niobin

鉄と戯れる日々のことば

作品「形跡」について 2015.11/24 記

2015-11-24 | さくひん
今 立っているところを確かめるように旅をする

きっと続きは動かないと見えない。


「形跡」2014


「形跡」という作品は
その鉄がどんな記憶を持っているかを探る自分との対話の作。
火を一切使わず、体とハンマーで叩きつづける。
共鳴と振動を感じられる時間は1日に数時間。
自分の鼓動も早まり、叩いた鉄は摩擦でほんの少し暖かくなる。


「形跡」2015

最終形がどうなるかを想定はしていない。
ただ、語りつくすのみ。
ただ一つ心にとめておくのは、自分の皮膚の裏表を意識し、鉄が叩いた時、伸ばした時の粒子の動きを見ること。

地下どのくらいにいた、鉱物なのか、どこのいのちの記憶を持っているか。対話する。
地層をみるように、生きてきた場所をみるように。
悲しい殺戮があったかもしれない、新しい喜びを持って生まれてきたかもしれない・・・。

きっと、いろんな命の記憶を循環してもっている。

ただ、そこに漂いいたものもある。

私たちはたまたま今、「人」といういきものに生まれているだけ。

同じような記憶を持つ人のもとに行くのだと思う。その人と出会うまで、「形跡」の旅は続く。


「樹」になりたい

そう思って生きる

地に廻る生命になっていたい


体が叫ぶから そうする

なぜこれほど鉄の粒子と血を交えたいのか 


ひとからどんどん離れていってる感

もっとも、幼いころに戻って行ってる感

沢山の「形跡」との対話をまた続けていきます。
今の世界と対話する私の方法。

また新しい鑑賞の法も考えています。

(日本の鉄は鉄鉱石を、中国・オーストラリア・ブラジルなどからの輸入に頼っておりその後、製鉄所で精錬され市場に出回っています。)
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