歌舞伎座夜の部の感想です!
4月はなんと言っても仁左衛門さんと玉三郎の美男美女競演!
このカップルが沢山いる歌舞伎俳優の中でビジュアル的に一番美しいんじゃないかと思います。
さらに夜の部は毛谷村で吉右衛門と福助、曽根崎心中で藤十郎と翫雀、と観たい演目と好きな配役が揃っていて、とっても面白かったです。
来週末昼の部を観劇するので、仁左×玉の生写真買わなくっちゃ~!!!

歌舞伎座歌舞伎座さよなら公演
四月大歌舞伎
平成21年4月2日(木)~26日(日)
夜の部
一、彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち)
毛谷村(けやむら)
毛谷村六助 吉右衛門
お園 福 助
お幸 吉之丞
微塵弾正実は京極内匠 歌 昇
杣斧右衛門 東 蔵
この芝居を観るのは初めて。
主役の六助は田舎に住むおおらかで力強く、優しい心の持ち主。
剣術の師範と友人の親が殺され、しかも犯人が同一人物だとわかったため、敵討ちをしに行く、という話。全体的にほのぼのとした感じの楽しいお芝居です。
六助を演じる吉右衛門さんですが、がたいが大きく、誠実そうなところが雰囲気ぴったり。
子役の子がいるのですが、その子をあやしたり、おもちゃを使って遊んであげたり、肩にのっけたりという仕草が優しさに溢れていてキュンときちゃいました。
でもこの芝居で一番光っていたのは福助だったかも。
最初は虚無僧姿で登場したお園。六助を妹の敵だと勘違いして切りかかる姿はすごい剣幕です。
なのに六助が実は自分の許婚だとわかると、コロッと態度を一変させてただの娘になっちゃうところが可愛いいったらありゃしない。
先走ってお米炊こうとしたら、空焚きして六助に怒られちゃったりしてね(笑)
また、手水鉢を持ち上げちゃったりして超怪力。
おちゃめで強くて、可愛らしい娘役は福助の右に出る人はいないかも。
実はあらすじには全く出てきませんが、この話は「太閤記もの」になるそうです。
六助はこの後、豊臣秀吉に召し抱えられて、朝鮮出兵で大活躍する立派な人物とのことでした。

二、夕霧 伊左衛門 廓文章(くるわぶんしょう)
吉田屋
藤屋伊左衛門 仁左衛門
扇屋夕霧 玉三郎
太鼓持豊作 巳之助
番頭清七 桂 三
阿波の大尽 由次郎
吉田屋女房おきさ 秀太郎
吉田屋喜左衛門 我 當
吉田屋は上方和事の代表的な演目。
やつし事を描いたもので、「やつし」とは、もともと高貴な身分の人が零落して、下賤な姿となって演技することで、職人や商人となってさまざまな可笑しみをともなった演技をみせた、というもの。
その際に紙子という紙で出来た着物を着ているのが特徴です。
吉田屋は昨年の3月の歌舞伎座で仁左衛門、福助コンビで初めて観て、仁左衛門さんのあまりのかっこよさ、可愛らしさ、品の良さに心臓打ち抜かれたのを覚えています。
今回は玉様との夢の競演。この演目での顔合わせはなんと8年ぶりになるそうです。
ファンは待ってました!って感じでしょうか。
実際に仁左衛門さんと玉様が出揃った時は客席の興奮ぶりが伝わってきてゾクゾクしました。
花魁に惚れこんだあげく店の金を使い込み、親から勘当を食らった伊左衛門は、貧しい暮らしにボロボロの着物でみすぼらしい姿をしてますが、もとはボンボン育ちなので性格はおっとりとしており、品が良く金持ちならではの無邪気さを持っています。
普通に考えたらただの落ちぶれた若旦那なのですが、絶世の美女夕霧が心底惚れこんで病気になってしまう位だから素敵な人じゃないといけません。
仁左衛門さんは伊左衛門の全ての要素を兼ね備えてるんじゃないかと思います。
仁左衛門さんがいるだけで舞台がぱぁっと明るくなり、さらに表情や仕草の一つ一つが美しく、思わず惹きつけられてしまいます。
夕霧に会いたい気持ちを隠しきれなくてソワソワするところは全身で恋する気持ちを表現していていじらしいし、夕霧にすぐに会えないと知りすねて帰ろうとする我儘なところは可愛くって、ほんと憎めないんですよね。
そして満を持して玉様演じる夕霧の登場。
黒地に雪が積もった梅の豪華な打ち掛けを羽織った夕霧の美しさは天女でも表れたかのよう。あまりに綺麗でため息が出ちゃいます。
髪型もまた素晴らしくて、簪一体何本ささってるんだ!?って数えそうになったほど。
夕霧は伊左衛門にやっと会えた嬉しさを伝えようとするんだけど、他に男がいるんじゃないかと疑った伊左衛門がスネちゃったもんだから痴話喧嘩みたいになっちゃいます。
そんな2人を取り持つ太鼓持ちに巳之助くん。三枚目キャラがとってもよかったです。
そのおかげで2人も無事仲直りすると、伊左衛門が勘当を解かれ、夕霧とめでたく結婚する、というありえねーと突っ込みたくなる位のハッピーエンドでめでたしめでたし。
夕霧が幕引き前に羽織った緋色の打ち掛けもまた見事で、舞台に華を添えていて本当に素晴しかったです。
そして玉様に負けない位の美貌を持った仁左衛門さん、素敵すぎてもうメロメロですわ~。
許されることならずっとずっと2人を観ていたい、そんなふうに感じた吉田屋でした。

