総理大臣閣下へ
私の名前はスモルニコワ・バレンチーナです。1941年に生まれ、定年までの長年の間に小児科医として働き、現在はベラルーシ共和国のゴメリ州にあるブダ・コシェリョボという町に暮らしています。カメヤマノノコさんが始めた『百万人の母親たち』の運動のことを知り、支持したいと思っております。
私にとっては原子力事故のような核災害がもたらす深刻な結果は小説やテレビ番組で学んだことではなく、体験して覚えたものです。
私は1978年からブダ・コシェリョボ市に住んでいます。1986年にチェルノブイリ原子力発電所事故が起こった時、この地区は放射能による被害を受けながらも、半径30キロメートル圏内の退避区域からの1000人以上の強制避難者...を受け入れ、多くの住民は解体作業者として事故の清掃作業に従事するためにチェルノブイリ汚染区域に向かいました。
私はこの日以来、被曝による健康被害を対象にするあらゆる政府管掌医療プログラムに参加して来ました。
事故が発生した当時に、ベラルーシでは放射能が人々の健康と自然界へ悪影響をあまり及ぼさないと、放射能の安全性が宣伝されていました。私たちは始めの頃はその言葉を信じていました。信じたかったです。しかし、まもなくして避難者、解体作業者と子供たちに重病の症状が現れるようになりました。この数年間、ベラルーシで働き盛りの労働者の死亡率が増加し、人口動態状況が劇的に悪化した。放射線による体の臓器と組織の障害は当初は知覚しがたいものの、不可避的で、放射線が原因の病は不治です。人体に異物質の放射性核種の崩壊は誰も止められないものであり、ヨーロッパ人であれ、日本人であれ、その過程は民族を問わないものです。
つらい現実ですが、核災害は長期的です。国家はどれほど豊かであっても、原子力事故が起こった場合、被害者全員に瞬間的に十分な放射性防護策を施すのは無理です。その後の十、百年の話になるとさらにそうです。歴史の中からその実例がたくさん見出されます。
しかし、今の日本では、「危険性がありませんから住民は放射性防護策などについてあまり心配しなくてもいい」というふうに言っている人がいます。その甘い嘘は麻薬と同じような破壊力を持っています。
おそれながら、お願いしたいことがあり、ここで言わせていただきます。
放射線が人体と環境へ及ぼす可能な悪影響についての情報を人々に教えるのをおそれないで下さい。
被害者への政府の援助が不十分だといった人々の声をおそれないで下さい。
放射線防護の分野での世界の最新科学発明と思想を導入し、その知識をいかにして合理的に使えるかを国民に教えるのは、閣下の勢力下にあると信じております。
知識さえあれば、人々は自分で自分の家族を守ることができます。
福島県で原発事故で被害を受けた国民を考える法律の制定があれば、安全な生活の概念が定められ、被害者の全ての部類に確実な援助計画が立てられるようになっていただろうと私が思っております。
今、日本にとっては子供を助けることが一番大事なことです。
ベラルーシの子供たちを支えてくださったのは、日本を含めて、全世界でした。
現在の状況においては、日本は世界の国々に日本の子供たちを思って大規模な援助を求めるべきです。放射能にさらされた子供たちには、最小限一年に二回の保養プログラムの参加が必要ですが、日本国内では今のところではそれができません。ベラルーシでは『チェルノブイリの子供たちに』という社会運動はそのようなプログラムを作り、現在でも実施しています。
日本の将来を助ける難儀な道でのご成功をお祈り申し上げます。
スモルニコワ・バレンチーナ
私の名前はスモルニコワ・バレンチーナです。1941年に生まれ、定年までの長年の間に小児科医として働き、現在はベラルーシ共和国のゴメリ州にあるブダ・コシェリョボという町に暮らしています。カメヤマノノコさんが始めた『百万人の母親たち』の運動のことを知り、支持したいと思っております。
私にとっては原子力事故のような核災害がもたらす深刻な結果は小説やテレビ番組で学んだことではなく、体験して覚えたものです。
私は1978年からブダ・コシェリョボ市に住んでいます。1986年にチェルノブイリ原子力発電所事故が起こった時、この地区は放射能による被害を受けながらも、半径30キロメートル圏内の退避区域からの1000人以上の強制避難者...を受け入れ、多くの住民は解体作業者として事故の清掃作業に従事するためにチェルノブイリ汚染区域に向かいました。
私はこの日以来、被曝による健康被害を対象にするあらゆる政府管掌医療プログラムに参加して来ました。
事故が発生した当時に、ベラルーシでは放射能が人々の健康と自然界へ悪影響をあまり及ぼさないと、放射能の安全性が宣伝されていました。私たちは始めの頃はその言葉を信じていました。信じたかったです。しかし、まもなくして避難者、解体作業者と子供たちに重病の症状が現れるようになりました。この数年間、ベラルーシで働き盛りの労働者の死亡率が増加し、人口動態状況が劇的に悪化した。放射線による体の臓器と組織の障害は当初は知覚しがたいものの、不可避的で、放射線が原因の病は不治です。人体に異物質の放射性核種の崩壊は誰も止められないものであり、ヨーロッパ人であれ、日本人であれ、その過程は民族を問わないものです。
つらい現実ですが、核災害は長期的です。国家はどれほど豊かであっても、原子力事故が起こった場合、被害者全員に瞬間的に十分な放射性防護策を施すのは無理です。その後の十、百年の話になるとさらにそうです。歴史の中からその実例がたくさん見出されます。
しかし、今の日本では、「危険性がありませんから住民は放射性防護策などについてあまり心配しなくてもいい」というふうに言っている人がいます。その甘い嘘は麻薬と同じような破壊力を持っています。
おそれながら、お願いしたいことがあり、ここで言わせていただきます。
放射線が人体と環境へ及ぼす可能な悪影響についての情報を人々に教えるのをおそれないで下さい。
被害者への政府の援助が不十分だといった人々の声をおそれないで下さい。
放射線防護の分野での世界の最新科学発明と思想を導入し、その知識をいかにして合理的に使えるかを国民に教えるのは、閣下の勢力下にあると信じております。
知識さえあれば、人々は自分で自分の家族を守ることができます。
福島県で原発事故で被害を受けた国民を考える法律の制定があれば、安全な生活の概念が定められ、被害者の全ての部類に確実な援助計画が立てられるようになっていただろうと私が思っております。
今、日本にとっては子供を助けることが一番大事なことです。
ベラルーシの子供たちを支えてくださったのは、日本を含めて、全世界でした。
現在の状況においては、日本は世界の国々に日本の子供たちを思って大規模な援助を求めるべきです。放射能にさらされた子供たちには、最小限一年に二回の保養プログラムの参加が必要ですが、日本国内では今のところではそれができません。ベラルーシでは『チェルノブイリの子供たちに』という社会運動はそのようなプログラムを作り、現在でも実施しています。
日本の将来を助ける難儀な道でのご成功をお祈り申し上げます。
スモルニコワ・バレンチーナ