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ぼちぼち日記

~あせらずあわてずゆっくりと。まあ、ぼちぼちいきましょ!~

大事に思ってもらえるということ

2006-11-26 00:48:28 | 想う
以前、自分は人に大事にされているというふうに
あまり感じたことがなかった。おそらく私は
自分自身をあまり大切に思っていなかったのだと思う。
病気をしてから、多くの人が私の命を大事に思ってくれて
心配してくれているのだと知ったとき、うれしいというよりも
驚きのほうが大きかった。それぐらい、慣れていなかった。
じわじわとうれしさが込み上げてきたのは、自分が自分を
大切に思う気持ちが芽生えてからではなかっただろうか。
その時のうれしさ、というか有り難さを私はまた忘れそうになっていた。

今日、偶然久しぶりにある方にお会いした。
私をいつも心配して、お仕事をくださったりする方だ。
病気の時には病院にお見舞いにも来てくださった。
今日も今の私の健康状態と、生活を心配してくださった。
私はそんなふうに、人に対し優しい心配りをしているだろうか。
受けているだけで、自分の中だけに貯めておくと、
せっかく受けた愛までが腐ってしまう。
いただいたものをおすそ分けする。
昔の晩のおかずのおすそ分けのようなことが、
基本なのかも知れない。

今私のことを思い出して、ここに来て下さったあなたへ。
今日も素敵な一日となりますように。
お互いいい日にしましょうね。

夢を追うということ

2006-10-09 01:15:27 | 想う
チェ・ミンシク主演『春が来れば』を借りた。
音楽家をめざすも演奏だけで食べていけない40男を、
チェ・ミンシクが好演している。
地方の中学校吹奏楽部の指導講師として赴任するが、
学生にも様々な事情があった。
音楽を志す息子を心配して、吹奏楽部を辞めさせるという
炭鉱夫の父親。講師の男が父親を説得しにいく。
「息子さんの夢を奪わないで。」と。
父親がぽつりという。
「夢…。久しぶりに聞いた…。」

音楽家、画家、役者、研究者、お笑い芸人…。
「好きだから」では、食えない職業だ。
だが、もう他の道など選べない。

酔っ払って母親に電話した男は
「最初から全部やり直したい」とつぶやく。
母親は「今から始まるんじゃないの」と励ます。
チェ・ミンシクが演じる男に、自分自身を重ねてしまう。
やめようと何度も思う。でも、やめられない。

作品全体が優しく、エンディングには小さな夢が
待っているようだった。

…私はまだ、夢を見ている。

きれいな色とことば

2006-09-19 22:44:28 | 想う
友人のブログを見て知った「おーなり由子」さん。
彼女の詩の中に、こんなのがあります。

          

          ある日 知る

          こころに色があることを
          ことばに色があることを
          音楽に色があることを
          時間に色があることを

          わたしに色があることを―

                 おーなり由子   
                 『きれいな色とことば』新潮文庫



今日の私の色は…グレー、です。

善きことは

2006-09-12 10:33:00 | 想う
昔の日記を読み返していたら、

善きことは、カタツムリの速度で動く。
               (マハトマ・ガンジー)

とあった。

なるほど。
焦っちゃだめだ。

自分の感受性くらい

2006-08-05 00:15:36 | 想う
自分の感受性くらい  茨木のり子

ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
暮しのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ

           茨木のり子詩集『自分の感受性くらい』(花神社)より

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「初心消えかかるのを
 暮しのせいにはするな
 そもそもが ひよわな志にすぎなかった」

今の私には、この言葉が心に染みる。



道の色

2006-06-18 01:17:40 | 想う
ちょっと前の話になるが、東京滞在の最終日、
母と一緒に築地場外市場に寿司を食べに行った。
雨が降っていたが土曜だったので、
目的の店の前にはすでに長蛇の列ができていた。
店の人に聞くと、二時間待ちだという。
母が一緒だったので雨の中の行列を避け、
本で調べておいた別の店に向かう。
少し離れているせいか、そこには三組並んでいるだけだった。
外には屋根もあり、迷わずその店に決める。
待っている間、店の壁に貼られた色紙を眺めていたら
その一枚に

  世話になったことを忘れると、道の色が変わる

と書かれていた。山下清とある。

色紙をぼんやり眺めながら、ここ数ヶ月を振り返る。
仕事が決まらなくて、落ち込んだりイライラしたりで
心の余裕がなく、全く感謝をわすれていたなあ。
私の道は今どんな色になっているんだろう。

最初の店の行列が、結果的に私たちをこのお店に導いてくれた。
そのことに感謝。
もちろん、お寿司が絶品だったのは言うまでもない。
おいしいお寿司を握ってくれた板さんに、そして
おいしいものをおいしく食べられる健康に感謝。

父の命日

2006-04-03 00:30:09 | 想う
父が肝臓がんで亡くなって、ちょうど14年目。
火葬場からの帰り道、桜の花が満開だった。
あれから5~6年は、まともに桜を見られなかった。
日にち薬とはよく言ったものだ。
7回忌を過ぎた頃から、徐々に悲しみも薄れ、
桜の木の下で立ち止まったりもできるようになった。
近頃は、桜を見に出かけたりもする。
この花冷えで、京都ではまだまだ咲き始めといったところ。
今年も散る花びらの下で、しばし父に語りかけよう。

日常にもどる

2006-03-16 15:43:16 | 想う
この1ヶ月ほど、
これまでの引きこもり生活から
想像できないほど
忙しい毎日を送っていたが、
久しぶりに日常がもどってきた。
一日家にいるとほっとする。
今日のような雨の日は、家でぼーっと
お茶を飲みながら雨音を聴くのが好きだ。

結局来月からの仕事も決まらず、これまでの生活を
ぎりぎりに切り詰めながら研究を続けていくことになった。
少し前まではこんな自分が許せず、イライラが募っていた。
でも、納得しないと前には進めない。
結局、まだ納得していないということなのだ。
じゃあ、「納得した」ってどんな状態なんだろう。
それがわからないから、まだ終われない。
それがわかったら、どうなるんだろう。
そんなこと、考えてもしょうがない。
ぼちぼちできることをやっていこう。
一足飛びになんぞしたら、こけて骨を折るのがオチだ。
焦らず、慌てず、ゆっくりと、でも怠けずに。
今はそれだけ。