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偏平足

里山の石神・石仏探訪

山小屋日記13

2008年01月12日 | 山小屋

山小屋日記13 廃材利用

 

08011  阿武隈山系は西高東低の冬型の気圧配置のとき雪が飛んできます。太陽が顔を出しているのに雪が舞うという状況です。怖いのは日本南岸を低気圧が通過するときで、間違いなくドカ雪になります。今日あたりはその典型で、湿った雪が降り積もっているはずです。今年の正月、阿武隈の山には雪があり山小屋周辺に積もっていました。風に舞った雪が窓の隙間から吹き込みそうな山小屋ですが、アルミサッシの窓のおかげでそれはありません。

080102080103   山小屋の戸と窓はすべて廃材を利用しています。廃材といってもアルミサッシのドアや窓は丈夫ですから、長年使ったものでも十分利用できます。ドア1か所、ベランダ側の戸1か所、窓3か所の計5か所のサッシは、15年すぎた今もしっかししています。それ以前に別の建物で役目を果たしていたサッシですから、そうとうの年月ガンバっているはずです。窓は曇ガラスですが、南側の戸は上半分素通し。ここは風当たりも強く無用心なので板の雨戸を取り付けました。それも農家の雨戸に使っていた時代物です。これだけは建てつけが悪く、アルミサッシのようにスムーズな開け閉めは無理で、動かすタイミングが悪いと力仕事になったりします。しかし山小屋の雨戸はこんな感じがふさわしく、気に入っています。この廃材の調達先ですが、山小屋の地元に住む土地提供者のYさんが、解体屋さんに取り置きを頼んでおいたものです。これを山小屋に運んだのもYさんの軽トラックです。別荘地でもない山に小屋を建てるには、地元に協力者がいなければできません。

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山小屋日記12

2007年06月16日 | 山小屋

 安達太良山の帰りに山小屋に寄って、内部の掃除と周りの草刈りをしてきました。この季節、草刈りをしない山小屋はいかにも手入れがされていないようで、落ち着かないものです。しかし、山の草刈りは竹や木の小枝も刈り取りますから以外に重労働、それをカバーするためには丈夫な鎌と砥石が必要になります。鎌は草刈Photo_96 り鎌より厚めの鉈鎌にちかいものを使っていますが、すぐ切れなくなりますから、早めに砥石で研ぎ直しするのがコツです。研ぎ方は内側(握って上になる部分)からはじめ、刃先が外側(下になる部分)にめくれる感じ(親指でそり具合を確認する)になったら、外側から研ぎ返すのが基本です。その他にも小屋回りを手入れする道具として、剪定バサミ・鉈・鋸・スコップなどは必需品です。私は小屋に常備こそしていませんが、いつも車に積んでいます。

一通り草を刈り、掃除をして、囲炉裏に火をおこす。そして、鉄瓶の湯が沸騰するころには、やっと落ち着いてきます。そこへホトトギスとカッコウの鳴き声が聞こえて、これが6月の阿武隈山系です。

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山小屋日記11

2007年02月24日 | 山小屋

072_1 1月末に山小屋に行ってきました。カレンダーを張替え、囲炉裏で焚き火をして遊んできました。小屋は相変わらず虫たちの越冬の場で、机の引出ではテントウ虫が眠っていました=写真=。しかし、暖冬の今年は阿武隈の山も雪が少なく、何か物足りない光景でした。

   

いま山で焚き火をする機会はありませんが、沢登りをしていた昔は、流れの傍でよくやりました。使い捨てライターが出たのは30年ぐらい前でしょうか、私が登山0721_1 を始めた40年前はマッチでした。これは濡れると使い物になりませんから、ビニール袋にいれて大事に扱ったものです。当時は沢の中でビバークすることもあって、マッチ1本で焚き火をおこすことを心がけていました。そこで身につけた火おこしは、いま山小屋の囲炉裏で役立っています。

