私に言ってはいけないこと。
お義父さんが言ってしまいました。
それはこのこと。
「そら×しんちゃんさぁ
うちの裏に死にそうな猫がいるだよ。
エサやっても食べねぇし
ありゃもうダメだな。
うちの敷地内で死んじゃ やあだで
どっかへ置いてくるわ。
死んだら俺が捨ててくるで。」
お義父さんは古い人間なので
そんな言い方になってしまうのです。
すぐに猫のもとへ行って
ミルクをあげてみたけど飲まず
水をあげたら数口飲みました。
お義父さんから聞いていたより
元気な様子だったので
いつもお世話になっている動物病院へ
叱られるのを覚悟で連れて行こうと思いましたが
日曜日は午前で終わり…。
「明日までもたねぇぞ。
病院連れてったって高い金取られるぞ。」
と言いながらも思わず
「すごそこの病院はやってねぇかや?」
とアドバイス(笑)
あ!そうですね!
そこがありますね!
ということで診療時間を調べましたが
そこも午前で終わり…。
明日の朝だ。
明日の朝一番に、連れて行ってあげるからね!
この子、人が近づくと
ゴロゴロとのどを鳴らします。
話しかければお返事もします。
ひどく痩せていて、
皮膚病がありそうです。
顔は猫風邪のような汚さはないです。
どうしたのかな?
猫エイズかなぁ。
お義父さん、私に言ってしまって
とっても後悔していると思います。
困ったなぁ感が伝わってきました(笑)
困らせてすみません。
でも知ってしまったら放っておけません。
ゴメンナサイ。
お義母さんにも
「そら×しんちゃん、見ちゃったらダメでしょ。
放っておけないもんね。」
と言われました。
ハイ、その通りです、ゴメンナサイ。
病院に連れて行って治療してもらいながら
地元紙に「保護しています」を載せてもらう。
元気になって飼い主さんの元に戻れるか
飼い主さんがいなければ里親募集だ!
そんな算段でした。
そして次の日の朝、猫ちゃんの様子を見に行くと
お星さまになっていました。
保護してよかったのかな…。
自分で死に場所を決めたかったんじゃないだろうか…。
よろよろとした足取りで、どこかに行こうとした猫ちゃんを
私は何度も引き留めた。
飼い主さんがいたとしたら、飼い主さんのそばで
最期を迎えたかったかも知れない…。
でも猫は、最期の姿を人に見られないようにするというから
飼い主さんの元には戻らなかったかな。
外を自由に満喫していたであろうこの子。
なのに、見ず知らずの人の家で
狭いケージに入れられて最期を迎えたことが
この子にとって良いことだったのかと思うと
そうとも思えない。
そっとしておいてあげることが
最善の方法だったのかも。
切ない。
再会するために…