千歳山研究所

ふるさとの名山、千歳山に思いをはせる野鳥写真初心者

PLAYBOY(日本版・創刊号)1975年7月号

2021年07月14日 | PLAYBOY日本版

 今、私の手元にはPLAYBOY(日本版・創刊号)1975年7月号からの21冊、1年9か月分があります。当時高校2年生だった私が、創刊号からリアルタイムで買い始めたものです。その後の幾度の引越を耐え抜き、よくぞ残ってくれたものだと思います。

高校生だった私がなぜPALYBOY(日本版)を買い始めたのか、自分でもよく覚えていません。週刊プレイボーイとか平凡パンチなどがあった中でこれに目をつけたことは、少し背伸びしていたのは間違いないでしょう。大人の男の世界を垣間見たいとか、アメリカの雰囲気を少しでも味わいたいということもあったでしょう。ああ、もちろん、高校生男子に欠かせない、ほぼ毎日の大事な仕事のネタにもさせてもらいましたよ!

45年も経過すれば、ただの雑誌ではありますが、昔を振り返る上で歴史的な史料としての意味を持ち始めたのではないかと思います。そして、雑誌の記事よりは、むしろ掲載されている多くの広告こそが、今から45年以上前の社会や文化、流行を映し出しているのではないかと考えました。そこで、家庭用プリンタでスキャンした画像ではありますが、まずは創刊号をアップしてみます。その後、2号以降を順を追って載せていければと思います。

 

ということで、まずは1975年(昭和50年)の時代背景を少し。
1950年代半ばから続いてきた日本の高度経済成長が1973年の第1次オイルショックで終了し、消費者物価指数(前年比)は、1973年は11.7%、74年には23.2%まで上昇、経済成長率も72年は前年比+9.1%だったのが73年は同+5.1%、74年は同-0.5%に落ち込むという、ある意味激動の時代。

大卒者の初任給も、73年の62,300円、74年の78,700円、75年には89,300円(現在の価値で約16万円)と、激しいインフレに呼応して信じられないような伸びをしています。

対ドル為替で見ると、73年から変動相場制に以降し、75年12月には1ドル=306円をつけます。その後は円高が進み、78年には1ドル=176円まで上昇します。

総理大臣は三木武夫。田中角栄のあとを受け、74年(昭和49年)から76年(昭和51年)まで在任し、次は福田赳夫、そして大平正芳へという流れです。

芸能界においてはキャンディーズの全盛期、「年下の男の子」「その気にさせないで」などヒット曲を連発。また新御三家(西城秀樹・郷ひろみ・野口五郎)もブイブイ言わせている頃でした。

テレビでは「俺たちの旅(主演:中村雅俊)」、「俺たちの勲章(主演:松田優作)」、「前略おふくろ様(主演:萩原健一)」、「カックラキン大放送(野口五郎、研ナオコ他)」、「ぴったしカン・カン(司会:久米宏)」、「パネルクイズ アタック25(司会:児玉清)」などが始まった年でもあります。

私といえば田舎に住む17歳。この頃からタバコを吸い始めました。初めはたしかチェリーの香りが好きでしばらく吸っていましたが、セブンスターのパッケージに引かれて、ほどなくくら替えしたことを覚えています。熱心な帰宅部の部員で、家に帰っても全く勉強せずに、買ったばかりのフォークギターをひたすら練習していました。懐かしい。

いささか前置きが長くなりました。では、PLAYBOY(日本版・創刊号)1975年7月号(集英社)です。
値段は360円でした。今のこの手の雑誌の3分の1程度でしょうか。

 

■ 表紙

蝶ネクタイのバニーがドーンとどアップ、まさにPLAYBOYの顔。

 

■ 目次

 

■ パイオニア ステレオセット

最初の広告はパイオニア セントレート S-7、価格は169,000円。

見開き2ページにわたって横たわる見事な女性のカーブ。キャッチコピーが「曲線のステレオ」。

当時の音源はレコード、FMラジオ、カセットテープ。このセットの場合、カセットデッキはオプションになっています。

この手のステレオセット・コンポーネントステレオは、この後にミニコンポが出現して小型化・低価格化が進み、

20世紀中にはほぼその役割を終えているように思います。

 

