Charme de France

小さなフランス語教室の主宰者の個人的なブログです。(*^-^*)

映画鑑賞会☆Salon de Cinema

2008年12月08日 | フランス語教室

 師走になり、木枯らしの冷たさが身に凍みる季節になりました。冬の夜長に、ゆっくりお気に入りの映画を暖かい部屋で観るのは贅沢で豊かなひとときですね。私の教室では、映画好きの生徒さんが幸いおられたお陰で、フランス映画観賞会はいつも楽しく過ぎて行きました。
 映画鑑賞会では、ドキュメンタリー映画の秀作とともに、眩しいほどの美貌で輝く女優さんが主演する映画や、子供達が生き生きと描かれている映画等を上映しました。本当は呆れ返るようなフランスのコメディ映画も上映したかったのですが、ボグダン先生と相談して、教育上のことも深慮して、おバカなコメディ映画は見合すことにしました。ということは、取りも直さず、実はボグダン先生と私はお笑い系のフランス映画も大好きということです。
 カトリーヌ・ドヌーヴ主演の「シェルブールの雨傘」を上映した時には、生徒さんがものすごく話に食いついて下さって、びっくりするほど嬉しかったです。今の若い人達には、ストーリーがシンプルで地味で、全編、歌いまくりというのはちょっと...と心配していた私ですが、蓋を開けてみると、生徒さんが思いも寄らないような面白い意見を述べて下さったり、当時のファッションや室内装飾に至るまで、非常に細かいところまで楽しんで下さった生徒さんがいて、私は驚きを通り越して、感激しました。現在の若い人達の心をこれほど惹きつけた「シェルブールの雨傘」はその美しい音楽とともに決して色褪せることのない名作だということが改めてわかりました。「シェルブールの雨傘」を制作するに当たって、当時は「こんな映画は絶対ヒットしない」ということで、制作者側は資金調達に苦労したという裏話を聞いたことがあります。「シェルブールの雨傘」のような古き良き時代の映画が、劇場で再び美しく蘇る日がやって来ることを私は願っています。
 因みにこの映画のシナリオは出版されていますので、美しいフランス語の勉強には打って付けです。主演のカトリーヌ・ドヌーヴは当時二十歳そこそこで、初々しく、しかも輝く若さの中に、成熟した女性の魅力も兼ね備えていて、あまりの美しさに若い生徒さんもくらっと来たみたいです。フランス語に興味のある方、カトリーヌの美しさに溺れたい方にもお薦めの映画です。


 もう一人の美女、イザベル・アジャーニ主演の「アデルの恋の物語」はヴィクトル・ユゴーの娘、アデルの実話を基に制作されたフランソワ・トリュフォー監督の不朽の名作ですが、イザベル・アジャーニも当時、弱冠二十歳の若さでした。その若さで、狂乱に至る凄まじい恋を演じ切ったイザベルの鬼気迫る表情は忘れ難く、狂乱の恋を演じさせて、イザベルを超える女優さんが他にいるだろうかと思うほどの迫真の演技です。「アデルの恋の物語」を生徒の皆さんと一緒に観終わった時には、さすがにすぐには言葉にならない程の何か重苦しい気持ちが心に残りましたが、それでもやはり、この映画には心を打つ何かがあります。楽しい娯楽映画も素晴らしいのですが、暗くても心の奥底に響く映画もまた価値があるように私は思います。
 観客を置き去りにしたかのような難解な独りよがりの映画と同様、商業主義の波に呑まれて、あまりにも大衆に迎合し、安易なストーリーや結末が用意されている映画も批判を免れることはないでしょう。大きな映画祭に係わった私としては、映画の現状については、考えさせられる問題が沢山あるのですが、いずれにしても、成熟した大人の鑑賞に堪え得る、気品ある上質の映画に今後も私達は巡り合いたいと願っています。
 私の教室の映画鑑賞会はボグダン先生が去るとともに、自然と終わってしまいましたが、来年からはボグダン先生と大の仲良しだった生徒さんが素晴らしい催し物をして下さいますので、私は今からそれを楽しみにしています。
 そして生徒さんや催し物の為に献身的に尽くして下さったボグダン先生について、次回は深いお話をします。本当のことを言えば、ボグダン先生の秘密をいつか皆さんにお話したい為に、私はずっとボグダン先生のことを語ってきたような気がします。それでは次回はボグダン先生の秘密のお話を打ち明けますので、聞いて下さい。


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