三、曽根崎心中(そねざきしんじゅう)
天満屋お初 藤十郎
平野屋徳兵衛 翫 雀
天満屋惣兵衛 竹三郎
田舎客儀兵衛 錦 吾
手代茂兵衛 亀 鶴
油屋九平次 橋之助
平野屋久右衛門 我 當
近松門左衛門の心中ものの傑作と呼ばれる曽根崎心中。
テレビの文楽でしか観たことなかったので、すっごい楽しみにしていました。
藤十郎のお初は当たり役と言われていて、今回の上演でなんと1300回を超えるそうです。歌舞伎で1300回ってすごいことですよね。
さらにすごいのがお初は20歳前後の役なのに、77歳の藤十郎さんが演じても全く違和感がなくって、ほんと可愛らしいんです。
そしてお相手の徳兵衛は藤十郎の息子の翫雀さんが演じます。
翫雀さんの徳兵衛は、決してかっこいいわけではないのだけど、誠実そうなところと、お初を見つめる視線が色っぽくて、なんかドキドキしちゃいました。
徳兵衛は友人に金を騙し取られ、お初も徳兵衛と一緒になれないことから、2人は心中するという道を選びます。
見どころは天満屋の床下にお初が徳兵衛をかくまう場面での、徳兵衛がお初の足にすがりつくというところ。
お互いの愛情を確かめ合い、添い遂げる覚悟を決める大事なところなのですが、どんなラブシーンより官能的で美しくて、歌舞伎は男同志ってわかっているのにドキドキしちゃいました。
それから2人は真っ暗な天満屋を抜け出し、曽根崎の森で心中をするのですが、金をだまし取った犯人がつかまり、結局は徳兵衛とお初は死ぬことはなかったんですよね。
こういう悲しい結末だからこそ、人々の心に深く突き刺し、傑作と呼ばれる作品になったのだなと思います。
藤十郎も良かったけど、どっちかというと翫雀さんの徳兵衛がすごく印象に残りました。
あと金をだまし取る九平治役の橋之助もすっごい嫌味で好演していて良かったです。

4月はなんと言っても仁左衛門さんと玉三郎の美男美女競演!
このカップルが沢山いる歌舞伎俳優の中でビジュアル的に一番美しいんじゃないかと思います。
さらに夜の部は毛谷村で吉右衛門と福助、曽根崎心中で藤十郎と翫雀、と観たい演目と好きな配役が揃っていて、とっても面白かったです。
来週末昼の部を観劇するので、仁左×玉の生写真買わなくっちゃ~!!!

歌舞伎座歌舞伎座さよなら公演
四月大歌舞伎
平成21年4月2日(木)~26日(日)
夜の部
一、彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち)
毛谷村(けやむら)
毛谷村六助 吉右衛門
お園 福 助
お幸 吉之丞
微塵弾正実は京極内匠 歌 昇
杣斧右衛門 東 蔵
この芝居を観るのは初めて。
主役の六助は田舎に住むおおらかで力強く、優しい心の持ち主。
剣術の師範と友人の親が殺され、しかも犯人が同一人物だとわかったため、敵討ちをしに行く、という話。全体的にほのぼのとした感じの楽しいお芝居です。
六助を演じる吉右衛門さんですが、がたいが大きく、誠実そうなところが雰囲気ぴったり。
子役の子がいるのですが、その子をあやしたり、おもちゃを使って遊んであげたり、肩にのっけたりという仕草が優しさに溢れていてキュンときちゃいました。
でもこの芝居で一番光っていたのは福助だったかも。
最初は虚無僧姿で登場したお園。六助を妹の敵だと勘違いして切りかかる姿はすごい剣幕です。
なのに六助が実は自分の許婚だとわかると、コロッと態度を一変させてただの娘になっちゃうところが可愛いいったらありゃしない。
先走ってお米炊こうとしたら、空焚きして六助に怒られちゃったりしてね(笑)
また、手水鉢を持ち上げちゃったりして超怪力。
おちゃめで強くて、可愛らしい娘役は福助の右に出る人はいないかも。
実はあらすじには全く出てきませんが、この話は「太閤記もの」になるそうです。
六助はこの後、豊臣秀吉に召し抱えられて、朝鮮出兵で大活躍する立派な人物とのことでした。