■ 資生堂 ブラバス

主たる購読者である男性向けですが、1,200円というのはどうなんでしょう。

当時としても高いような気が。

これ、21世紀の今でも売っています。

資生堂のホームページには「柑橘系の香り、清潔感を表すグリーンノートの男性用ブランド」として健在。

ボディウオッシュは、残念ながらラインアップには載っていませんでしたが、

ヘアトニックは1,518円(税込)だそうです。

 

■ Canon F-1

左上がぼやけてしまいました。

標準価格 ボディのみ99,000円。FD50ミリ F1.4S.S.C付130,000円。ケース6,000円。フード1,500円。

この当時、私は全くカメラ、写真には興味がなく、このF-1の歴史的な位置づけも分かりません。

 

■ プジョー 自転車

右上に小さく「プジョーのお求めはこの看板のお店で・・・ヤマハ発動機」とあります。

調べてみると、ヤマハは73年からプジョー自転車の総代理店契約を結んだそうです。

映っている自転車はロードレーサーJ10というもので、お値段は33,000円。

相場が全く分かりませんが、そう高いものでもなさそうな感じがします。

 

■ ナショナル パナカラー

パナカラー クイントリックス。ウサギの赤い蝶ネクタイはPLAYBOYのバニーにあやかったか?

坊屋三郎さんのテレビCMは今でも覚えています。

この2年後に、私は北関東の大学に入学して下宿生活を始めるのですが、1977年4月に同期入学で同じ下宿に

入った新入生は9人いましたが、テレビを持っていた人は誰もいませんでした。ほとんどがモノラルのラジカセ。

横長でスピーカーが両脇に2つ、真ん中にカセットというステレオラジカセはまだ出始めの頃で、それを持っていたのは

たしかたった1人だけだったような。

それはさておき、このパナカラーP14は14型で92,800円。うわっ、た、高い、ちょっとびっくり。

しかし、私が大学3年生になってからバイトしてゼネラルの14型を買ってますから、この後、

テレビの価格がどんどん下がっていった時期なのかもしれません。

 

■ ONWARD MACKENZIE

既に日本でも「刑事コロンボ」で人気に。1927年生まれですから、このときは48歳。

2011年に亡くなられています。Rest in Peace.

 

■ ランサー セレステ

三菱自動車の2ドアスポーツカー。1,400cc・92psと1,600cc・100ps(GSR ツインキャブは110ps)で、

値段はここには書かれていませんが、調べたらGSRで967,000円でした。

このデザイン、私は好きです。大学3年生のときにサークルに入会してきた新入生(たしか四国か

どこかから出てきた男子)が、この車の青いやつに乗っていたことを思い出しました。

当時、大学生が車を持つなんて、自宅から通っている以外は考えれなかったなあ。

それほど金持ちボンボンというわけでもなかったので、車が好きだったんだなと、

今考えれば、そんな気がします。

 

■ チソット 腕時計

今でもスイスウォッチの老舗ブランド、TISSOT。

自動巻で左側が50,000円、右側が46,000円。

 

■ AUREX O'pus-11

Aurexは東芝のオーディオブランド。このセットはラック込み(ヘッドホン含まず)で合計153,300円。

Aurexは、とうの昔に消えたものと思っていましたが、21世紀を21年過ぎた今でも現役ブランドとして

残っていました。東芝エルイートレーディングという会社が、ハイレゾ対応ラジカセを売っています。

 

■ ブラウン シンクロン200

言わずと知れたブラウンのシェーバー。高校生の私には、まだ無縁のものでしたが、

30歳を過ぎてからはずっとブラウンシェーバーを愛用してきました。

ブラウンは、動作音が少し大きいのが玉にきず。

本体6,400円。

 

■ ダイハツ シャルマン

ソフトフォーカスの美女は小川知子さん。

ダイハツの原点は、1907年(明治40年)に大阪で創業した発動機製造株式会社。

昭和になって自動車(小型三輪車)の製造を開始、大阪の「大」と発動機の「発」を

取ったダイハツという愛称が、その後「ダイハツ」という社名になっていったそうです。

charmantはフランス語で「魅力的」。1988年まで製造されたようです。

 

■ ビクター M-5

5バンド(FM/MW/SW/TV-VHF/TV-UHF)ラジオ+3型ブラウン管テレビ。

4電源方式と、アウトドアを意識したつくりで47,800円。カセット部はありません。

SONYのラテカセ JACKAL300は1976年の発売です。

テレビは付け足しみたいなものでしょうが、ボタン・レバーなどの操作系多数で、

見るだけで単純に欲しくなります。

 

