足指ダイヤ

音楽☆子育て☆食べ物を中心に綴ります。

ジンクス

2006-02-02 | 不思議な話

大切な事がある日は玄関を左足から出るとか、試験の時には決まったシャーペンを使うとか、おまじないみたいなジンクスを持つ人はたくさんいます。

黄色い新幹線を見たら不運とか、朝近所の犬と目が合うと仕事でミスをするとか、悪いことの予兆としてのジンクスに心をかき乱される人もいます。

それらはたいてい、実際にあったことに基づくことであったり、それを体験した誰かの話を真に受けたことだったりするのですが、私には妙なジンクスにドキドキしながらすごした時期があります。

それは小学3~5年生の頃。当時私が住んでいた家の脱衣室ではスイッチをパチンと入れてもなかなか電気がつきませんでした。電球の寿命が近いのか、スイッチの接触のせいか分からないのですが、両親には修理する気がないらしくその状態はなかなか改善されません。ある夜、いつものようにスイッチを入れたら、いつものようにしばらく間があってそれからいつものように少し点滅して、重い腰をあげるようにやっと電気がつきました。その時ふと頭の中で悪いジンクスが浮かんだのです。

「この電気がつかなくなったらお婆ちゃんが死ぬ」……と。

父方の祖母は活発でとても死と結びつくような人では無かったので、この場合はいつも遊びに行くと自室に座ってじっとしている母方の祖母のことです。
それから私は、脱衣室のスイッチを入れるたびに祈るような気持ちで命の電気が灯るのを待つようになりました。
ドキドキしながらスイッチを入れる→しばらく待つ間にドキドキは早くなる→点滅が始まり「頑張れ!」と心の中で叫ぶ→無事、点灯してホッとする。という大イベントが脱衣室に行くだけで起こるのです。子供の私にとってはストレスの溜まることでしたが、元々は自分で作り出したジンクス……なんて残酷なジンクス。

しばらくしてその家を引っ越し、私がジンクスのストレスを忘れてしまってから祖母は命の光を失いました。脱衣室の電気とどちらが先だったのかは今でも謎のままです。


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