
『母なる証明』:公式サイト
豆腐
韓国では刑務所から出所したら豆腐を食べる習慣がある。
“真っ白い新たな心でやり直す”
という意味合いらしいです。
トジュン〔ウォンビン〕は殺人容疑で拘置所に留置されていたものの
刑務所で刑に服してはいなかったと思うんだけど
それでも釈放されたら豆腐を食べるのね。
トジュンは5歳の時に母に農薬を飲まされて頭が弱くなったのか?
それとも、それ以前からそうだったので母が悲観してトジュンに農薬を飲ませたのか?
その辺がよくわからなかったな・・・。
トジュン役:ウォンビンは顔と首をベージュ系のドウランで塗っていたのかしらね?
(囚人服の襟元から少し見えた胸元は白くて色の境目がクッキリついていたし・・・)
以前、某韓国ドラマで頭の弱いお姉さん役を演じた女優さんが
濃いベージュのファンデーションを顔から首まで塗っていて
違和感を覚えた事を思い出してしまいました・・・。
韓国映画・韓国ドラマでは愚直=ベージュという固定概念があるのかしら?
ウォンビンは端正な顔立ちだからか
ベージュドウラン?や殴られメイクで顔の印象を崩す事で、
演技を助けられていたような気もしてしまいました・・・。
(↑ファンの方、ごめんなさいね。m(_ _)m )
でも、ウォンビンが瞬きしていたのは
5歳の時の記憶を母に話す場面に1回だけだったと思うので
彼の集中力は凄いなと感心しましたよ。
トジュンの友人ジンテ役:チン・グは存在感ありましたね。
自分を疑ったトジュンの母〔キム・ヘジャ〕に慰謝料を請求するしたたかさがありながらも
トジュンの母に真犯人捜しのアドバイスをする・・・。
善悪つかない雰囲気のジンテにはゾクッとさせられ鳥肌が立ちましたよ。
ジンテが男の顔を蹴り上げる行動も狂気に満ちた空気が漂っていました。
チン・グは良い意味で演技に冴えが出てきている感じ。
今後、作品や役柄に恵まれれば『チェイサー - goo 映画』のハ・ジョンウのように大成するかも?
『チェイサー』... ※ネタバレ有
トジュンの母は独りよがりすぎるような・・・。
知的障害者を描いた海外映画を観ていていつも思うんですけど、
海外には日本のように障害者の親達が意見交換し合い交流する会合(親の会)はないのかしらね?
まぁ、トジュンの母は息子の障害の度合いをキチンと判定してもらってもいなかったんだろうけど・・・。
トジュンの母は本当に息子を大切に思っているのならば
目撃者の言う事をあっさり信じず、もっと冷静に真実を見極めようと努力するはず。
私はトジュンの母に子供を思う愛情を全く感じなかったんですよね・・・。
トジュンの母は息子を守る為というよりも息子と一心同体だと勝手に思い込んでいるだけから
結局は自分の中の偶像を守りたい為なのかもしれない・・・。
でも、子供は親を客観的に見ているものだし、親が隠していたい秘密も見抜いていたりする・・・。
そういう子供の本質は鋭く描いているようにも感じましたよ。
映画としての構成・演技は卓越した出来ではあったけど、
私的に観て、障害者や親の描き方に関しては馴染めない部分があった
というのが正直な感想です・・・。
≪『母なる証明』映画賞受賞記事≫ ※11/ 9(月)更に追記
ジンテ役のチン・グが大鐘賞(韓国のアカデミー賞)で助演男優賞を受賞されました。
チン・グ-キム・ヨンエ、大鐘賞男女助演賞受賞 〔innolifeニュースムービー:09.11.07〕
素のチン・グは笑顔が魅力的な青年ですね♪
おめでとうございます。(*^-^*
トジュンの母役のキム・ヘジャも国内外の数多くの主演女優賞を受賞されていますね。
キム・ヘジャ、中国の映画祭で女優主演賞獲得 〔聯合ニュース:09.11.06〕
おめでとうございます。(*^-^*
息子と一心同体に思ってしまうこと自体もうす
でに異常なんだと思うのです。誰しもがそうなりうるかもしれない、そんな狂気を内包しているのが母の愛情なのかもと思ったりします。もちろん、そうならない人が殆どなのが現実なんですけどね。というか世の母親がみんなあれじゃ困りますから。
まあ、それでも監督の描きたかったことに馴染めないことは普通にありますよね。
トラックバック&コメントありがとうございました。(*^-^*
障害者の親(特に母親)というのは
子を健常に産んであげる事が出来なかったという思いがあるから
その子を不憫に思う気持ちが人一倍あると私は感じるんです。
そういった気持ちが大きくなりすぎて過剰な行動に走る母親もいるんだろうけど
母親がモラルを見失ってしまったら
それは子供への“愛情”ではなく、
“同情”だと私は思うんですよね・・・。
忘れていいのだろうか。
もしかしたら、トジュンがまた何処かで不意に思い出すことも・・・。
考えさせられる映画でした。
にしても韓国の地方の町並みはあんなに起伏の激しいところなんでしょうかね^^;
まるで『チェイサー』と同じ場所でロケしたのかと思いましたよ。
>子供は親を客観的に見ているものだし、親が隠していたい秘密も見抜いていたりする・・・。
>そういう子供の本質は鋭く描いているようにも感じましたよ。
この視点から、母の愚かさを描いているんだと思います。
善悪を超えたものを、何と表現すればよいのか・・・
この母が極端なケースだと思えない、本能の部分を突いてくる恐ろしさがありました。
ところで、被害者の少女が「殺人の追憶」のラストで「普通の顔」と証言した少女に似ている気がしました。多分違うでしょうけど(苦笑)。
ウォンビンのドーランには気がつきませんでした。そういえば肌の質感が不自然だったかな。
それにしても、「殺人の追憶」「グエムル」に続いて、またも少女が犠牲になっていますね。
思えば「ほえる犬は噛まない」で愛玩犬を放り投げていましたし、
馴染めないといえば、こちらの方が気になるかなあ。
これからの活躍を期待される、それが監督の使い方にも現れていると思いました。
いろんな計算がなされた作品ですから、
先に書いた犠牲者の件も、障害者の描き方も、
観客の反応は監督には折り込み済みなんだろう、という気もしています。
いつもBCさんの記事は奥が深くて参考にさせて頂いております!
