paradise city <takuya fukushima>

天国なんか、どこにもないぜ

イタリア優勝で閉幕!

2006-07-10 | 【雑文】
終わったばかりのワールドカップ大特集だ。長いから気合入れて読んでくれ!

■イタリア優勝!
毎回だけど、いろんなドラマがある中で、最後まで勝ち残ったイタリアおめでとう!以下書くことは批判的になるけど、でもそれよりも大事なのは優勝したということ。素晴らしい。
イタリアもフランスもどっちも特別好きな国ではないし、逆に両方に好きな選手はいるからどうしようかなと思って見てたんだけど、やっぱりジダンのラストダンスを応援しながら見てた。ただ、それがああいう結果になってしまうとは。まあもともとジダンは美しいプレーの裏でやる時はやる汚い選手ではあるんだが(マルセイユ出身だしね、ってそれは偏見)、それにしても最後の最後で頭突きとは。でもそれも歴史か。
とにかくお疲れ様。そして他の選手たちも。もちろん優勝したアズーリも!

■総括
サッカーファンとしては今後のサッカーがどういう方向に行くのか、というのにも興味があるので、その意味ではイタリア優勝はちょっと複雑。
というのもイタリアのサッカーはつまらないからだ。
リッピ就任後はカテナチオだけじゃないアズーリってのが合言葉だった気がするんだが、蓋を開けてみたら本大会では勝ち進むにしたがってガチガチのカウンターサッカーに終始していた。ビエリとトッティだけで攻めてた以前のチームとほぼ同じ。

カウンターサッカーが悪いわけじゃない。たとえばユーロを制したギリシャのガチ守りサッカーというのがあるが、あれは批判すべきじゃないと思う。それは、明らかに弱いチームがどうやって強いチームを倒すか、という一点で実行した戦術だから。今のJ2で水戸がやってるらしいね。同じ意味で、正しいと思う。

でも、イタリアは弱いチームじゃない。だからこそ、世界のサッカーを牽引するようなプレーが見たかった。とんでもない反応でゴールを守るブッフォンや、その前で美しすぎる守備を見せるカンナバーロや、どんな相手にも嫌がられるガットゥーゾが悪いわけじゃない。これは監督のリッピの問題だと思う。カモラネージとデルピエロをただのカウンター要員にしてしまう戦術は、サッカー本来の魅力であるファンタジックさを失わせる。もしピルロが途中で怪我でもしてたら、本当につまらないチームに成り下がっていただろう。

そもそもイタリアサッカーは守備的という見方もあるが、セリエを見ればそれは偏見だとすぐわかる。たとえばミランやユベントスのサッカーは、全然守備的じゃない。タイプは違うが魅力ある攻撃サッカーを展開している。少なくとも、代表チームよりは。

ワールドカップだから結果がすべて、という考え方もあるだろうが、優勝チームにはやはり、今後のサッカーの進化につながる戦い方を見せて欲しかった。

その意味で、今回ではドイツとポルトガルが面白いサッカーをしていた。ドイツは伝統の堅守速攻というイメージから、むしろ中盤をいかに作るかというサッカーに変貌(ていうか守備陣は微妙だったけど)。いろいろ言われてたがクリンスマンは本当にいい仕事をしたと思う。
ポルトガルはサイドアタックを基本としながらも、緩急自在で中央突破もミドルもある最も魅力的な=常に驚きを感じられるサッカー。フェリペが作った2002年のブラジルによく似ている。
この2チームは主力が若いこともあり、次回大会でもかなりの注目国になると思う。

あと、今大会の特徴でよく言われてるミドルシュートの重要性だけど、俺としてはミドルというより無回転シュートの多さに驚いた。プレースキックで無回転を蹴る選手は珍しくなくなったけど、動きの中であんなにガンガン出てくるとは。特に日本戦でのジュニーニョのシュートは衝撃。もともと蹴れるのは知ってたけど、日本代表がそれを食らうと衝撃もより大きく感じる。あれが今後も出てくるのは明らかなので、GKは大変になってくる。
しかしあれを流れの中で武器のレベルまで高めて狙って蹴れる日本人選手は何人いるんだろうか。今のところ、小野伸二と三浦淳宏しか思い浮かばない。