その方法は、まず杉の枯葉を探すことから始まります。杉は油を含んでいますからよく燃えます。これがなければ枯葉や枯れ草で代用します。まず枕になる腕くらいの木を横に置き、少し細い枝を十文字に乗せます。枕木の片側に杉の枯葉を置き、その上に細い枯枝をのせ、割り箸ぐらいの枝、指くらいの枝、少し太い枝と分けて用意します。これで準備完了。いよいよ点火です。まず小さな紙に火をつけ、杉の葉にうつします。火の勢いを見て、割り箸くらいの枝から順々に燃やしていきます。そして熾(おき)ができれば、太い木を入れても絶対に消えることはありません。雨のかなでは、枝を細かく裂いて乾いた部分を用意しますが、難しい作業になります。

以上が焚き火の方法ですが、いまやどこでも焚き火は禁止、キャンプ場でも焚き火台以外は禁止の時代ですから、山での焚き火は厳禁です。

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山小屋日記10

2007年01月07日 | 山小屋

Photo_76  山の道具を飾って楽しむようになっては、もうたいした山には登れない証拠ですが、山小屋の壁があまりにも殺風景なので、ピッケルやワカン(輪かんじき)を置いてみました。どれも山の思い出が残っている道具です。なかでも梶田製作所のTANI(タニ)のアイゼンは、ネジ式ジョイントで前後に分かれている絶品でした。前の部分は2種類あり、縦走用は4本歯、氷壁用は歯が前に突き出た6本歯を使うのが基本でしたが、交換するのが面倒なので、尾根道でも6本歯を使っていました。しかし鉄鋼をたたいて造ったこのアイゼンも、プレス加工品が出回るようにPhoto_77 なると影が薄くなってしまったので、今となれば、山小屋の壁がお似合いなのかもしれません。スノーシューが主流の昨今は、ワカンも出番がなくなってしまいました。

 だいぶ昔の話ですが、冬の槍ヶ岳北鎌尾根では、このアイゼンとワカンを一緒に足につけて1週間歩き続けました。そうとうの重さだったのでしょう、里に着いて靴をぬぎ、宿の階段を上るとき、足をあげると、ピョンピョンと膝が跳ね上がるのにはビックリしました。足の筋肉がアイゼンとワカンの重さを記憶していて、靴をぬいでまでも反応していたようです。

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山小屋日記9

2006年09月12日 | 山小屋

9_1  春にペンキを塗った屋根は、夏の暑さもハネ返す元気な色で輝いていました。

 屋根はこれでいいとして、問題は山小屋内部のすき間です。柱と壁のすき間、床の隅のすき間、軒と壁のすき間など探し出したらきりがありません。92 これらのすき間のほとんどは、なくそうと思えばなくせるのですが、不都合はないのでそのままにしてあります。それを知ってかいろいろな生物が入り込みます。この夏には、小屋の隅に置いた机の上に蛇の抜けガラ(写真)が落ちていました。ソファーには羽アリが巣を造り、羽目板の中をくぐり抜けた竹が板のすき間から頭を出していました。蛇や竹はいいとして、羽蟻は問題アリです。よく見ると白アリの一種の羽蟻で、家の木を食い尽くす悪質なアリのようでした。だからといってこれといった駆除方法は知らないし、土台や柱に被害らしきものは見当たらないので、しばらくこのままにしておきます。ただそろそろ防腐剤を塗り直す時期にはきているのは確かです。春に半分だけ塗った屋根のペンキもそのままだし、なんとかしなければ‥‥と考えてはいますが。山小屋は建てるのも大変ですが、維持するのはもっと大変です。

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山小屋日記8

2006年08月15日 | 山小屋

Photo_52  ベランダは二代目です。一代目は杉の間伐材で造りました。皮をむいて丸太を並べただけのもので、足の感触もよく、見た目も自然で気に入っていました。しかし杉の若木は軟らかく、5~6年でぼろぼろに腐ってしまいました。なにしろ雨ざらしの所ですから、ベランダの素材として杉の間伐材は不向きだったようです。二代目はホームセンターで手に入れたものです。規格品で手造りの山小屋にはなじみませんが、作る暇もないので、これで我慢しています。工事用鉄パイプで組み立てた足場に乗せるだけの簡単使用で、使わないときは取り外して小屋内に入れて置きます。