二、夕霧 伊左衛門 廓文章(くるわぶんしょう)
吉田屋
藤屋伊左衛門 仁左衛門
扇屋夕霧 玉三郎
太鼓持豊作 巳之助
番頭清七 桂 三
阿波の大尽 由次郎
吉田屋女房おきさ 秀太郎
吉田屋喜左衛門 我 當
吉田屋は上方和事の代表的な演目。
やつし事を描いたもので、「やつし」とは、もともと高貴な身分の人が零落して、下賤な姿となって演技することで、職人や商人となってさまざまな可笑しみをともなった演技をみせた、というもの。
その際に紙子という紙で出来た着物を着ているのが特徴です。
吉田屋は昨年の3月の歌舞伎座で仁左衛門、福助コンビで初めて観て、仁左衛門さんのあまりのかっこよさ、可愛らしさ、品の良さに心臓打ち抜かれたのを覚えています。
今回は玉様との夢の競演。この演目での顔合わせはなんと8年ぶりになるそうです。
ファンは待ってました!って感じでしょうか。
実際に仁左衛門さんと玉様が出揃った時は客席の興奮ぶりが伝わってきてゾクゾクしました。
花魁に惚れこんだあげく店の金を使い込み、親から勘当を食らった伊左衛門は、貧しい暮らしにボロボロの着物でみすぼらしい姿をしてますが、もとはボンボン育ちなので性格はおっとりとしており、品が良く金持ちならではの無邪気さを持っています。
普通に考えたらただの落ちぶれた若旦那なのですが、絶世の美女夕霧が心底惚れこんで病気になってしまう位だから素敵な人じゃないといけません。
仁左衛門さんは伊左衛門の全ての要素を兼ね備えてるんじゃないかと思います。
仁左衛門さんがいるだけで舞台がぱぁっと明るくなり、さらに表情や仕草の一つ一つが美しく、思わず惹きつけられてしまいます。
夕霧に会いたい気持ちを隠しきれなくてソワソワするところは全身で恋する気持ちを表現していていじらしいし、夕霧にすぐに会えないと知りすねて帰ろうとする我儘なところは可愛くって、ほんと憎めないんですよね。
そして満を持して玉様演じる夕霧の登場。
黒地に雪が積もった梅の豪華な打ち掛けを羽織った夕霧の美しさは天女でも表れたかのよう。あまりに綺麗でため息が出ちゃいます。
髪型もまた素晴らしくて、簪一体何本ささってるんだ!?って数えそうになったほど。
夕霧は伊左衛門にやっと会えた嬉しさを伝えようとするんだけど、他に男がいるんじゃないかと疑った伊左衛門がスネちゃったもんだから痴話喧嘩みたいになっちゃいます。
そんな2人を取り持つ太鼓持ちに巳之助くん。三枚目キャラがとってもよかったです。
そのおかげで2人も無事仲直りすると、伊左衛門が勘当を解かれ、夕霧とめでたく結婚する、というありえねーと突っ込みたくなる位のハッピーエンドでめでたしめでたし。
夕霧が幕引き前に羽織った緋色の打ち掛けもまた見事で、舞台に華を添えていて本当に素晴しかったです。
そして玉様に負けない位の美貌を持った仁左衛門さん、素敵すぎてもうメロメロですわ~。
許されることならずっとずっと2人を観ていたい、そんなふうに感じた吉田屋でした。

三、曽根崎心中(そねざきしんじゅう)
天満屋お初 藤十郎
平野屋徳兵衛 翫 雀
天満屋惣兵衛 竹三郎
田舎客儀兵衛 錦 吾
手代茂兵衛 亀 鶴
油屋九平次 橋之助
平野屋久右衛門 我 當
近松門左衛門の心中ものの傑作と呼ばれる曽根崎心中。
テレビの文楽でしか観たことなかったので、すっごい楽しみにしていました。
藤十郎のお初は当たり役と言われていて、今回の上演でなんと1300回を超えるそうです。歌舞伎で1300回ってすごいことですよね。
さらにすごいのがお初は20歳前後の役なのに、77歳の藤十郎さんが演じても全く違和感がなくって、ほんと可愛らしいんです。
そしてお相手の徳兵衛は藤十郎の息子の翫雀さんが演じます。
翫雀さんの徳兵衛は、決してかっこいいわけではないのだけど、誠実そうなところと、お初を見つめる視線が色っぽくて、なんかドキドキしちゃいました。
徳兵衛は友人に金を騙し取られ、お初も徳兵衛と一緒になれないことから、2人は心中するという道を選びます。
見どころは天満屋の床下にお初が徳兵衛をかくまう場面での、徳兵衛がお初の足にすがりつくというところ。
お互いの愛情を確かめ合い、添い遂げる覚悟を決める大事なところなのですが、どんなラブシーンより官能的で美しくて、歌舞伎は男同志ってわかっているのにドキドキしちゃいました。
それから2人は真っ暗な天満屋を抜け出し、曽根崎の森で心中をするのですが、金をだまし取った犯人がつかまり、結局は徳兵衛とお初は死ぬことはなかったんですよね。
こういう悲しい結末だからこそ、人々の心に深く突き刺し、傑作と呼ばれる作品になったのだなと思います。
藤十郎も良かったけど、どっちかというと翫雀さんの徳兵衛がすごく印象に残りました。
あと金をだまし取る九平治役の橋之助もすっごい嫌味で好演していて良かったです。
