NPO法人 安心運転支援センター

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ナルセペダル注目 ブレーキ、アクセル踏み違いなし (西日本新聞記事)

2009年10月23日 11時27分54秒 | 日記
ナルセペダル注目 ブレーキ、アクセル踏み違いなし 熊本県生まれ 91年特許申請 高齢者向けPR
2009年9月14日 09:18 カテゴリー:経済 九州 > 熊本

ナルセペダルは本体がブレーキペダルで、右側の白いアクセルバーを左右に振って速度を調整する 年間に6千件発生し負傷者1万人を出す、車のブレーキとアクセルのペダルの踏み間違い事故。これを防止しようと、熊本県玉名市の産業機材メーカー社長、鳴瀬益幸さん(73)がアクセルとブレーキを一体化させ開発したのが「ナルセペダル」だ。日本など7カ国で特許を取得したが、認知度不足もあり、これまでの利用者は約200人。それが最近、高齢者や障害者も運転しやすい車の開発が社会的な課題となり、普及を支援する市民団体ができるなど注目を集めている。

■NPO法人も応援

 鳴瀬さんは約20年前、オートマチック車のアクセルをブレーキと間違って踏み続け、車は暴走。幸い事故は免れたが「とっさのときに人は足を突っ張る。アクセルとブレーキが同じ動きなのは危ない」と実感、安全なペダルの開発に乗り出した。

 1991年に試作品ができ、特許を申請。大型のブレーキペダルにアクセルバーを取り付けた。ペダルに足を乗せ、右側のアクセルバーを左右に振り速度を調整、ブレーキは通常通り踏む。アクセルとブレーキの作動方向が違うため、間違いが起きないという。

 それを確認しようと、記者も試乗した。かかとを支点にアクセルバーを動かす。足裏が当たる部分にローラーがあり動きはスムーズ。初運転も違和感はなかった。

 また、アクセル操作中でもブレーキを踏めば自動的に解除される。踏み替えの時間が不要で、危険の察知からストップまでの距離が短くなる。

 九州産業大の松永勝也教授(認知科学)の実験では、一般市民7人の平均で通常のペダルより1・6メートル手前で停車した。教授は「事前に内容を知っている実験で、この数値。実際の走行ならもっと早く止まれるはず」。

 ナルセペダルを3年前から使う九州看護福祉大の西島衛治教授(福祉工学)は「運転しやすく安全なのに、普及しないのはおかしい」と、今年7月、応援団として特定非営利活動法人(NPO法人)「安心運転支援センター」を発足。シンポジウム開催や自動車メーカーへ採用の働きかけなどを開始した。高齢者が運転しやすい自動車の開発に向けて5月、35道府県の知事連合が発足。2010年度中のコンセプトカー提案を目指しており、ここにも西島教授はナルセペダルをPRする予定だ。

 これまで個人で普及に取り組んできた鳴瀬さんは「専門家の応援団は心強い。今も暴走した時の夢を見る。大事故を起こした人は一生苦しむ。そんな思いが少しでも減らせれば」と語る。

 財団法人交通事故総合分析センターによると、ペダル間違い事故はこの10年、年間発生6千件、死者30人、負傷者1万人前後で推移している。

 ナルセペダルの価格は取り付け費を含め10万円前後。問い合わせはナルセ機材=0968(72)5211。

=2009/09/14付 西日本新聞朝刊=


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