 間伐といえば、最近の山は荒れ放題です。とくに杉林は、間伐どころか枝下ろしすらしていない所が多く、日は差さない、風は通らない、下草は生えない状態で、屍の山のような山もあります。杉材の需要が減り、価格が下がり、手入れする人もいない現状では、このような山は増えるばかりです。

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山小屋日記7

2006年07月02日 | 山小屋

 

Photo_36  山小屋には電気も水道もトイレもありません。人が住むことを想定していないのです。それでも泊まるときの明かりはランプ(プリムスのブタンガス)、トイレは大も小も適当な場所で、水は近くに湧き出でいる泉を利用しています。

小屋を造るとき水だけは確保できる場所を選びました。それは小屋から10メートルのところに年中出ているもので、ちょっとした窪地に突然湧き出し、また地中に潜ってします不思議な泉です(写真)。これを柄杓でバケツに汲んで小屋に運びます。この水汲みと火をおこす作業が、山小屋で最初に味わうの至福のひと時なのです。実はこの作業、子供のころ散々やらされました。しかしこの水と火を操ることが、自然のなかで人間らしさを取り戻す原点だと、長年山を歩いていて気づいてからは楽しくなりました。

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山小屋日記6

2006年05月19日 | 山小屋

Photo_29 山小屋の屋根は切り妻でブルーの波トタンを葺いたもの。タル木の上に張った板に、傘釘で直接トタンを打ちつけた簡単な造りです。葺き方が良かったのか雨漏りなどはありません。しかし10年もすぎると色があせ、錆も出始めてきたので、5月の連休を利用して屋根のペンキ塗りをしました。

太陽や雨と直接向き合う屋根ですから、ペンキは強そうな油性にしました。屋根のペンキ塗りで一番肝心なことは滑り落ちないこと。昔岩登りで使ったハーネスやカラビナ(山小屋に飾ってあるもの)を持ち出して、形だけの安全策をとりました。古い道具なので安全は保証できない代物ですが、ハーネスを身につけてザイルを結ぶと、落ちても途中で止まるという安心感がわいてきます。

で、ペンキ塗りですが。初め梯子をかけて谷側の軒先を塗り、次に屋根に上がって下から上に塗る。これの繰り返しです。ペンキが重くなってきたらシンナーで薄めながら塗ります。一番上の笠の部分を塗って半分終わり。ここで安心したのか、疲れがでたのか、山側を塗り始めたところでペンキの缶を落としてしまい、万事休す。残りは次の機会にします。

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山小屋日記5

2006年04月10日 | 山小屋

4月初旬、山小屋のまわりの雑木もみずみずしくなってきました。このあたりで桜が咲くのは4月20日すぎ。桜で知られた三春の滝桜のつぼみは、やっとふくらんできた状態です。

Photo_23 山小屋ができて2年目に、外壁に穴があきました。鳥の仕業です。こんな悪さをするのはキツツキの仲間に違いありません。

山小屋の外壁は板張りです。杉材に防腐剤を塗った板を下から打ち付けたもので、質の良い外壁がある最近では見なくなりましたが、かつての日本の家屋によく使われていた手法です。内部の壁は合板を張ってあるので、外壁との間には空間があり、ここに断熱材を入れるのですが一般的ですが、山小屋ですから何も入れませんでした。キツツキはこの空間に巣を作ろうと穴をあけたのでしょう。

私は鳥といえば、鶏、雀、鳩、烏ぐらいしか知らないのですが、耳学によると、キツツキという鳥はいないそうで、クマゲラ・アカゲラ・コゲラなど「ゲラ」がつくのがキツツキといわれている仲間だそうです。山を歩いてとき聞こえる、コン・コン・コンと木をたたく音はこの鳥の仕業で、餌探しの最中とか。山小屋の穴は屋根の軒裏に近いところですから雨があたりません。キツツキそんなことを計算して穴をあけたはずです。しかし空間があまりにも大きすぎてたのか、巣を作った形跡はありませんでした。

