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庄内レポート

庄内へ行く1月21日は移動日。しかしこの日は南関東が大雪、僕の家の付近でもけっこう積もっている。積雪5cmで電車が止まる首都圏から、午後に新潟経由で鶴岡までの切符を買い、乗車。新潟までは「1階席」のため外の様子はほとんど分からなかったが、新潟から「いなほ」に乗り、新発田をすぎると、本当の?大雪の意味が少しずつ分かってくる。村上を過ぎると、日本海が目に飛び込んできた。かなり暗くなりながらも一目で分かる、そのどんよりとした空と波の高さ。

新潟から約2時間で鶴岡駅に到着。ここでサンポーニャ奏者の岡田浩安さんと合流。岡田さんはここで何度も演奏をしていて、今回初めて僕も呼んでいただいた。以前からMAYAのコンサートで演奏を聴いていたので、今回の縁は嬉しい限りです。

駅前こそ道路はアスファルトが見えていたものの、ちょっと大通りから入ると、自分の家を出て見た今冬最初の関東平野の雪景色とは明らかに違うことを思い知らされる。ニュースで知りながらもそれはただ家でぬくぬくしながらの傍観に過ぎなかったことを反省するひまもなく、ただびっくりしているうちに、今回の演奏地、湯野浜に到着。

洋風旅館「花門」の女将さん、スタッフの方に迎えていただき、食事と温泉を堪能。女将の親族の蔵元で作られた酒も最高でした。浴衣のサイズを3種類から選べるのは嬉しい。翌朝も早起きして朝風呂に行くと、なんとゆうべ入った時と同じ宿泊客のおじさんと同じタイミングですれ違い。バイオリズムが近いのかしらん。あるいは僕こそがおじさん?

22日は、旅館内のレストランでランチタイムの演奏。ボーカルの吉田ユウ子さんと、3人で合わせるのはこの日が初めて。このとき個人的に気をつけなければならないのは、初演だからって緊張してしまうことと、慣れたと思った時に、自分の演奏を忘れてとなりの音に聴き入ってしまうこと。どちらもアンサンブルとしては不可欠な要素だけど、あくまで必要の範囲内で。サンポーニャとボーカルがすばらしい。やっぱり聴き入ってしまったな。

この空間で、本当にいいコンサートを過ごすことができました。気がつくと、外は大雪。この日来てくださったお客さんは大変。札幌在住の岡田さんは靴も雪の季節仕様だけど、僕はすべりながら荷物を積む。旅館のみなさんに感謝してお別れ。明日の演奏のため、そして酒田に移動。

お世話になったのは、いつも岡田さんのツアーをコーディネートされている田中さん。岡田さんによるレッスンに同行した後、ご当地の食をまたしても堪能。週末は酒田で寒鱈(かんだら)まつりがあり、まさに今が旬。たら汁がうまい。昆布じめに舌鼓。

23日は酒田市内の2つの小学校で演奏。これがそれぞれ4時間目と5時間目(給食・掃除はさむ)にあたるので移動が大変。でも、楽しいステージに。子どもたちが、こんなに演奏を真剣に聴いてくれたのは本当に嬉しい。お約束のはずの先生のコメント「感想文を…」に、「えー?」ではなく、「よしっ!」というリアクションが出たのには、ただただ驚くばかり。2校目の演奏でも、終わった後子どもたちが岡田さんの楽器に殺到。そして時間差で「ギターざむらいやってー」とおねだり。しばらくモノマネを試みていると、「無理しなくていいですよ」…助けてくれてありがとう…酒田っ子、恐るべし。

岡田さん、吉田さん、田中さんと食事の後、気がつけばもう東京方面への終電間近、あっというまのお別れ。ありがとうございます。と、酒田駅に向かうと、何か様子がおかしい。駅員にたずねると、「今日はずっとだめ」なんと、電車は朝からストップしていた。「新庄までタクシーで」って、こちらも把握が遅れたもので…。でも幸い田中さんにもう一泊させていただけることに。よろしくお願いします。

翌朝、改めて駅に送っていただいたところ、やはり運休で、バス代行とのこと。幸い飛行機は飛んでいるようなので、空港へ、雪の庄内平野を走る。これで夏は日本屈指の暑さなわけだから、すごい。果物がおいしいのも分かる。2002年の5月に一度演奏で庄内に来た記憶を頼りに、北に鳥海山、南東に月山を感じてみる。

また違う季節に来たい、でもまた雪の時期にもまた来てみたい。その後庄内の天気が気になって仕方がない日々を過ごしながら、レポートもとりあえずここまで。

※2005年12月25日の羽越本線での事故と、今冬の大雪で被害を受けた方へのお悔やみと、今も大変な季節を過ごす、大切な方々に、お見舞いを申しあげます。

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