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熟年オジサンの映画・観劇・読書の感想です。タイトルは『イヴの総て』のミュージカル化『アプローズ』の中の挿入歌です。

ペネロピ

2008-03-06 | 映画
ロンドンの名家のご先祖さまの因果が5代後の娘に報い、魔女の呪いで、豚の鼻を持って生まれたのが「ペネロピ」。
かわいそうなペネロピ(『アダムス・ファミリー』の不気味なオデコの少女役・クリスティーナ・リッチが魅力的!)は、世間体は死んだことにされ、大邸宅の中で幽閉生活を送っている。
オープニング・タイトルでの因果応報の解説をはじめ色々な面で、この映画は『美女と野獣』のパロディと言えるくらい、とてもよく似ている。と言っても、「ペネロピ」は”ビースト”ではなくて、”ベル”のほうだが。
実際に映画の中でも、「豚と野獣」という表現が出てくるが、”ビースト”と言うよりは、”ガストン”みたいな嫌なヤツ(ペネロピと見合いをして逃げ出した名家のアホ息子)が、野獣の役割を担っている。

ペネロピも娘想いの両親も、「いつか王子様が」やって来て呪いを解いてくれると信じており、頻繁に邸宅で名家の子息たちとのマッチメイキングを試みるが、みんな恐れをなして逃げ帰ってしまう。
そんな、待ちのペネロピに変化の兆しをもたらす「王子さま」も、最初は門外不出(?)の豚鼻撮影が目的のパパラッチなのだ。
マジックミラー越しの彼とのお見合い場面に、純なペネロピの乙女心が見え隠れして微笑ましい。
ペネロピの呪いを解くのは、王子さまのキスではないところが、現代のお伽噺らしいところで、コンプレックスを持った人を元気づけてくれるが…。

在るがままの自分を受け容れてくれる相手こそ、最高のパートナーなのはもちろんだが、その前に先ず、窓を開けて外の世界へ飛び出せるか?ハッピーエンディングには勇気が必要だ。


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