~青いそよ風が吹く街角~

映画(主にミニシアター映画)の感想文を軸にマイペースで綴っていきます。

∞『ラッシュ/プライドと友情』(日本語吹替版)∞ ※ネタバレ有

2014-02-01 22:51:53 | ≪KD≫


  『ラッシュ/プライドと友情』:公式サイト

羨んだ男

ロン・ハワード監督が1976年のF1世界選手権を舞台に、
2人のF1ドライバーのジェームス・ハント〔クリス・ヘムズワース(声:堂本光一)〕と
ニキ・ラウダ〔ダニエル・ブリュール(声:堂本剛)〕のレースと絆を描く。

物語の感想は1月に試写会で観た字幕版の感想に書きました。

 ∞『ラッシュ/プライドと友情』(字幕版)∞ ※ネタバレ有

なので、こちらの記事では物語の感想は省略して、声優堂本光一、声優堂本剛の感想を主に書きますね。

字幕版は字幕を追う事にも集中力をつかうけど、吹替版はそれがないので、
字幕版を観た後に吹替版を観ると新たに気づく事もある。
字幕版ではジェームス・ハント役の俳優さんはにやけているだけにしか見えなかったけど、
ハントが奥さんと上手くいかなくなってやけになって
他の女を抱く場面の野獣のような目つきは怖いぐらいで凄かったな。
それと、字幕版ではラストにラウダがハントとの友情について語るナレーションの中で
「嫉妬した」と字幕が出ていた記憶があるんだけど、
吹替版では「羨んだ」と言っていて、
字幕版と吹替版では言葉のアレンジを変えているんだなと感じたし。

正直な気持ちを言えば、長年のKinKi Kidsファンだからこそ不安はあった。
光ちゃん(堂本光一)は舞台調演技にならないかとか、
剛くん(堂本剛)は子役調演技になりすぎないかとか・・・。
演技のカラーは違うけど、二人共、良く言えば演技が古風と言うか、
悪く言えば演技がクサくなってしまう時があるのでね。
コアなファンの方、すいません。m(_ _)m)

光ちゃんは元々、鼻にかかった声質なので
前半、語頭が少し聞き取りにくい箇所はあったけど、
ハントがレース展開をイメージトレーニングして専門用語を早口で語る場面は
F1好きでA級ライセンスも持っている彼はサラッと言いこなしていて流石でしたね。
後半、怪我から復帰したラウダと対面して動揺し、
自分に非を感じてラウダに謝る時のナイーヴな語り口は

本家の俳優さんよりも感情がこもっていて、私はウルッときたよ。
少年の頃は繊細な役を演じる事が多かった光ちゃんならではだと感じたな。
声で役に深みを与える事が出来ていたと思う。

剛くんは声優が初めてだったので、硬さはあったな・・・。
ラウダが結婚したばかりの奥さんといちゃいちゃしていて、
追いかけっこする場面の「コラッ。」は棒読みだったし。。。
この場面はくだけた口調にしたほうが自然な感じはしたけど、
シャイな剛くんにとっては難しかったのかな?
だけど、ラウダは真面目なキャラとして描かれていたので、口調が硬いほうがリアルかもしれないね。
剛くんは滑舌が良いので、言葉は聞き取りやすかった。
「アホ」とつぶやく台詞を「あほぉ」とゆっくり発音する事で、冷たくはならなかったし、
それと同時にラウダに訛りがある事を日本語吹替でも見事に表現できていたと思う。
落ち着いているけど体温を感じる彼ならではのナレーションは独特の味があって
ドラマ『若葉のころ』を思い出しましたよ。

光ちゃん・剛くんの吹替は思ったよりも安定感があって安心して観られて良かった。
エンドロール終わった後に流れた映像も
映画のダイジェスト映像+KinKiが歌うイメージソング『Glorious Days~ただ道を探してる』
が流れるシンプルな作り。
KinKiの2人の姿は全く映らなかったのも声優に徹した彼らのポリシーが感じとれた。
才能に恵まれ、シングル1位のギネス記録を更新し続けているスターでも姿勢は謙虚。
芸能人としてはおとなしいと言うか、押しが弱い気もするけど、
彼らのそういう素朴さが私は好きなんだよね。

彼らが歌うイメージソング『Glorious Days~ただ道を探してる』はミディアム調の曲。
ファルセット(裏声)で優しく包み込むような二人の歌声が
映画のダイジェストの名場面にもマッチして、余韻が残る作りなの。
私が観たシネコンは客入り良くなかったけど、
その映像の終わりまで席を立つ人は少なくて、じっと観入っている感じでした。

アイドルが声優したからと言って色眼鏡で偏見を持つのではなくて、
声優として評価する観客が増えると良いなと心から願います。


P.S.光一ファンとして思う事。
舞台がライフワークになり、加齢もあってか発声が以前よりかは太くはなってきたけど、
儚げな少年の感性は今でも保っている。
そういう彼独特の感性に気づいて育てられるプロデューサーか演出家、もしくは脚本家がいれば
彼は事務所製作舞台以外の映画やドラマでも活躍出来たはずだと思う。
それが勿体ないですね・・・。

今回の声優では舞台癖はさほど目立っていなかったので、
今の彼ならドラマに復帰しても通用しそうな気もするんだけどな。
舞台やっていると舞台稽古もあるので
撮影期間3ヶ月以上かかるが連続ドラマは厳しいかもしれないけど、
舞台のない期間に撮れそうな撮影期間の短い映像作品(オブニバスドラマ・単発ドラマ、映画など)でも良いから
映像で演技する堂本光一も観たいです。


2 コメント

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こんばんは~☆ (kira)
2014-02-08 22:37:21
流石、吹替え版で、
しかもこんなに丁寧な感想記事、ありがとうございます♪

光ちゃんに関しては全くと言っていいほど心配はしていなかったんですよ~。F1好き込で♪
ただ、どちらかというとまったりな喋りの剛くんが、あのニキだなんて、、と心配してたんですよぉ

私はこの作品、意外と心に残らなかったので、もう
2度目はいいかな・・・と思っていましたが、
>自分に非を感じてラウダに謝る時のナイーヴな語り口は
>本家の俳優さんよりも感情がこもっていて、私はウルッときたよ。
!!やっぱり行ってきますね、二人の声を聴きに
返信する
二人の声。 (BC)
2014-02-09 20:28:35
kiraさん、こんばんは。

>しかもこんなに丁寧な感想記事、ありがとうございます♪

文章長くなってしまったので、少し削ろうかと思ったけど、
時間がなかったのでそのままUPしただけなんですよ。。。
なので、誉めて頂けると嬉しいです、ありがとうございます。

私も内容的には面白くもなくつまらなくもなく普通な感じでした。
ただ、吹替版は自分の感想や世間の評判に左右されず、
KinKiファンとしては観ておこうと心に決めていました。
ダニエル・ブリュールも好きな俳優さんなので字幕版もスルーは出来ず、
吹替版・字幕版両方試写会に応募して字幕版のみ当たったの。
吹替版は近場のシネコンで上映していたので観てきました。

光ちゃんも剛くんも、本家の俳優さん達のイメージを意識するのではなくて、
ニキ・ラウダとジェームス・ハントのキャラクターに合わせて、
自分達ならではのアプローチで声の演技をしていたのが良かったですよ。

光ちゃんと剛くんの姿は全く映らないけど、
二人の声を味わいたいならば吹替版はオススメですよ。
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