~青いそよ風が吹く街角~

映画(主にミニシアター映画)の感想文を軸にマイペースで綴っていきます。

●『22年目の告白 ―私が殺人犯です―』● ※ネタバレ少々

2017-06-11 21:20:05 | 〔RR〕


  『22年目の告白 ―私が殺人犯です―』:公式サイト

カエル

2012年の韓国映画『殺人の告白』を原作にしたリメイク作。
未解決のまま時効となった連続殺人事件の犯人が22年後に突然名乗り出て
告白本を出版しメディアに登場したことから、
被害者遺族や担当刑事、マスコミを巻き込んで騒動を引き起こす過程を描く。

 『殺人の告白』 ※ネタバレ有

冒頭、22年間の時代の変化を前面に出しつつも回顧の念を押し付けるのではなく、
ロングショットの疾走感で突っ切り、
会見場面のマッピング映像でたたみかけるようなカット割りにガッツリ心はつかまれた。
ただ、その分中盤のテレビ番組の場面やクライマックスの修羅場は冗長に感じてしまったな。。。

『殺人の告白』の被害者遺族達が一丸となって犯人と名乗る男への嫌がらせや刑事が真犯人を・・・。
韓流ならではの泥臭いエッセンスは極力排除しているので、日本向きに観やすい内容にはなってはいました。
ただ、『殺人の告白』のカーチェイスはインパクトあったし、
家では母親にうだつが上がらない刑事の日常に親近感を覚えたりもしていたので
その辺が『22年目の告白』では描かれなかったのは物足りなかったな・・・。
『22年目の告白』のほうがスタイリッシュではあるんだけど、
刑事のキャラクターにあまり愛着がもてなかったんだよね。

唯一、キャラで印象的だったのは被害者遺族の一人である若い女性:美晴〔夏帆〕が
ぬいぐるみをぎゅっと抱え込んで例のテレビ番組を見ていた姿なの。
過去への憤りを抱えながら生きてきて、とんでもない行動にも出たけど、本来は不安げな普通の女性なんだなと。

藤原竜也は一瞬の目の変化で立場が切り替わるサマを表していて流石だなと。

野村周平は出番少なかったし、関西弁は微妙だったけど、情に厚く真っ直ぐな演技が印象深かった。
神戸ご出身らしいので、役に思い入れがあったのかな。
今までは作品に恵まれているわりには演技がパッとしない感じだった。
ファンの方、すいません。m(_ _)m )
だけど、この作品で初めて良いと思ったよ。
(ただ、『ミュージアム』と同じシチュエーションなのはチョット。。。)

早乙女太一も出番わずかだったけど、個性と迫力がずば抜けていたな。

竜星涼は明らかに眉毛はやりすぎた感はあるし、もう少し野太く声出しても良かった気もするけど、
枯らし気味の発声で走る威勢の良い若手刑事役を思うがままに演じていた印象。
単なる端役かと思いきや、後半のさりげない発言が真相にたどり着くキッカケとなる役割だったので、
彼がこの役を熱望したのは少しわかる気もしましたよ。
(最近の作品ではNHK連続テレビ小説『ひよっこ』もそうだけど、
彼が演じる役の発言または行動によって物語が次なる局面を迎えていく
“何気にキーパーソンな役割”が多いですよね。)

牧村〔伊藤英明〕は例のテレビ番組で明かした“とある罠”を
警察は勿論、周囲には秘密にしていただろうから、
直属の部下である春日部〔竜星涼〕もその事は知らなかったはずなので、
春日部は上司に裏切られた気持ちにはならなかったのだろうか?
何事もなかったかのように話しているのは違和感でした。
(例えば、「なんで自分には打ち明けてくれなかったのか?」
春日部が牧村に問いただす場面があればしっくりきたんだけど、
まぁ、役が小さいからそこまで描かれないのは仕方ないのだろうけどね。。。)

お隣の国とは言え、法律も文化・風習も違うので、
日本に置き換えて説得力もたせるのは大変だったんだろうなとは思う。
ただ、それにこだわりすぎた為、味気がなくなってしまった気がするんだよね。
シリアスな中にもクスッと笑えるようなシニカルさもあればなと思ったり。
リメイク映画としては合格点ではあるんだけど、怒涛の展開よりも、
人間味を添えてほしかった気もした作品でした。


2 コメント

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仲村トオル~ (cyaz)
2017-06-15 12:47:03
BCさん、おひさしぶりです(汗)

先日僕もこの映画観ました(アップはまだ笑)!
『殺人の告白』は未見ですが、
仲村トオルの重厚感のないキャスター役で
なんとなく真犯人がわかったような・・・。
途中でも伏線の引き方が雑だったりして(笑)
藤原君の語りだけで姿を見せずに展開させた方が臨場感があったかも^^
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『殺人の告白』と『22年目の告白』。 (BC)
2017-06-17 23:20:43
cyazさん、お久しぶりです。

粗は多々あるのは『殺人の告白』にも言えるのですが、
真犯人は『殺人の告白』とは異なっていました。
『22年目の告白』は若手以外は有名な人を揃えたので、見せ場を作ろうとするとそうなってしまうのでしょうね。
(でもあれではちょっと二時間ドラマぽかったですよね。。。)
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