これからも、楽しい記事期待します。
>障害者や親の描き方に関しては馴染めない部分があった
そっかー そうですね。
手放しで、「すばらしい作品だったー」って叫べないところはこの感じがあったからなんだって、自分なりにスッキリしました。言い当ててくださってありがとうございます って気持ちです。^^/
それから、チングですが、私が始めて見たのはドラマ『オールイン』のビョンホンの少年時代役でした。男気のある顔立ちでこれから絶対活躍するなーって思っていたのですが、どういうわけかその後はイマイチぱっとしませんでした。最近の「スポットライト」にも準主役級で出演してましたが、彼のいいところが発揮できていなかった印象。
今回の作品の彼は、凄く良かったですね。彼自体ミステリーになってたし。
これからの活躍を期待してます!
トラックバック&コメントありがとうございました。(*^-^*
>あれで本当に忘れることができるのだろうか。
忘れていいのだろうか。
忘れようとしても完全に忘れる事は出来ないような気もしますね。
もしかしたら、トジュンが思いだす記憶によっては
もっと衝撃的な事が起こるかもしれないですし・・・。
『コネクテッド』の香港の町並みも起伏が凄かったけど、
韓国の町並みも結構起伏がありますよね~。
インパクトが必要なアクション映画やスリラー映画には最適なのかもしれないですね。^^
コメントありがとうございました。(*^-^*
母親の本能的な部分を描いてはいるんだろうけど、
役名をつけずに“母”という定義では
こういう息子を持った母親は皆ああいうものだと誤解を招く恐れがあるんですよね・・・。
トジュンの母のように狂ってしまう母親もいるんだろうけど、
そういう母親ばかりではないですから。
子を思うあまり周囲が見えなくなっても
肝心なところでは冷静に踏みとどまろうとするのが“本物の愛情”だと私は思うんです。
私はトジュンの母親に“本物の愛情”は感じとれなかったです・・・。
>ところで、被害者の少女が「殺人の追憶」のラストで「普通の顔」と証言した少女に似ている気がしました。多分違うでしょうけど(苦笑)。
『殺人の追憶』を再観する機会があればチェックしてみますね。^^
ウォンビンは白い餅肌のイメージだったので
妙にベージュがかった肌だったのが気になってしまいました。
最初は日に焼いたのかとも思ったんですけど、
日焼けが必要な役でもないし、
よく観たらドーランのように感じました。
確かに、この監督は少女や犬を傷めつける演出が多いですね・・・。
コメントありがとうございました。(*^-^*
最初のうちはチン・グの肉体美?に違和感を覚えたんですけど、
観ていくうちにそういった細かな部分が気にならなくなっていました。
チン・グが演じたジンテ役はキーパーソンとまではいかなくても、
重要なエッセンスだと私は思うんですよね。
善人的か悪人的かどちらかに偏ってわかりやすく演じたら
サスペンスとしてはチープになってしまう。
善悪つかない雰囲気で演じてこそサスペンスとしての不気味さを出せる。
チン・グは監督が描いているディテールをを的確に捉えて演じているように感じました。
華のあるタイプではないのでスター性には欠けるかもしれないけど
性格俳優としては充分通用しそうな将来性を感じましたよ。
>いろんな計算がなされた作品ですから、
先に書いた犠牲者の件も、障害者の描き方も、
観客の反応は監督には折り込み済みなんだろう、という気もしています。
だとしたら、ある意味悪趣味な描き方という気もしてしまいました・・・。
犠牲者や障害者、その家族への配慮が感じられないですから・・・。
映画としての出来が良くても
誠意が感じられない作風は私は馴染めないんですよね・・・。
トラックバック&コメントありがとうございます。(*^-^*
映画としての出来は良かったけど、
障害者や親の描き方に関してはしっくりこなかったですね・・・。
チン・グは数々の映画やドラマで拝見してはいました。
精悍な顔立ちのわりには演技はあまり印象に残らない感じでしたが、
この作品では存在感抜群でしたね。
この監督の演出との相性が合ったのでしょうね。