千歳山研究所

ふるさとの名山、千歳山に思いをはせる野鳥写真初心者

スピッツさん 「涙がキラリ☆」

2011年11月24日 | スピッツ

「涙がキラリ☆」は1995年7月7日発売のシングルA面です。

アルバムは「ハチミツ」に収録されています。

シングルでいうと「ロビンソン」が前作に当たり、大ブレイク直後ということになります。

さぞ気合いが入ったことでしょうが、ファンタジーを感じさせるいい曲に仕上がっています。

 

発売日が七夕であること、タイトルに ☆ がついていることから、

織姫と彦星に何か関係があるのでしょうか。

 

ふたりとも年齢は高校生ぐらいでしょうか。

まだつき合いだして間もない初々しさを見てとれます。

多分、まだふたりはうぶな関係でいるのでしょう。

 

一人称はめずらしく「俺」を使っています。

ほんとは「弱気な」自分だけど、「君の記憶の片隅に居座ることを 今決めたから」という

ちょっと乱暴で一方的な宣言をするための景気づけかもしれません。

 

居座ることを決めたといっても、こればかりは相手があることですから、

君に「マジキモイ」とか言われてはおしまいです。

こう言い切れるということは、お互いの気持ちはすでに確かめ合っているようです。

 

そんな君を七夕の晩にこっそり連れ出してどこへ行ったのでしょうか。

そこは街の明かりから少し離れた、夜空がよく見える小高い公園。

ふたりは、天の川を挟んだヴェガとアルタイルを見るためにやってきました。

 

七夕の夜にあの公園に行こうよ。

そしてあの星を見ることができたら、きっとふたりはずっと仲よくしていける。

おそらくそんなおまじないにも似た思いを込めて、この日を待っていたのではないでしょうか。

 

しかし、空には雲がかかり、星がよく見えません。

最高にロマンチックな気分になっていたふたりは、期待が大きかったこともあり、

そのあまりの「せつなさにキュッと」なり、涙がこぼれてしまいます。

俺が天使だったなら 南風を連れてきて、雲を吹き飛ばしてやれるのに。

早く星が出てこないかなと夜空を見上げるふたりの心を、

雲の間から見える天の川のかすかな光がつないでいます。

 

浴衣を着た彼女とデート、いいですね。

「浴衣の袖のあたりから 漂う夏の景色」、ほのかな色気も漂ってきます。

ここで歌われている浴衣を着ている君は、少し前(あるいは去年)の夏祭りのときなのか、

それとも今なのか、どちらとも言えそうです。

お決まりのお化け屋敷の楽しい思い出、怖くて俺の腕にしがみついてくる君。

あるいはふたりきりの公園で得体の知れない物音に不安になって、

君がすっと肩を寄せてくる、これが「恋のリズム」の正体かしら。

 

暗い雲を見上げながら思い出を語り合うと、ほんの少し前のことなのに

まるで幻のように感じられる。

ふたりの切ない願いも知らずに、時間だけが過ぎていく……。

 

最初にファンタジーと申し上げたのは、高校生の男女がふたりきりで公園で夜明けまで過ごすって、

治安の面から考えても、現実には難しいだろうなと思ったからです。

が、ここで描かれている若くてロマンティックな純愛は、

現実にはあり得ないかもしれないけれども、ファンタジーとしてはありだよね

という気持ちにさせてくれました。

そしてさらに、

俺は天使になりたい、だけど君をちょっとさわりたい、いけないこともしてみたい。

聖なるものへのあこがれと邪な心の葛藤は、

幼いながらもエロティックな男の本性を見事に言いあらわしています。

自分にもこんなときがあったのかと思うと、むずむずしてきます。

 

 

最後は星座が順当なところでしょうが、これにしました。

 

おしまい

 



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