オランダ発の”先端アートの祭典”が今年から日本で本格開催!
が9月5日からスタートしたので、早速行ってきました。
ライヴ、パフォーマンス、インスタレーション、トークセッションなどのイベントに、10か国から30組超のアーティストが参加するイベントです。
メディア芸術祭やMedia Ambition Tokyoほど規模は大きくないですが、「寺田倉庫」の広い空間を使った面白いインスタレーション作品に出会えたので、そのうちの3作品をご紹介したいと思います。
(なお、アクセスやチケットなどがちょっと分かりづらかったので、最後に少し書きました。)
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● Kimchi&Chips "LIGHT BARRIER 2nd EDITION"
これが一番すごかったです!UKと韓国の2人組のアーティストKimchi&Chipsによるインスタレーション作品で日本では初公開になるそうです。
プロジェクターと凹面鏡を使ったとてもシンプルな仕組みの作品なのですが、計算しつくされた光が作り出すのは夢の中のような幻想的な光景!凹面鏡で反射して直進していく光線が交差して強め合い、ゆらゆらと有機物のように柔らかく動く像を空中に出現させていました。
目に見えていても普段は意識しない”光”が、”そこに存在している”ということを感じる作品でした。
● Wolfgang Bittner+ Lyndsey Housden+ Yoko Seyama+ Jeroen Uyttendaele “Plane Scape”
( “Plane Scape” TodaysArt.JP 2015 HPより)
こちらも仕組みはシンプルながら、不思議な感覚を体験できる展示でした。欧州で活躍する若手作家4人組によるコラボレーション作品です。(こちらの作品は撮影NGとのことだったので写真はありません。)
部屋いっぱいに天井からゴムひもが張り巡らされ、空間から降り注いでくるような音と連動してプロジェクターから様々な形状の光が照射されます。真っ暗な空間で、ゴムひもに点々と光が映り込みむ様子はまるで星空のようです。
空間の中に入り込んで見ることができるので、まるでSFアニメーションの中のような、音と光の空間に没入することができます。特に光が上下にさっと動くと、なんだか本当に重力から開放されて自分が宇宙を浮遊しているような不思議な感覚になりました。足はしっかりと地面についているのに視覚と聴覚にだまされて身体感覚が変わってしまう、面白い体験でした。
(30分ごとに光のパターンが切り替わるそうです。パターンが変わると星空とは全く異なるイメージになって、こちらも面白かったです。)
● 環ROY | Tamaki Roy "Types"
( 環ROY TodaysArt.JP 2015 HPより)
こちらはちょっと考えさせられる作品でした。(こちらも撮影NGだったので写真はありません。)
ハーフミラーでつくられた小さな部屋(= 部屋の中の人からは外が見えず、外にいる人からは中の様子が丸見えの部屋)の中で、環ROYさん&鎮座DOPENESSさんが生活する作品。
まるで動物園のように他人の生活する様子を外から覗き見るのは、なんだか心地が悪くて長い間見てはいられませんでした。
でもインターネットの世界だと、例えばニコ生などを見ていてカメラに気づいてない人を覗き見している状態にあったり、他人のプライバシーに関わるような内容を読んでしまったりしても、直接目の前で見るほどの罪悪感は感じないのでは? ネットを通じて、無意識的にこの作品に近いことをしているのかもしれない、と考えるとぞっとしてきます。
メディア・アートというと見た目に美しいものを想像しがちですが、TodaysArtのオーガナイザー・オロフ・ファン・ウィンデン氏はこのようなアート作品を通じて「都市の軋轢を見出そうとして」いると語っています。
(「インタビュー:オロフ・ファン・ウィンデン ー最先端のフェスティバル「TodaysArt」が見出す都市の軋轢」/ TimeOutTokyo)
アートフェスティバルで、視覚的に美しかったり面白かったりするだけではなく、様々なことを考えられる作品にも出会えるのもいいですね。
インスタレーション作品は作品によって展示期間が異なるのでお目当ての作品は、ぜひ日時をチェックして行ってみてください。
(9/10(木)-12(土)は全ての作品がみられるようです。)
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なお、インスタレーション作品は天王洲アイル駅近くの「寺田倉庫」で展示されています。(「寺田倉庫」は、コレクターさんの美術作品などを収納するための倉庫なのだそうです。)
地図上ではいくつかの建物に作品が点在しているのでちょっと分かりづらかったのですが、「寺田倉庫 T-Art Gallery」から入ると全てのインスタレーション作品&シンポジウム・トークセッションをみることができます。
(どの作品を見るのも、「天王洲アイル」駅から寺田倉庫の方面に向かい、この看板に書いてある「ENTRANCE」の方に向かって下さい。)
チケットはPeatixから購入もできますが、当日こちらで購入することもできるそうです。
ワンデイパス or オールデイパスを購入すると、インスタレーションとシンポジウム・トークセッションに入れます。
ライヴ・パフォーマンスは別途 チケットを購入する必要があるそうなのでお気をつけください。
インスタレーション作品のひとつ、Chris Salter + TeZ+ Ivan Franco “ilinx” は20分ごと・各回4名までの予約制です。
予約方法がよくわからなくて困りましたが、 空きのある日程を選択→「Your Name」の欄に名前を入力→「Save」をクリックで完了。当日、時間になったら会場に伺って名前を言えばOKです。
(”ilinx” TodaysArt.JP 2015 HPより)
ほとんど何も見えない状態で、ただ他人の”気配”を感じながら空間を動き回る、不思議な体験でした。
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今週末は、フェスティバルFUKUSHIMA!presents納涼!盆踊り in TodaysArt.JP 2015 TOKYO といった入場無料のイベントもあるそうです。大友良英盆踊りビッグバンド、珍しいキノコ舞踊団、DJフクタケといったアーティストが出演されるそうで、こちらも面白そうです。
TodaysArt.JP 2015は、9月13日(日)までです。
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