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伊坂幸太郎【ラッシュライフ】

2008年08月31日 | ◇レビュー◇
ネタバレ注意!!!ネタバレ注意!!!ネタバレ注意!!!ネタバレ注意!!!

『泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。
 女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う。
 幕間には歩くバラバラ死体登場――――。
 平走する4つの物語、工作する十以上の人生、その果てに待つ意外な未来。
 不思議な人物、機知に富む会話、先の読めない展開。
 巧緻な騙し絵のごとき現代の寓話の幕が、今あがる。』

評価→★★★☆☆ 面白い(*´∀`*)

◇感想◇
5つの物語が絶妙に交じり合って、最後の方は少し混乱しつつ(笑)、「ここにこう繋がるのか!」。
ここまで!ってくらい繋がりまくっています。
最初から注意深く読まないといけない。
全部の話に出てくる『老犬』と『スケッチブック』と『展望台』。それぞれの感じ方が違うのが面白い。

泥棒黒澤の話はキューンときます。
二人の会話は懐かしくて暖かい雰囲気。
河原崎の父の言葉にハッとさせられ、何でこの人が自殺したんだろうな???と思った。
河原崎の話は展開が読めないし、とにかく驚いた。
豊田と老犬の関係もいいなぁと思った。
てゆか、老犬がいいなと思った。



◇言葉◇
戸田「不景気、不景気と騒いでいるがな、これだけ長い間不景気なんだ、それがこの国の標準の状態なんだろう。」
 ニュースとかで『不景気』とか言ってるのを聞くたび、思い出す。
 真剣に語ってるニュースがおかしく思えてくる。

「人生はきっと誰かにバトンを渡すためにあるんだ。今日の私の一日が、別の人の次の一日に繋がる。」
 私はそんな一日を送れているんだろうか?

黒澤「おまえはニュートンか?」

黒澤「俺たち人間は、もとはと言えばアメーバーとか、単細胞の生き物だったんだろう?それが、気の遠くなる年月をかけてゆっくりと進化した。俺たちは今やこれほど複雑な生き物になった。感情を持って、記憶を操作する。嘘を吐いて、人を出しぬいたり、名誉を欲したりする。ジャズも演奏する。」
   「それだけで充分、すごいだろ。宗教を持ち出す前に、生きていること自体に驚いて、拍手をすればいい。」

 忘れがちだけど、生きているだけで凄いことなんだよね。
 本当に忘れがち。
 生きるの面倒くさくなるもん、しょっちゅう。

河原崎父「すべての色ってのは赤と青と黄から作られているんだ、だから信号は守れよ。」
 なんでー。

豊田「若者は自分のことを棚に上げることに関しては、秀でている。
    棚に上げたきり二度と降ろさないのがあいつらのやり方だ。」

 私もです('A`)チクチク

豊田「蟻や蜂は自分たちの巣や集団維持のためには闘うが、自分自身の恨みのために相手を倒すことはない。個人的な理由による復讐は、よほど人間らしいじゃないか。」
 そういう考えもあったか!

プラナリアの実験の話
「この原始的な動物ですら、同じことの繰り返しよりも自殺することを選ぶ」

 スタンリーキューブリック「退屈は最大の罪だ」だもんな。

黒澤「人生については誰もがアマチュアなんだよ。」

豊田「人生は一秒ごとに流れていっている。それを自覚しているのか!」
 無駄にしまくってます。ごめんなさい。