偏平足

里山の石神・石仏探訪

里山の石神端書279 天神(千葉県成田市旧下総町)

2024年04月05日 | 里山石神端書

千葉県佐倉市(旧下総町)高の月輪神社の天神

 利根川下流の下総町が成田、市と合併したのは2006年。旧下総町の丘陵地帯を訪ねました。ここに案内するのは高集落の月輪神社金環殿の奥にある天神様木祠に鎮座する木彫の天神です。



 高集落外れに「月輪神社」の扁額がかかり、社殿に「金環殿」とある神社のさらに奥にある木祠が天神様。


 祀られているのが木彫の天神で、冠をつけ袍姿の坐像の胸に天神の象徴梅鉢紋をつけています。右手は笏を持つように握った形、左には太刀をさしているはずですが、これは見当たりません。
 これまで山や山麓の石仏をだいぶ見てきましたが、天神をはじめとした神像の石仏にはほとんど出会いませんでした。仏像が路地に立てられたのに対して神像は社殿に祀るという意識が強かったようで、数少ない天神石像は石祠内に祀られるケースが多い印象です。
 山麓の寺社巡りをするようになって気づいたのは、木彫の神像を祀る小社が多いことです。基本的には姿を現さないこの国の神ですが、近世になると掛軸などに神の絵図が登場して、これを手本に木彫が造られたと思います。これが石仏になった例が天神で、他には天照、春日、八幡、稲荷などがあります。木彫道祖神なども、石像になる前は木彫あるいは藁などの人形の時期があり、いまでもその形を続けている地方があることも知られています。
(地図は国土地理院ホームページより)


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