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     奥友志津子 フリースケッチ Ⅰ

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湯田伸子さんを悼む

2016-03-15 17:47:15 | ブログ

湯田さんが亡くなったらしいんだけど 何か知ってる?と東京の知人から電話が入ったのが
先月末のことでした。

私の中で湯田さんと死は 全然結びつかなくて「なんかの間違い、デマじゃない?」というのが
最初に出てきた思いでした。

その知人Tさんも友人から聞いた噂で、ソースはネットらしいよ、というので電話を切って
すぐにネット検索したところ、姪御さんのツイッターが出てきました。

そこで湯田さんは本当に亡くなったのだ…信じられないけれど本当なのだ、と理解したのです。

しばらく呆然としていました。

 

私が東京に住んでいたころだから、ずいぶん昔の話になるのだけれど、湯田さんとは親しく
お付き合いのある期間があったのです。
もともと湯田さんと伊東愛子さんがお友達で、伊東さんから紹介されたのだったと覚えています。

それから私が田舎にひっこむまでの数年間、佐藤史生さんのところでお茶をしたり、春にはみんなで
花見に出かけたりのお付き合いでした。

佐藤さんも湯田さんも私も SF好きで本読みで 話がつきることなく延々のマニアックなおしゃべりが
楽しかったなあ。

実は16年前、私が東京から岩手の田舎にひっこむときに、その引っ越しの手伝いを頼んだのが
佐藤史生さんと湯田伸子さんでした。

私からすると お二人とも丈夫で元気で安定感のある人で、他の人たちがいなくなっても 絶対この
人たちは長生きするよな・・・と 信じていたようです。
私が残って その二人がこんなに早く旅立つなんて思ってもいなかった。

湯田さんは本当にユニークで面白い人でした。

彼女の面白さは、自分で面白いことを言おうとか 面白いことをしてみんなに受けようとか
そういった思惑が全然なくて、彼女が普通に言ったりやったりすることが 意外でユニークで
なんか印象深く笑えてしまう。
そんな風な人でした。

8年前のことです、私はdenshinbashiraさんの「遺言」というブログを偶然見つけ 面白くひきつけられて
夢中で読んでいました。
そんな中で自分の小さかったころを思い出し、幼稚園のころの自分ってこうだったよなぁと
絵を描いたのです。
それがこの絵です。

       

我ながら、こりゃおもしろいと思い そうだ湯田さんに見せてやれ、と
湯田さんにメール添付で送ってみました。

奥友: 自画像描いてみた。幼稚園のころこんな感じでいました。(心的にね)

それに対する湯田さんの返事がこれでした。

湯田:  しぇぇかわいくねぇ~(^_^;)
     絵は素敵だけど。
     私も学校に上がる前子供なりにいろいろ苦労していたのを思いだしました。
     小学校の入学式の時に、苦労が実って人間的に立派になったとしみじみ思った。錯覚だったけど 笑

 

それから、私が家がぼろくて冬になると廊下の猫の飲み水が凍るのだ!と自慢すると
彼女が高校生で受験勉強で夜更かししていたときのエピソードを話してくれたことがありました。
当時こたつにはまって勉強していたら、室温が零下まで下がっていたらしく 目の前で
コップのコーラがみるみる凍りついたというのを目撃したそうな。
そんな経験さすがに私もないぞ。

 

一時期とても親しく仲良くしていたのですが、ここ数年は私が自分のことにかまけていて
あまり人付き合いに丁寧じゃなくなっていたことや
湯田さんは湯田さんでお仕事に出ていて 時間や気持ちに余裕がない様子でもあり

お付き合いも間遠いものになっていました。

そんな中での 彼女の訃報は、突然すぎてショックが大きくいろいろな思いや感情がめぐっています。

彼女はいつも変わらずそこにいて、電話をすればいつでも楽しく話せるはずの人だったのです。

作品数は多くありませんでしたが、その作品は湯田さんならではのテイストのある個性的なものでした。
彼女の内に広がっていた独特の世界がそこに顕れていると感じます。

そしてたとえこうしてネットでもいいから、媒体はなんでもいいから 
マンガなり、文章なりを描いて書いて、もっと私やみんなを楽しませてくれなくちゃいけない人だったのに・・・。
なんでこんなに早く、行ってしまうのよ。
湯田さん、急ぎすぎだよ。

残念で仕方ありません。

でも、湯田さん、どうぞ安らかに。

心よりご冥福をお祈りいたします。

 


お知らせ ぺこ <(_ _)>

2014-09-22 13:42:56 | ブログ

 

え~、作品途中でさぼっているのに、お知らせ先行で申し訳ありません。

ぺこ

このたび ゲームオーバー」と「ドリーマー」シリーズがネット配信されることになりました。
まあ、地味な作品だしどれだけの人が読んでくれるのかわからないのだけれど、お知らせはしておきますね。

スマホ・タブレット専用で『まんが王国』というところからの配信です。

私の作品に興味があってまだ読んでいらっしゃらない方、昔読んだことがあるけれど、コミックスが手元にない、もう一度読んでみたいぞ、なんて思う奇特な方がいらしたら アクセスしてみてください。

で、ここでちょいと告白。

ドリーマーのシリーズのヒロインであった フィルですが、実は彼女 私の阿修羅王だったのです。

あの、光瀬さんの「百億の昼と千億の夜」に出てきた阿修羅王。
私 10代後半から20代にかけて 本当に光瀬さんの世界観にひたっていて
孤高の中で出口のない戦いの中を生き抜くしかない存在の阿修羅王に強く惹かれてもいました。

 

で、彼女が種となって芽が出て、フィルというキャラが生まれてきたというわけです。

 

当時、私も出口のない『自分の生』という世界で もがき戦っていたのだと思います。
あの頃はわかっていませんでしたが
その戦う相手は 自分自身、自分の暗闇、自分の影でした。

つい最近まで 延々その 戦いを続けていたんですよ。(爆)
ほぼ 負け戦を覚悟していました。

 

今も あれやこれや 障害にぶつかってはこけたり 泥にまみれたり 憤慨したりしていますが、昔と違うのは どちらの方向に進めばいいのか その道筋がわかってきたことかなあ。

人生は 何が起きるかわからない。

そういったことも 作品にしておかなくちゃね。

少しさぼっていましたが、これからまた マンガ再開します。
よろしくです。