■ ニッカ BLACK-50

河村要助氏のイラスト。「黒の、50」男は黒く燃えている。720ml 1,000円。

1975年に発売開始。現在は販売されていません。

 

■ 清酒 白鶴

浅黒い締まった顔でぐい呑みを持つのは、北大路欣也。当時32歳。

白鶴提供のNET系「破れ傘刀舟悪人狩り」(火曜夜9時~)に主演。

今も白鶴は、上撰 白鶴 として売られています。

 

■ Levi's

「125年目の春」とありますから、今現在は170年を超えていることになります。

 

■ 明治製菓 明治ソーダ

黄色い缶のレモンが新発売だそうです。ほかには梅酒入り・マスカット・グレープ。

梅酒入りって、アルコール飲料なのかな? 多分アルコール濃度はとても低くて、

オロナミンC みたいな感じと想像。

こんがりと日焼けしたモデルさんは、黄色のビキニ。いい感じ。

 

■ 日本航空 JALPAK

ハワイが新婚旅行の行き先1位になるのは1979年ですから、まだまだ海外旅行は高嶺の花。

フリータイム・アメリカ西海岸8日間エコノミー 247,000円。

マイプラン・ハワイ6日間 179,000円。

 

■ パイオニア カセットカーステレオ

カセットテープのカーステレオが昭和50年の最先端ですから、やっぱり時代を感じます。

液晶テレビがこけてからのパイオニアですが、カーステレオから発展していったカーナビでは

まだ存在感を示しているのかな。

 

■ ヘインズ

大和紡績が1972年(昭和47年)に米国ヘインズ社と技術提携したそうです。

 

■ ジル(JIL)

カラーを楽しむ男の下着。ジル

ラビー株式会社でネット検索しても引っかからず。

左上に小さく LICENCIE PAR Andre-GILLER FRANCE とありますが、浮き沈みの激しい業界、

今は存在せず、のようです。

 

■ Canon パーム8-1

この電卓について、スキャンしているときも、さらには書き始める直前まで、

私、カシオの電卓だと思っていました。キヤノンだったんです!

しかも四則計算だけで6,800円なり、びっくり仰天。

でも、私が大学に入るときには持っていましたから、この後、ガタガタと値下がりしていったと思われ。

 

■ セイコー ES-311 / ES-317

充電専用で、ES-311  4,700円、ES-317  5,500円。

電気シェーバーは、結局は替え刃の切れ味と耐久性が命。

メーカーは本体よりも替え刃の交換でもうける仕組み。

すぐに切れ味が鈍るとユーザーがついてこないが、耐久性がよすぎてもメーカーのもうけが減る。

さらに替え刃の値段設定もあり、この微妙なバランスがキモか。

 

■ 京王 Primo

「イタリアの、粋なアダルトスーツ」と書いてありますが、写真の下には小さく「この製品は国産品です」と。

粋なデザインはイタリアのもので、縫製は日本国内ということらしい。

では、生地はどうなんだと、肝腎なところにつっこみたくなりますが、そこは何も情報なし。

 

■ テイジン WOW

なぜに女性向けファッションがPLAYBOYに? 

それはさておき、悲しいお知らせ。

2008年(平成20年)の帝人の発表によると、

当社連結子会社である帝人ワオ株式会社は、昭和 48 年設立以来、ジーンズの製造販売を行
ってきましたが、主力のレディスジーンズ市場へのファッションメーカー参入による競争激
化に加え、最近の急速な市況悪化で事業としての採算性を見出すにいたらず、やむなく解散
を決意いたしました。 

ということでした。ワオなる会社のことを知る由もなく生きてきたわけですが、

50年近く存続したことは讃えられてしかるべきと思いました。

 

■ CONTAX RTS

シブい。

派手なキャッチもなく、右下に小さく

「カールツアイス、ヤシカ共同開発第1号機/デザインはポルシェデザイングループ」とあります。

それまで世界一であったドイツのカメラ産業が、驚異的な発展を遂げた日本製に破れ去ったこと、

困ったCONTAXがヤシカに製造を持ちかけたことなど、少し調べただけでも興味深い話がたくさん

眠っているようでした。

 

