不器用母娘の甲状腺記

甲状腺癌というのは、早期発見できれば、予後がよく知られているようですが、情報が少ない癌なので、情報源になれればと。

病院1件め

2009-05-26 18:15:18 | 日記
入院中、今までの検査データを持って、
予約してQ病院へと行きましたが、
3時間ほど待ちました。
本当にがんの患者さんって多いんだと実感。
間におやつが食べられちゃうくらいです(笑)

そして順番がきました。
担当医は・・・「お医者様」でした。
検査データを見て、母の喉を触診。
「未分化がんの混じっている可能性がある。」という診断でした。
これからどんな治療を選択するか、とか、
この病院で治療をすることを決めるか、とか、
そういった説明をなしに、
「あなたはセカンドオピニオンに来たわけではないでしょう。
助かりたいから来たんでしょう。
あなたをオペするには、他の入院まちの患者さんを後回しにして、
先にしたりする必要があるんです。」
と勢いよく、明らかに上から目線で言われたりして、
正直、悔しくて涙がでたし、
母もかなり驚いていたようでした。
私が大人な対応が出来なかったので、
帰り際、母は今日の診察結果を書いてもらって、
「また縁があったら会いましょう。」と言われたらしいです。

母と2人で、
「ここはないね。」
「私、あんな人に普通に触られたくもないし、
ましてや、内臓を触られるなんていやだ。」と意見は一致しました。
それでも、
この病院に行ったからこそ学んだことは、
大きな病院こそ、診察時間も短いので、
病状や質問はきちんと紙に書いてまとめておこう、ということでした。

この頃から、母の病状や様々な方面から得た情報を書く、
「病院ノート」を作り始めました。

病院探し

2009-05-26 18:02:57 | 日記
ある程度の検査が終わり、
甲状腺、その近くのリンパ節以外には転移がなさそうだということが分かり、
主治医も、
積極的な治療をしたほうがいいだろうし、
その体力もあると思います、ということで、
新たに甲状腺がんを治療してくれる病院を探すこととなりました。

この時点で分かっていたことは、
甲状腺がんの種類の中で、
乳頭がん、もしかしたらプラスαで、
未分化がんが混じっている可能性があるだろうあろうということ。
甲状腺がんは、まず手術が第一の治療であるということでした。

都内には、甲状腺専門の病院があったり、
甲状腺がんを受け入れてくれる病院はたくさんあるようですが、
私の住んでいる市内では、
がん拠点病院でも、甲状腺がんの手術件数が0だったりで、
主治医から、いくつか候補となりそうな大学病院を3件ほど教えてもらったり、
偶然知った、がん電話相談(看護師さんが答えてくれるもの)で、
病院の情報を得ました。

どこも、距離的には似たり寄ったりだったのですが、
より専門的な病院と費用を考えて、
まずは、公立の甲状腺がんを見てくれる病院へと、
行くことにしたのです。
セカンドオピニオンを受けようと思っていたのですが、
診察をしてもらうほうがより分かりやすいということで、
受診を決めました。

様々な検査

2009-05-26 17:50:12 | 日記
母が最初に入院したのは、
中規模の病院となるのでしょうか。
MRI、血液検査、レントゲン、胃カメラなどなど、
ありとあらゆる検査をしていました。
そこでは出来ない検査を、
他の病院へ外出という形で受けに行ったりもしました。

※骨シンチグラフィー
骨折、骨の炎症、癌が骨へ転移していないか、
その他の骨の病気について行う検査です。
 骨シンチグラフィーはテクネチウム (99mTc) というラジオアイソトープを含んだ薬剤を注射して行う核医学検査です。この検査は注射した薬剤が、骨の代謝や反応が盛んなところに集まる性質を利用して、骨腫瘍や骨の炎症、骨折の有無などを調べます。
 この検査は乳癌、肺癌、前立腺癌など治療前・治療後の経過確認する上で欠かせません。X線検査よりも早期に発見する事が出来ます。

http://web.sapmed.ac.jp/radiolb/rt/kanja/RI/RI_bone.html より引用

病院外へ出ることは、なかなかなかったので、
母と電車に乗って、現段階での体力を見たり、
親子だけで外の喫茶店でお茶したり、
少し気分転換になったかも。

その日中に、検査結果を入院先の病院へ持って帰ることができ、
主治医の先生がすぐに結果を見てくださって、
骨に転移がないことが分かり、ほっとしました。

甲状腺がんは隣のリンパ節に転移していることは、
よくあることだそうですが、
他の部分にどれだけの転移があるかどうかが、
これからの治療を左右すると思ったので、
一つ一つの検査の結果を医師に聞く度に、私はドキドキ、
母は検査検査で毎日気を張っていて、
本当にがんばっていたと思います。

本人に告知するということ②

2009-05-04 23:24:17 | 日記
入院して10日程たった頃でしょうか。
医師から、
「告知するのは、結局は家族の決意なんですよ。」と言われ、
輸血したことで、少し状態も落ち着いたのと、
毎日様々な検査をすることで、
母自身も何の病気なんだろう?と、
悩んでしまうにも限界があると思ったのと、
とりあえずの金銭的な確保ができたので、
告知してもらうことを決めました。

「明子さん、検査の結果、
首から悪性の腫瘍が見つかりました。」
検査データを元に、
医師が淡々と説明していきます。
母は「そうですか。」と意外と淡々としていました。
次に「何も(治療)しなかったらどれくらいですか?」
医師は「1年です。もう少し、出来る限りの検査を進めていきます。」
割とあっさり面談は終了しました。

私は病院では心配性の娘でもう有名になってたので、
看護師さんにもフォローをお願いしてきました。

母には「ばかなことは考えないでよ(笑)」とだけ告げて、
その日は帰りました。
『告知』
肩の荷が少し下りた、不思議な気分でした。

本人に告知するということ①

2009-05-04 23:03:41 | 日記
母の入院した病院は、
患者には即告知という方針だったので、
担当医には、告知を早くするようにと、
会う度に言われていました。

私が感情的で涙もろいのと、女性と言うことで、
私一人ではとにかく押されてしまいがちだと思ったので、
数人の友達に相談をして、
まずは病院の医師との面会時に、
彼に付き添ってもらって、
「とにかくお金、母を支える人材(応援してくれる人々)など、
母が安心して治療できる要素を確保するまでは、
告知は待って下さい。」ということを、
2人でお願いしました。
医師は男性がいると、やはり態度が変わります。
この医師とも、時間をかけて話していくうちに、
本当に親切に母を看て下さったと、
今は思えるのですが。

病院の4人部屋で、プライベートで2人きりになれる環境もない中で、
母にどこで何と言ったら良いか、
すごく悩みました。
母が病名を知ることで、治す気力がなくなってしまうのではないか、
このまま何も治療をしないで退院すると言い出すのではないか、
ということが、私の中で不安としてありました。

友人たちの意見、
私の主治医の意見、
医療相談室(メディカルソーシャルワーカーという、
病院専門の相談員さんが相談にのってくださいます。
ある程度の規模の病院だったら、たいていいるはずです。)
を総合して、
①私自身では、病名を告げられても、
医療面では素人なので、病状をうまく説明できないであろう。

②母娘間だけで話すとお互い感情的になりやすいだろう。

③大きな物事を告げるときは、
少しずつ伝えていったほうがいい。

④告知にも、病名を告げる、病状を伝える、余命を伝えるなど、
様々な伝え方があり、
その場で言ってみないと、母本人からもどんな言葉が返ってくるかはわからない。

という要素があがって、
医師、看護師、私、母の4人の面談で、
医師から病名を伝えてもらうことを決めました。