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オデッサ・ファイル

2025-06-11 02:29:42 | 呟き

 フレデリック・フォーサイス氏の訃報に、時の流れを改めて感じた。

 お若い方々は、フォーサイス氏がベストセラー作家だった時代をおそらくご存知ないのだろう。逆に、自分は最新の流行を知らない。そういうものだ。

 「オデッサ・ファイル」は、お若い方々にお勧めしたい一冊。フィクション(小説)でありながら、現実の重い歴史に向き合わされる。技術的には、氏の作風の根幹があると思う。

 「第四の核」は、令和の今となっては、東西冷戦の空気感を知るための貴重な教材と言えるかもしれない。ジョン・ル・カレ氏の「寒い国から帰ってきたスパイ」と並んで、個人的な推薦図書。

 「戦争の犬たち」もお勧め。お若い方々にこそ、この"アナログ感"を味わっていただけたらと思う。個人的には、柘植久慶氏の「クーデター」と読み比べるのも面白い。

 うーむ、もっと語りたいけど、いつか別の機会に。


古参

2025-06-08 01:05:36 | 呟き

 Google 日本法人が、「インターネット古参会」への「入会資格審査」を実施中らしい。

 批判でも嫌味でもなくて、純粋に複雑な気持ちになった。うーん...

 誤解のないように予めお断りしておくが、私自身がインターネットの古参を気取るつもりは全くない。ARPANETに遡る歴史に言及するのさえ、おこがましい。

 その上で敢えて言うけど、Google ってインターネットの世界では新参者ですよね? いや、これは称賛ですよ? Google検索が登場した時の衝撃を覚えてますか?

 あの、ロゴと入力欄しかないトップページが、当時はどれほど斬新で新鮮だったことか。初代 iMac が PC のイメージをぶち壊したのと同じくらいの大事件だったと思う。

 そもそもですね、ネットでやや自虐的に呼称されるところの「インターネット老人会」を、表の世界(?)の価値基準に則って「インターネット古参会」と言い換えたであろう点で、なんか違うのよね。わかるんですけどね。

 その名も YAHOO! JAPAN という紙の雑誌(!)を書店で買って、付属のCD-ROM(!!)からInternet Explorer 4.0 (!!!) を我が家のPCに適用した日を思い出す。なんて使いやすいブラウザだろう、と感動したのを覚えている。ハイパーリンクをマウスでポイントすると、ポインタが矢印から手の形に変わるんですよ!

 自宅に居ながらにして、海外(文字通りに海の向こう、高額の旅費を払って船や飛行機に乗らなければ行けない遠い世界)のドキュメントに今、無料でアクセスできる喜びに震えたものだった。モデム経由で。

 懐かしい、遠い記憶。

 時代は変わった。何もかも変わった。最近は、「Copyright ©」が「Copyright ウ」とかに文字化けしないんです? つまらない。

 そう、つまらない。Internet を explore するワクワク感は、すっかり失われてしまった。インターネット老人の本質は、ここにあると個人的に思う。

 もはや ggrks すら死語になった感がある。「@grok ファクトチェック」で満足か?

 いや、違うな。時代は変わったが、本質は何も変わらない。時代を超えて、格差という名の残酷な真実がある。

 インターネットが世界を変える的な幻想は、そこそこ古参な方の自分ですら、もはや信じてはいない。それこそ Google の中の方々は、テクノロジーが世界を変えると今も信じておられるのだろうか?

 テクノロジーは、しょせん手段に過ぎない。

 逆説的に、目的を改めて自覚することができた点で、ネットに興奮した過去の日々は、自分にとってかけがえのない財産になっている。ええ、インターネット老人の懐古です。


「こちらは石を投げていた」

2025-06-05 00:46:04 | 呟き

 BBCニュース日本語版のウェブサイトに掲載の記事
「【検証】 ウクライナは『クモの巣』作戦をどう実行したのか ドローンでロシア爆撃機を破壊」
に酷い誤訳を見つけた。

 同記事は、英文記事
"How Ukraine carried out daring 'Spider Web' attack on Russian bombers"
の日本語訳であるらしい。

 日本語記事から、誤訳の部分を引用しよう。

   その状態でトラックは、標的となる空軍基地の近くまで移動した。運転手たちは、積み荷が何なのか知らなかったという。トラックが目的地に到着すると、遠隔操作でドローンが出発し、標的へと向かったのだという。
   「(ドローンは)トラックの荷台に載っていて、飛び上がったり浮き上がったりしないよう、こちらは石を投げていた」のだと、長官(※引用者注 ウクライナ保安庁長官)は話した。

 上記引用部分の原文は、次の通り。

   Videos circulating online show drones emerging from the roof of one of the vehicles involved. One lorry driver interviewed by Russian state outlet Ria Novosti said he and other drivers tried to knock down drones flying out of a lorry with rocks.
   "They were in the back of the truck and we threw stones to keep them from flying up, to keep them pinned down," he said.

 ちなみに、上記の英文のGoogle翻訳は、次の通り。

   インターネット上に拡散している動画には、事故に関与した車両の屋根からドローンが出現する様子が映っている。ロシア国営通信社リア・ノーボスチのインタビューに応じたあるトラック運転手は、自分と他の運転手がトラックから飛び出したドローンを石で落とそうとしたと語った。
   「彼らはトラックの後ろにいたので、私たちは彼らが飛び上がらないように、そして彼らを動けなくするために石を投げた」と彼は語った。

 おわかりいただけただろうか。

 元記事である英文によれば、石を投げたのは、ウクライナ側の工作員に騙されてドローンを運ばされたトラック運転手だ。しかし、日本語版記事では、石を投げたのは「こちら」すなわち、ウクライナ側の工作員になっている。全然違うじゃないですか。

 石を投げた目的も違う。ドローンが輸送中に「飛び上がったり浮き上がったりしないよう」押さえるために、石を投げた? そんなことある?

