勝鬨橋(かちどきばし)

築地駅と勝どき駅の間に架かる勝鬨橋。かつては、船が通る度に橋が跳ね上がる可動式の橋でした。現在動くことはありませんが、当時の面影を少しだけ残しています。
前回:
【東京】ここは観光スポット?『おさかな普及センター資料館』(築地駅)
2017/9/9(土)
お次の目的地は勝鬨橋(かちどきばし)。築地駅と勝どき駅の間、隅田川に架かる大きな橋です。
■大きな大きな勝どき橋
勝鬨橋は橋長246mと、かなり大きな橋。

数多くの映画や漫画に登場したり、CMに使われたり、怪獣に壊されたりと何かと話題の多い橋です。
周辺は広場が整備されており、ジョギングや犬の散歩、座って読書をする方などが思い思いに過ごしています。

隅田川に架かる橋の中では最も下流に位置していましたが、新造の築地大橋が完成するとともにその座を譲ることとなりました。
■実は可動式の橋
勝鬨橋は。『跳開橋』といって開閉される可動式の橋。

橋の下をくぐることのできない大型の貨物船などが通る際、橋の真ん中がパカッと跳ね上がり船を通すことができるのです。多いときには1日5回開閉され、その当時は弁当持参の見物客でにぎわったといいます。
しかし、陸上交通の発達により開閉の回数は徐々に減っていき、昭和45年11月29日を最後に開閉されることはなくなりました。
そんな勝鬨橋ですが、今でもその当時の面影は残っています。

橋の真ん中付近には、信号が。

こちらは開閉時に車を止めるためのもの。
開閉っていったいどんな風に動いていたのでしょうか。その答えは橋の資料館に。
■橋の資料館
勝鬨橋の築地駅側には橋の資料館があり、往年の勝鬨橋の様子を現在にも伝えています。

【開館時間】
9:30~16:30(12~2月は9:00~16:00)
【開館日】
火・木・金・土
【料金】
無料

この資料館は、もともと橋を開閉するために必要な電気を供給していた発電所。内部には無骨な高圧配電盤や発電機が並んでいます。

そんな開閉の様子は、こちらの1/100模型が教えてくれます。

スイッチを押すと、案内音声がはじまる。
そして、

開いた!
遊覧船のような船がすいーっと抜けていきました。
全国の可動橋一覧。

天橋立の小天橋と黒部の生地中橋は見に行ったことがあるのですが、こんなにたくさんあるのですね
勝鬨橋・永代橋・清洲橋のポストカードはフリー。

誰に出せば良いかな。
こちらの資料館では、普段入ることのできない橋内部の無料見学ツアーも行っています。
毎週木曜に行われているので、休みが合う人はぜひ参加してみて感想きかせてください。
■なぜ『勝どき』なのか
気になるのは勝鬨橋の名前の由来。

「鬨(とき)」というのは戦場であげる声のこと。「勝鬨」は戦に勝ったときにあげる声。
戦争ものの映画などで「勝鬨をあげる」みたいな表現、たまに見かけますよね。
そんな名前を冠した橋。この地で何か勝鬨が上がったのでしょうか?
どうやら、日露戦争に勝利をおさめた1905年、京橋区役所がこの場所に「勝鬨の渡し」という無賃の渡し舟をつくったことに由来するそう。
もうそんな勝鬨をあげることはなくなりましたが、地名に残されている限りは人々の心から消えずに後世まで歴史を伝えてゆくことでしょう。

お次は近くのプラネタリウム・タイムドーム明石まで歩きます。
次回:
【東京】都内の穴場プラネタリウム『タイムドーム明石(郷土天文館)』(築地駅)