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【ライブレポート】 プリメラ フラメンコフェスティバル2022

2022年7月7日(木)、新宿のスペースゼロで開かれた「プリメラ フラメンコフェスティバル2022」に参加しました。

前の案内記事でも紹介した通り、私が18歳の時からお世話になってきたプリメラギター社主催のイベントで、前身の「合同発表会」のころに生徒として参加したのを含めて、4年ぶり8回目の出演です。

4日間の日程で、今回出演したのは初日の「ギターの一曲入魂」。 なんと総勢38名※のフラメンコギタリストが集結して1曲ずつ弾くという、プリメラならではのすごい企画です。

若手からレジェンドまで(というか半分以上はレジェンド) 私にとってフラメンコギターの最初の師である鈴木英夫さんやバンドメンバーを務めてきた沖仁さん、ライブやレコーディングで直接共演している斎藤誠さん、池川寿一さん、長谷川暖さん、これまでのイベントで楽屋などご一緒した先輩方も多く、全員での写真撮影の前後に「ごぶさたしています!」とあいさつすると、こちらのことも覚えていてくださっていてうれしかったです。ちなみに楽屋は複数あって場所は自由、比較的空いているな…と入った部屋は大先輩ばかりでした。

開演。38人の出演順がまた絶妙で、オープニングは長年プリメラのスタッフとしても活躍、私も学生時代に当時の新宿の家に泊めていただいたこともある荻野慎也さん。続いては出演者最年少で紅一点、今注目の若手といわれているYŪNAさん。20代前半にしてその重厚なサウンドにびっくり。楽屋メンバーもしばし耳を傾けていました。演奏前に舞台でサウンドチェックをできなかったので音の感じと演奏前後の動きをモニターで確認します。

1曲勝負というのは本当に久しぶり、待つ間の心の持ち方が本当に大事です。というか最初から演奏のクオリティー、1曲にかける情熱がすごいです。もし20代のころだったらこの時点でメンタルをやられていたかもしれません。

でもおかげさまでご縁のある出演者が多く、しかも3年ぶりの開催に向けてきた多くの気持ちがまさに集結した舞台、その中にいられる喜びの方がはるかに大きかったです。舞台袖に移り、石井奏碧さん、小林亮さんと日本のフラメンコシーンで活躍されている方の演奏にまた刺激を受けます。

この高揚感と緊張感をもちつつ、自分の出番ではプリメラのイベントに出るとしたら一番演奏したかった曲を。5分の間にはかつて出演した発表会でのことを思い出したり、いま目の前で聴いてくださっているお客さんのことを思ったり、気持ちが良い意味で「行ったり来たり」していました。

演奏の精度という部分で、もし自分で点数をつけるとしたら、あまりいい点はつかないかもしれません。でもとにかく弾ききった時点で感無量でした。そして1曲しか弾かない環境であれだけの演奏をするフラメンコギタリストがこんなにたくさんいるということ、その空間を共有していることに感動しました。5分間、ステージ上で過ごせたことは本当に大きかったです。

演奏後に袖に戻ると次の出番の暖くんや出番を終えた奏碧さん、楽屋前では沖さんや俵英三さん、楽屋では大先輩からも声をかけていただきました。そう、今日はフェスティバル。この日この曲をどう演奏したか、この場所で何を見て聴いたか、どう過ごしたかをしっかり心に残しておきたいと思いました。

ちなみに当日演奏したギターは学生時代にプリメラで買ったものです。当時自分にとっての最高額の買い物であったことは言うまでもありません。40年前のギターということもあり、しばらく自宅で眠っていましたが、この日はどうしてもプリメラで出会ったギターを弾きたくて、約10年ぶりに松山から持ってきました。

さて、出番後はなるべく多くの演奏を直接聴きたいと思い客席へ、運よくいいポジションに座れました。ツアーの時によく舞台袖で聴いていた沖仁さんのソロを客席で、またよみがえるものがあります。そして自分が学生のころからフラメンコの雑誌『パセオ』で読んでいた記事や教室広告で見た名前の先生方が続々登場。なんというイベントでしょうか。終演前に袖に行き、マエストロの演奏に横からみんなで立ち会って大拍手。それは幸せな時間でした。

ずっとお世話になってきた「プリメラの仲間たち」スタッフのみなさん、また出演者全員にはごあいさつできず、また打ち上げにも出られず心残りはありますが、この日に参加できたことは自分にとってきっと大きな「点」そしてこれからの「線」になったと思います。プリメラ社長の吉田さん(少なくともイベント当日の印象は14年前から1ミリも変わっていません)本当にありがとうございます!




師匠の鈴木英夫さん(右)と2002年新人公演でもご一緒した逸見豪さん(撮影)

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2022年7月7日(木)17:00~21:00
◇プリメラ フラメンコフェスティバル 2022
~フラメンコ魂 ギターの一曲入魂 全曲、渾身のオリジナル!~

出演(フラメンコギター:出演順)

荻野慎也 YŪNA 中川浩之
久保 守 逸見 豪 池川寿一
石井奏碧 小林 亮 智詠 長谷川 暖

斎藤 誠 鈴木淳弘 栗原武啓
尾藤大介 片桐勝彦 松村哲志
今田 央 原田和彦 沖 仁

クーロ宮田 木村泰久 俵 英三
金田 豊 鈴木 尚 山﨑まさし
瀬田 彰 高橋秀男 飯ヶ谷守康

杉本良一 吉川二郎 徳永武昭
山田美治 伊藤シゲル 吉敷則忠
東権正男 鈴木英夫 エンリケ坂井 三澤勝弘

新宿 こくみん共済 coopホール スペースゼロ
主催:プリメラギター社

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当日演奏した曲 同じギターで演奏したものです

◇2020年7月ライブ配信より
イダ・イ・ブエルタ Ida y vuelta(Chiei) 


※当初は39名の出演予定でした。ちなみに10年前にも18名によるギターソロのイベントがあり、この時は観客として全曲聴いています。なお2020年に巨匠・サビーカスに捧げるギターソロのイベントが開催される予定でしたが2年延期になり、企画変更で自由曲1曲を弾くイベントになりました。




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