためにも、ワークショップへのご参加もお薦めします。

上のご案内にもアドレスが付いていますが、『マントー』の予告編を下にも付けておきます。

Manto - Official Trailer | Nawazuddin Siddiqui | Nandita Das | In Cinemas 21st September 2018



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Unknown (ksera)
2019-04-29 22:36:47
マントーの翻訳本は無料で読めるようなので驚いています。ナンディタダスのQ&Aは先日アメリカの大学でも開催されました。
こちらでは、メディア研究の教授と、ポストコロニアルのパフォーミングアーツの先生とのQ&Aでした。日本でのQ&Aではきっと日本文化との比較なども
出てくるのでしょうね。いつも面白い情報をありがとうございます。
返信する
ksera様 (cinetama)
2019-04-30 01:32:39
コメントをありがとうございました。
おっしゃる通り、萬宮先生のご案内にあった大同生命国際文化基金のサイトから、マントーの著作を無料でDLして読むことができます。
「黒いシャルワール」
http://www.daido-life-fd.or.jp/business/publication/publish/pakistan/pakistan3.html
「グルムク・スィングの遺言」
http://www.daido-life-fd.or.jp/business/publication/publish/pakistan/pakistan4.html
いずれも短篇集ですので、読みやすいです。
また、他にも、パキスタン文学、インド文学、さらにはバングラデシュ文学、スリランカ文学の名著がいろいろDLできますので、下のサイトもぜひご覧下さい。
http://www.daido-life-fd.or.jp/business/publication/publish#india

訳者も、マントー作品が故鈴木斌先生(東京外大教授時代は、バーバー・エ・ウルドゥと呼ばれたウルドゥ語、ウルドゥ文学の大家)と片岡弘次先生(東京外大大学院を出て、大東文化大教授として長く教えられたこちらもウルドゥ文学の先達。マントー以外の翻訳もたくさんあり、イクバールの詩集「ジブリ-ルの翼」では日本翻訳家協会特別賞受賞)というように、それぞれ超一流の方ばかりなので、読みやすいです。
『マントー』をご覧になる前に、ぜひご一読下さい。

それにしてもナンディタ・ダース監督、なぜマントーだったのでしょうね。
そのあたりも聞いてみたいです。
(あと、なぜナワちゃんのキャスティングになったのかも聞きたい...)
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