銀の河～長浜奈津子のブログ～

きょうは、室生犀星をよみました〜詩音・朗読倶楽部〜

#詩音・朗読倶楽部

#室生犀星

#愛の詩集

花音と詩音🌼２つの朗読倶楽部

2022年12月20日

皆さんこんにちは、長浜奈津子です🌸

行徳で、詩音という朗読倶楽部があります✨2018年から始まったのでもう5年になりますが、コロナの時も解散もせずに、今日まで仲良くやってきました。

今年の長旅の間も、皆さんで集まって続けて下さっていました。
そして今日は数ヶ月ぶりに、皆さんのお声が聞けてとても嬉しかったです💖

皆さんと読もうと思い、今回私は、室生彗星を持参しました。室生彗星というと、この詩が有名ですよね。…どうぞ声にだして音読してみてください✨

小景異情その二

ふるさとは遠きにありて思ふもの
そして悲しくうたふもの
よしや
うらぶれて異土の乞食かたゐとなるとても
帰るところにあるまじや
ひとり都のゆふぐれに
ふるさとおもひ涙ぐむ
そのこころもて
遠きみやこにかへらばや
遠きみやこにかへらばや

金沢で室生彗星記念館へゆき、帰ったら皆んなで読みたいな…という気持ちになり、詩集をかいもとめたのです。きっと皆さんは喜んで下さると…ワクワクしながら、用意してゆきました。

「愛の詩集」「動物詩集」ゆっくり読みすすめながら、室生彗星について話しあいました。幼い時にお寺に預けられて寂しい思いをしてきたことや、草木に詳しくて庭づくりが得意だったこと、そして猫をとても好きだったことなど。

きょうは私も、初めて詩集を紐解いてゆきました。初見で音読する、ということもしました。

色々発見があり、またそれぞれの詩を味わう中で…いくつか気にいった詩がありました。その中からひとつ、この詩を残します。

『万人の愛』

自分は夜更けてからも
マリア像のある壁の前に座つてゐた
露西亜わたりの
厚い木地に張つた古いこの石版画の
いぶし金の地に小さなキリストを抱いた
聖母マリアの白いひたひは美しかつた
己はしげしげ眺めては
永い間長椅子に座つてゐた
くる晩もくる晩も自分はひとりきりであつた
自分はあらしのやうな孤独に襲はれてゐた
自分は聖母マリアの額に接吻をした
熱病人のやうな
苦しい目つきで
自分はいつまでも起きてゐた
夜はしづかで　雨さへふり出してゐた
自分は立つて又た接吻をした

// ロシアわたりの、マリア。というのがまた気に入りました。これはイコンのことを言っているのですよね。山下りん、のことにも触れてお話をしました。日本人で初めてのイコンの画家です。

詩をとおして、皆さんとあれこれお話をするのも、また良い時間です。

…… また私の旅先でのこともお話しました。
例えば泉鏡花の作品風景の中に、金沢の浅野川のこと。
主計町（かずえまち）茶屋街のことなど。

茶屋街を歩いていると、異空間に入り込む感覚で面白かったです。ほそい、暗がり坂を降りると、目の前に浅野川が広がってきます。狭くいりくんだ茶屋街から、視界が広がるのです。その風景は、昔はきっともっと今以上に空が広かったに違いありません。「化鳥」に出てくる橋や、人々や風景がそこにあって、私は鏡花の世界を思い浮かべながら心を遊ばせました。

詩音・朗読倶楽部は、好きな作品を読んだり、私が持参する作品を音読して練習したり。
皆さん長く続けて下さって、気楽に楽しく続けています。

私は個人レッスンもやっているのですが、そちらは一人一人の個性に合わせてしっかり稽古する教室ですが、こちらの会は基本的に和気藹々と、詩や小説に親しむサークルです。もちろん、個々への指導もあります。

＊『詩音・朗読倶楽部』にご興味ある方は＊

〜行徳・詩音朗読倶楽部〜
毎月第2火曜日13半〜15時半。
月会費、他必要事項は担当者からご連絡を致します。
（会場費と講師謝礼を皆さんで分配する方法です）
見学OK。場所：行徳公民館。

お問合せ⇨Tel：09033391281 (長浜)　Mail： nappy_malena@yahoo.co.jp

˚˙༓࿇༓˙˚˙༓࿇༓˙˚˙༓࿇༓˙˚˚˙༓࿇༓˙˚˙༓࿇༓˙˚˙༓࿇༓˙˚

行徳・詩音朗読倶楽部