里山の石神端書99 甲斐市神戸・薬師堂の種字般若菩薩
神戸集落の上部に小さな覆い屋があり、内部の厨子に木造薬師と石造薬師如来が祀られています。
石造薬師に添えられている木札には「般若會上十六善神哀愍/種字・ジニャ専祈念邨内安全子孫栄久守護」の墨書き。種字ジニャは知恵の仏・般若菩薩です。
十六善神は般若菩薩の眷属で大般若経を守護する役目。仏書には、鎌倉時代から絵図として描かれ般若会に使われてきたとあります。神戸集落でも般若菩薩のご祈祷があって、「般若菩薩を祈ることにより、般若と十六善神の慈しみを受け、村内安全と子孫の久しい繁栄と守護をお願いします」とお願いしていたのでしょう。
この場所は集落の神々が祀られてきた場所で、馬頭や一石六地蔵などの石造物が無造作に置かれています。この無造作が石仏には似合います。
ここは道祖神のお祭りもする道祖神場でもあって、どんど焼きをした燃えカスが残っていました。どんど焼きは小正月(1月14~16日)に行う正月の神送りをする火祭りです。
(地図は国土地理院ホームページより)