■ SONY CF-2700(stereo2700)

ラジカセと呼ぶには迫力があり過ぎですが、お値段も64,800円と高額。

下に映っているのはプリメインアンプ TA-1700。

「まだ若草の匂い」と言っているのは、このラジカセを外に持ち出してフィールドで

ライブ録音もできますよ、ということを表現しているようです。重さは4.8kgもありますが。

さらにはヘッドホンにステレオ出力もできるし、FMステレオエアチェックもワンタッチで可能、

アンプと組んでシステムステレオとしても使える、ということのようです。

 

■ デサント スポーツエンブレムシリーズ

大リーグはこの頃24球団。それでも日本の12球団の倍ですから、やっぱりアメリカは大きいなと、

17歳の私は素直に感心していました。

デサントが何を売っているかというと、各チームのエンブレムをつけたウェアとかバッグ、雑貨を

発売していたみたいです。

この頃の日本プロ野球界というか、私が大ファンだった巨人軍はどうだったかというと、

前年の74年に長嶋茂雄が引退し、75年から監督を務めるも、球団史上初の屈辱の最下位に。

片田舎の一ファンだった私も、毎日が憂鬱だったことをはっきりと覚えています。

翌年にはリーグ優勝して狂喜乱舞しますが、日本シリーズでは阪急ブレーブスに3連敗。

その後巻き返して3連勝しましたが、最終戦で2対4で惜敗してどっちらけ・・・・・。

つい、話が長くなってしまいました。

 

■ 日清食品 カップヌードル

「単なる趣味さ」というのは、バイク(単車)の単とかけているようです。

このおじさん、バイク、つなぎ、ヘルメットと、見事なカラーコーディネート。

 

■ YAMAHA TC-80 (カセットデッキ)/  tenderly(ヘッドホン)

少し風変わりなデザインのカセットデッキとヘッドホン。

ヘッドホンはイタリア・デザイン界の巨匠「マリオ・ベリーニ」によるものらしい。

クリーム色は 7,000円、ブラックは11,000円。4,000円の値段の差は不明。

というか、マリオ・ベリーニがそもそもピンときません。

 

■ Sansui BA3000 / CA3000

190,000円のパワーアンプと160,000円のプリアンプという、超弩級のオーディオ機器。

パワーアンプは170+170ワットです。これだけの大音量を出せる環境は、一般的には

あり得ません。日本国内で時速300km以上出せる自動車を売っているようなもの、かな。

山水は、高い技術力で優れた音響機器を世に出してきましたが、1984年をピークに

経営が悪化の一途をたどりました。今現在、SANSUIというブランドはドウシシャが

使用していますが、山水という会社はもうありません。

 

■ Sons GROOVY

このSonsも、検索しても影も形もなし。

 

■ オリムピック釣具(素材は東レ トレカ)

釣り竿にカーボンファイバーを使用しています、ということで東レのトレカ。

 

■ ボブソン 700

裏表紙の裏面でうまくスキャンできず、右側が浮いてしまいました。

ボブソンは岡山県のジーンズメーカーで、1969年(昭和44年)に商標出願とありました。

日本のジーンズといえば岡山ですから、その先駆者ということでしょうか。

学生の頃のジョークというか、「ボブソンって日本のメーカーなんだよ」という話を誰かから

聞いた記憶があります。

 

■ トヨタ CELICA

裏表紙です。セリカ リフトバック LB1600ST。

エンジンは4気筒OHV、1,588ccで100pS。正確な値段は調べ切れませんでしたが、850,000円程度と思われます。

ラインアップとしてはGT(2,000cc、1,600ccのDOHCエンジン)もありました。

歴代のセリカでは、何といってもこのリフトバックが私は一番好きです。

 

 

ということで、数が多くて難儀しました。このほかにも数枚ありましたが、載せ切れませんでした。

1ページ大や見開き以外にも、ページの3分の1とか、9分の1くらいの大きさの広告も多数あります。

いつかやる気があれば、ジャンル別に数を数えてみたいと思いますが、実現するか自信はありません。

 

考えていたよりもずっとたくさんの手間とエネルギーと時間を使い、脳みそも結構働かせました。

調べていくうちに思い出したこと、懐かしい話が次々と出てきて楽しい作業でもありました。

創刊第2号以降も、できれば近いうちにアップしたいと思います。



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