偏平足

里山の石神・石仏探訪

里山の石神端書282 道祖神石祠(千葉県成田市旧下総町)

2024年04月16日 | 里山石神端書

千葉県佐倉市(旧下総町)中里の道祖神石祠

 利根川下流の下総町が成田市と合併したのは2006年。旧下総町の丘陵地帯を訪ねました。ここで紹介するのは下総町で中里の道祖神としている場所です。


 集落外れの畑に土手を利用したこの場所には小型の石祠が山ほど積まれていて、その数の多さに驚きました。ほとんどが土手に寝かされ重ねられた異様さにも驚きです。


 石祠のほとんどは屋根から室部と台座が一体となった30センチ前後の高さで、室部正面に「道祖神」銘のあるものが若干あるだけ。見た目には同じような石祠ですが、詳細に調べればみな違っていて同じものは無いとも言えそう道祖神です。しかしこれほどの道祖神石祠を、石工あるいは手馴れた人が造ったのかの判断は難しいところです。推測ですが、奉納された時代が短期であれば専門の石工がいたともいえる数の多さです。


 大型の石祠も少しあり、こちらには造立年が入ったものがありました。そのいくつかはいずれも文化年間(1804~1818)初めの銘があり、この時代に道祖神石祠の奉納が始まり、続いて小型の石祠の奉納が始まったと推測するのが妥当でしょうか。奉納目的は下総町の案内にあるとおり、夫婦円満、安産・子育。とにかくすごい数の道祖神石祠でした。
(地図は国土地理院ホームページより)


コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 昭和の石仏写真館(171)川口... | トップ | 里山の石神端書283 川崎大師... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。