久しく書き込んでいませんでしたが、暫く振りに書き込んでみました。
２年程前にブレーキの整備をさせて頂いたＲＸ－７のユーザーからお電話がありまして、「リャーのパッドを整備工場で交換して貰ったのだけれど、ちょっと何かがおかしい？とても満足の行くブレーキフィーリングには及んでいないので改めてパッドの様子を見て貰いたい！」との依頼を受けました。
お預かりをしまして、早速にリャーブレーキのパッドをホイールの隙間から外観上で確認しましたら、しっかりとした「引き摺り」から来る状態がローターに現れておりました。
ＦＲの車なので、リフトアップをしましてリャーのホイールをフリーの状態にして、タイヤを回転させてみました。それほど強い状態ではありませんでしたが「引き摺り」は確認出来ました。
早速整備を始めました。タイヤを外し、パッドを外し、その状態を確認しました。新しくパッドの交換をしたばかりなのに正常な状態で、又、正しい整備方法でパッドが交換されたとはとても思えません。
たかがパッドの交換ですが、今日(こんにち)までの自動車メーカーやブレーキメーカーがその整備方法も正しく指導出来ない事がディスクブレーキが世に出てから今日(こんにち)まで鳴き一つ全く解決出来ない事からも明かです。
パッドを外して、綺麗に清掃しました。そして全ての摩擦部分に必要に応じてグリースをその必要性に応じて塗布しました。今迄の整備では、ただ単にグリースを塗布しておりましたが、グリース塗布一つの作業にも実に細かく丁寧に塗布して行くものなのです。
そうした作業を無事に終えて、タイヤを取り付けてナットを規定のトルクで締め付けをしました。この際には全てがトルクレンチで行います。インパクトレンチで取り敢えず締め付けてしまう様な事は致しません。仮締めから２～３回繰り返して締め付けます。
パッド交換後、ブレーキペタルを何度も踏んだ後にタイヤを回転させてみましたら、実に気持ち良く回転してくれます。
工場からユーザーの所まで試運転を兼ねてお届けに行きました。車庫に停めて翌日のお客様からのご意見を待っておりました。１日間(ま)を置いてからお電話がありました。
「ガソリンスタンドまで試運転のために乗ってみたが実に素晴らしいフィーリングが戻っていましたよ！」との事から、今迄、パッドの交換を依頼するのは失礼だと思っていたので依頼はしなかったのだけれど、こんなに違うのであれば他の整備工場には整備依頼が出来ないので今後はパッド交換の整備依頼も宜しいでしょうか？とお話を頂きました。
一番最初にブレーキフィーリングのお話を聞いた時には、一般の整備工場では、特にマツダ車のリャーブレーキの構造を理解している整備工場はディーラーを含めてもありませんので、絶対に良くなる事はありません！と強く申し上げておりました。
このユーザーの方は車高を低く、室内は殆(ほとん)どの者は取り外し、エンジンは高価な費用を掛けてチューニングを施しております。そして、筑波サーキットで走る事を大変な趣味としておられる方であります。
こうした方が私の整備技術であります。ＳＳＢＳ方式で整備をされて、安全性の高さを共に認めて下さっている事に大変嬉しい事と思っておりますと共に、正しい整備である事を強く認識致しました事です。
これからもブレーキ整備技術により一段と研鑽に励んで行くつもりです。
投書をしていない時にも多くの車を整備させて頂いておりますが、全てのお客様に満足を頂いております。
そうそう、思い出しましたので付け加えさせて頂きます。６０年程前のベンツで確か？モデルがＳＤ１７０だったと思いますが、４輪ドラムブレーキです。立派な整備工場ですが、何年も前から何度も何度も整備を重ねているのだけれども、ブレーキの効きがお客様に満足をして頂けない！との事から整備依頼がありまして、整備に行かせて頂きました。
４輪ともホイールシリンダーは交換はしてあります！との事と、ブレーキライニングも新しく交換がされておりました。「何か必要な部品があれば時間は掛かりますが用意は出来ます！と言う事でありましたが、私は「その必要はありません。一切部品は必要ではありません。このままで私の技術で整備を完成させます」と申し上げました。
欠点の確認をすると共に１日を掛けて整備を行いました。無事に整備が終わり、整備工場の方に試運転をして頂きました。えっ、こんなに違うの！と違いに驚かれた様でしたが、その車をユーザーに整備が終わった！と言う事でお届けをしましたら、ユーザーの方も大変満足されておられたとの事を伝えられました。
整備は部品の交換をすれば良くなる事が正しいのではありません。正しい認識と技術で正しい整備を行う事が必要かと思います。