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山小屋日記4

2006年03月21日 | 山小屋

4  3月中旬になると、山小屋がある阿武隈山系のほとんどの山から雪が消えます。しかし芽吹きはまだ先で、山は冬眠中です。小屋の壁に貼ったカレンダーを今年のにk変えるためはがすと、こんな場所にも虫が冬眠中でした。てんとう虫と正体不明の虫たち。てんとう虫が冬眠して冬を越すのは、山小屋を造って初めて気付きましたが、窓枠の隅に集団で固まっているのを見つけたときは、驚きました。カレンダーの紙一枚でも、虫たちにとっては暖かい蒲団がわりになるんですね。小屋にはソファーや座蒲団もあるんですが、虫たちにとっては化繊より自然の臭いがするもののほうが安心するし、安全であることが分かっているのかもしれません。

 小屋にはいろいろな動物が入り込みます。蛇・蜂・蛾・鳥などなど……。動物たちは進入した痕跡をいろいろな形で残していきます。なにしろすきまだらけの山小屋だしほとんど留守なんですから、普段は動物や昆虫の天国になっているのでしょう。その痕跡の紹介は別の機会に。

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山小屋日記3

2006年02月18日 | 山小屋

Photo_11  山小屋は土台造りから始めました。場所が雑木林を伐採した傾斜地でしたから、谷側には鉄骨を支柱にしたコンクリート製の土台を立てました。土台の枠はオイル缶を並べたもの。このアイディアの考案者は、この土地を提供してくれた地元のWさん。山小屋はこのWさんの主導というよりWさんが一人で造ってしまった、という感じで進みました。

 小屋造りの作業で知ったことですが、農家には農作物を作る道具のほかに、いろいろな機材が揃っているということでした。立ち木を切るチエンソー、鉄骨を切る電動丸ノコ、足場を造る鉄パイプ、脚立や梯子などなど……。そしてこれらの機材を運ぶ軽トラックです。そしてこの機材を上手く使いこなすのがWさんで、農家の人はだれでも使いこなすそうですが、とくにWさんは上手でした。百姓の語源ではありませんが、「百の仕事をするぐらい農家にはいろいろな作業がある」ということを聞いたことがあります。百姓のWさんの奮闘で山小屋造りは進みました。

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山小屋日記2

2006年01月20日 | 山小屋

Photo_6  山小屋といっても素人が集まって造った小屋ですから、凝った建具はなにもなく、中央に囲炉裏があるだけです。囲炉裏には炭を利用しています。薪もありますが、火をおこす時使うだけです。薪の煙は天井の木を丈夫にし、防虫効果もあるのでいいのですが、細かい灰が飛び散って始末が悪いのです。それに較べて炭は長持ちするし、なんといっても後始末が楽なんです。炭のうえに灰をかけて覆ってしまえば自然に消えますから時間がかかりません。

 囲炉裏に付物なのが自在鉤です。仕組みはいたって簡単ですが、その原理を説明する言葉がみつからないぐらい不思議で便利な道具で、鉤の先にかけた鍋や鉄瓶の上下位置が自由に調整できる優れものです。ほかにも囲炉裏には炭を掴む火箸とか、風を送る火吹き竹、火の上に置いて鍋などを乗せる五徳、炭を保管する消壺など、いまでは死語になった便利が小道具が付物です。

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山小屋日記1

2005年12月05日 | 山小屋
koya
 阿武隈のある山の中腹に山小屋を造って10年になります。素人が集って造った小屋ながら、10年たってもしっかりしていますから、なかなかの出来ばえです。広さは12畳。中央に囲炉裏があるだけのシンプルな造りです。小屋の前は牛の放牧地で、その奥には阿武隈の山々と、那須の連山が望める眺望の良い場所です。
 10年を記念してここに、少しずつ紹介いたしますが、この建物、写真のとおり素人が集って建てた粗末なもので、別荘ではありません。男の「隠れ家」程度のものですから、生活するための小屋造りの参考にはならないことを、お知らせしておきます。

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