Charme de France

小さなフランス語教室の主宰者の個人的なブログです。(*^-^*)

輝く未来に乾杯!☆A votre future!

2008年08月13日 | フランス語教室

 フランス研修に旅立つ生徒さんを見送るのは、私にとっては嬉しくもあり、またちょっぴり寂しいことでもあります。でも研修先から美しい写真や楽しいお便りを頂くと、こちらまで楽しい気持ちになり、嬉しいばかりです。


 かつては、私自身もフランスで働くことを夢見ていましたが、今は生徒さんの夢を叶えることが私の夢になりました。でも、実際には、私が生徒さんの力になっているというよりも、生徒さんから私が学ぶことの方が多いです。
 昨年の夏にフランスに旅立った哲平さんは、料理人としての腕も抜群、ソムリエの資格も持っていて、性格も素晴らしい生徒さんでした。哲平さんは渡仏前に用意周到、研修に備えてしっかりと準備をして、フランス語も一年間熱心に勉強しました。
 フランスでもパリなら、一昔前と比べて、英語が通じやすくなったかもしれませんが、地方都市はそうとも言えません。また、旅行ではなく、現地で生活するとなると、やはりフランス語は事前に勉強しておいた方が良いと思うのですが、フランス研修をする人達の中には「現地に行ってから必死で覚えるから、まあ、いいじゃないですか」とおっとりしている人も意外と多いです。それで、現地で苦労しないのなら、私もうるさいことは言いたくないのですが、でもやはり、「必要最小限のフランス語での日常会話」くらいは事前に勉強しておいた方が良いと思います。お母さんからのお守りのように、身につけて欲しいです。語学が苦手な人も頑張って下さい。
 そして、将来、フランスのお店で働くことを考えておられる人達は、まずは日本で何年か働いてから、フランスに向かって欲しいと私は考えています。日本で殆ど働いた経験のない人が、いきなり、フランスのお菓子屋さんやパン屋さんで働き始めたら、「日本とは何もかも違う。こんなはずではなかった。もうフランスになんて来るんじゃなかった。日本の方が何もかもいい。早く日本に帰りたい」と思ってしまうことがあるかもしれません。
 また、日本での就労経験があっても、仕事のキャリアの浅い人の場合、「フランスって、日本よりも絶対、遅れてるっ。日本の方が技術も働き方もサービスもずっと上だよ。まったくもう」という気持ちになるかもしれませんが、フランスで働く限りは、むしろ日本との違いを積極的に楽しみ、フランスの良い面を見つけて学び、そうでないところは反面教師として受けとめて欲しいと思っています。
 さて、哲平さんの話に戻りますと、哲平さんは、どのようなヴィザを取得し、どこで暮らし、どんなレストランで働くか、充分検討して、職場の先輩の話もよく聞いていました。ヴィザの取得等の細かい手続きには、専門家のフェリシテさんにお世話になりました。滞在後に何かあった時にも、専門の方にお世話頂いていると安心ですから、哲平さんは賢い選択をしました。普段は、ボグダン先生と一緒に、お茶目な冗談を言って、私をよく笑わせてくれた哲平さんですが、自分の将来のことは、しっかり考えていて、真摯です。


 哲平さんは、ワインの勉強もする為に、自分の好みに合ったボルドーの三ツ星レストランを最終的には選び、昨年の夏からそこで働いています。滞在先から楽しいお便りを頂くと、元気一杯に活き活きとフランスで働いている哲平さんの姿が瞼に浮かびます。自分の夢に向かってまっしぐらに進んで行った哲平さんが眩しいくらいでしたが、夢が叶ってもさらに前進し続けて、将来の大きな展望を持っているのが素晴らしいです。でも哲平さんにも私達には内緒にしている苦労があるかもしれません。辛いことは黙って乗り越えているのかもしれません。
 楽しいことばかりが続くわけではないのですから、今は夢も希望も楽しいことも何にもないと感じている人も落胆せずに、それはそれで良しと思うことにしましょう。だって、夢や希望は、ほんのささやかなきっかけから生まれることもあるのですから。
 だからくよくよせずに、どんな時でも余裕をもって、笑うことを忘れずに明るく生きていきましょう。



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