Mi Aire

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「手紙のススメ」

2007-05-02 23:11:56 | エッセイ(EMPRE掲載分)
     友人にもらったスペインの切手(ホセ・メルセとクリスティーナ・オジョス)

インターネットやメールがこんなに一気に世界征服(?)しようとは誰が想像しただろう?
今や瞬時に地球の裏側にだってメッセージを送り、即座に返事をもらうことだって出来るのだ。
現代人はつい合理的な方へ、より便利に、そして時間短縮できる方へとすすみがち。
メールは確かに便利だ。自分だって毎日利用している。特に海外とのやりとりなどは郵便事情に係わらず、まず確実に届いて返事も速いし、とても便利だなぁと納得している。
最近はアニメーション・カードやら、音楽付きやら、いろんなワザも使えるし。

でも・・・・私は手紙を書くのが好きだ。そして手紙をもらうのも好き。
手紙にはインターネットのメールでは到底出来ない情緒をこめたワザがたくさんある。
まず、便箋と封筒。これはいろいろ楽しめる。絵葉書という手もあるし。それから筆記用具の種類とそのインクの色。
ボールペンで書くのと万年筆で書くのとでは雰囲気がちがう。
そして絶対メールにはないのが切手だ。

かつてスペイン人の友人と切手の交換の文通をしていたことがあった。
お互いの国の新発売の記念切手を相手に送る。切手にもお国柄があって面白い。
何の記念切手なのかを解説したりするのも興味深いし。
切手は蒐集するのも楽しいけれど、使うことだってもちろん楽しいのだ。
便箋に合わせたデザインの切手を選ぶ。相手の好きそうな切手とか、手紙の内容に合った切手とか、ぴったりのものを見つけたときのよろこびはひとしおなのだ。

それから、手紙には絵もかける。写真はメールに添付することも出来るけれど、文字と一緒にイラストを書いたりすることは出来ないもの!
肉筆の文章は、活字で書かれた文章よりも、より多くのことを語ることだろう。
字のクセからも、その人らしさが伝わってきて、ぬくもりを感じることが出来るし・・・。

封筒につめた想いを郵便ポストに入れるときのかすかな緊張感。手紙を受け取ったときの、ほのかな嬉しさやあたたかさ。
手紙は持ち運ぶこともできるし、自分の好きな場所にしまっておくこともできる。
電話とちがって何度でも読み返すこともできる。

メールの便利さにすっかり慣れてしまって、やっぱり利用してしまうけれど、たまには古風に手紙を書くのはいかが? 
そう、手紙って奥が深く、自分を最大限に表現できる、そして人と人の心をつなぐ、素敵なツールなのだ。



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