 Google翻訳が完全ではないのは、上記の通り。しかし、Google翻訳にも劣る日本語訳が、天下のBBCのウエブサイトに掲載されるとは、嘆かわしい。しかもこの日本語記事、Yahoo!ニュースにも転載されている。

 私の誤解であってほしい。


放出

2025-05-25 02:17:54 | 呟き

 去る三月に始まった備蓄米の放出は、3回の一般競争入札で約31万トンが落札され(落札価格は消費税込みで22,477円/60キログラム)、うち約21万トンが落札者に引き渡されたという。

 約21万トンのうち、落札者から卸売業者へ引き渡されたのは三割未満、卸売業者から小売業者へ引き渡されたのは一割未満という。

 落札者に引き渡されたの備蓄米の一割未満しか小売業者に届かないのは、なぜだろうか。誰かが倉庫に溜め込んでいるのか。それとも、小売業者以外の需要家へ売却済みなのか。

 農林水産大臣は、せっかく放出した備蓄米を誰かが倉庫に溜め込んでいる、と考えているように思われる。それゆえ、次回の備蓄米の放出は、スーパーの店頭で2,000円/5キログラムで販売されるように、30万トンを小売業者に随意契約で売り渡すと発言したのだろう。そうすれば、"誰か"が慌てて倉庫の備蓄米を売るので、結果的にコメの価格が下がる、と。

 郵政民営化ならぬ、農政民営化を実現するつもりですかね。信念を持つのは良いことだ。

 2,000円/5キログラムは、24,000円/60キログラム。精米して袋詰めして運んで売るコストを差し引くと、次回の放出価格は幾らになるのか。過去3回の落札価格に比べてはるかに安値なら、過去の落札者に事後的に補填する必要があるかもしれない(少なくとも恨みは買うだろう)。

 それにしても、備蓄米を3か月で60万トン超も放出して良いのかしら。毎年約20万トンを買い入れて備蓄しているというから、約3年分だ。備蓄米って何のための備蓄だっけ。

 さて、どうなることやら。短期的にも長期的にも、どうなるか予測不可能。

 「農政はノー政」って最近は言わないのかしら。言う気も失せたのか。牛乳が余った!バターが足りない!とか、どうせまた起きるだろう。

 コメ離れは、長期的に明らかな傾向。人の命を脅かすレベルの猛暑や大雨が続いているのは、ご存知の通り。コロナ禍は、緊急事態宣言の当時に比べれば落ち着いた。円安でどこもかしこも外国からの観光客が押し寄せる。

 コメは、高いんじゃなくて、足りないのだと思う。農水省は認めたくないようだが、不作が続いたはず。食べる口は増えた。結果は自明。

 大口需要家は、おそらく長期契約でコメを確保しているのだろう。小売業者がスポット市場で買えるコメは無い。それが現状ではないか。

 最近の物価高がコメの生産コストを引き上げているのは、疑いない。長過ぎたデフレ不況と、直近のコロナ禍で、コメの価格は下がり過ぎた。

 やっと適正価格が実現するかという時に、農水大臣が「異常な価格高騰」と発言するの、もう諦めるしかない。世論が大臣発言を支持するのなら、もう絶望するしかない。

 4回目の備蓄米放出がどうなるのか、注目している。日本の未来が決まる時。


コメ

2025-05-22 02:50:16 | 呟き

 後任の農林水産大臣の第一声に注目していた。誇張抜きで、日本の未来が決まる瞬間。

 報道をチェックした今、暗澹たる気持ち。想定していた三パターンのうちの最悪だった。下から二番目ですらない。下の下だった。

 「コメ離れ」が言われて何十年経つことか。加えてこの物価高。消費は増えず、原価だけ上がるなら、生産者が消滅しかねない。

 農水大臣として、コメの生産コストの上昇を小売価格に転嫁する必要がある、と世論に訴えるべきだったと考える。その上で、例えば子育て世帯への支援を実現するために、他の国務大臣に協力を要請するべきだった。地方自治体の子育て世帯支援事業を国が援助するとか、方法はあるはず。

 コメの値段は高くない(適正価格である)と発言する勇気がないのなら、現状認識を曖昧にする選択もあった。得意の「構文」で記者の追及をかわしたら良かったろうに。

 「消費者の目線」で「コメの価格を下げる」と発言したのは、最悪だった。そもそも、どうやって「コメの価格を下げる」のか? 生産コストの上昇を生産者に負担させるのか? 農家を潰すつもりか?

 備蓄米の放出を、一般競争入札から随意契約に変える案があるらしい。究極的には国民の財産である備蓄米の売払い価格を、誰が何の根拠で決定するのか? 買戻し条項はそのままで?

 備蓄米を誰にどれだけ単価何円で売ったのはなぜか、その理由を農水大臣が国民に説明できるのか? 森友学園への国有地の売払い価格の根拠を財務大臣が説明できなかったのに?

 コメの価格を一時的に下げて、選挙に勝てばいい、という発想かもしれない。有権者がそれを良しとするのなら、自分は何も言うまい。