まとめると、優勝はできなかったもののドイツやポルトガルのサッカーが特に、今後を占う上で重要な気がした、ということ。この2チームは中央のコンダクターであるバラックやデコがいなくても、同じサッカーをできることがポイント。アルゼンチンも面白かったけど、リケルメなしでは不可能のサッカーだった。そしてブラジルは、本来最も面白いサッカーをしてくれるはずだったが、気持ちの面で他の国に遅れを取って発揮できずに終わった。

それにしても1ヶ月間クソ忙しかったのにどっぷり見たなあ。
早くも4年後が楽しみ。

■試合ごとの寸評(続き)
予選
×チェコ 0 - 2 イタリア○
ネドベド奮闘。しかしイタリア強い。この試合まではイタリアが面白いサッカーしようとしてた気がする。

○ガーナ 2 - 1 アメリカ×
未見。アメリカいいチームなのにね。

クロアチア 2 - 2 オーストラリア
当然未見。クロアチアは日本ナメてたからツケが回った印象。

×日本 1 - 4 ブラジル○
書くことはいろいろあるけど、多すぎるから少しだけ。
中田英寿のラストゲームが、こんな形になるとは本当に残念。
今大会の戦犯を上げたらキリがないが、とにかくジーコが残した負の遺産をどう消化するか。それがオシムの最初の仕事になる。

×サウジアラビア 0 - 1 スペイン○
未見。しかしサウジいいとこないな。

○ウクライナ 1 - 0 チュニジア×
未見な気がする。ウクライナ悪くないのになかなか思うとおりにサッカーできない印象。

×トーゴ 0 - 2 フランス○
ヴィエイラ爆発。稲本がこういう選手になったらいいのになあ。

○スイス 2 - 0 韓国×
未見。スイスは今大会サプライズの一つ。

1回戦
○ドイツ 2 - 0 スウェーデン×
ドイツがほぼ完成されたゲーム。素晴らしいサッカーを展開した。

○アルゼンチン 2 - 1 メキシコ×
メキシコすごくよくてリケルメを封じたが、あと一歩でアルゼンチンが上回った。ていうかロドリゲスのあのシュートは漫画。

○イングランド 1 - 0 エクアドル×
ベッカムのメモリアルゴール。無回転シュートが流行る中、昔ながらの高速バナナでスーパーゴール。いろんなこと言われるけど、本当にいい選手だと思う。

○ポルトガル 1 - 0 オランダ×
ムチャクチャな試合だが結果はもはや順当。今大会オランダはつまらないチームに成り下がったし、ポルトガルは常にファンタジーを感じさせるサッカーを展開していた。しかし審判ひどいな。まあコスティーニャは汚いんだけど。

○イタリア 1 - 0 オーストラリア×
トッティ根性見せた。疑惑のPKだけどキッチリ決めるのは大変。しかしマテラッツィは相変わらずすごいバックなのにアホだ。

×スイス 0 - 0 ウクライナ○
未見。スイス無失点なのにね。サプライズ。よくやったと思う。

○ブラジル 3 - 0 ガーナ×
実はこの試合で既にいやな雰囲気は漂っていた。ブラジルは調子悪くても結局大差で勝てちゃうので、どっか抜けるような気がしてた。

×スペイン 1 - 3 フランス○
素晴らしい試合。今大会最も活躍した一人・リベリーの同点ゴールに始まり、フランスが本当にかつての強さを取り戻した試合。ジダンのゴールはちょっと泣いた。

準々決勝
○ドイツ 1 - 1 アルゼンチン×
終了後のゴタゴタがなければ今大会ベストゲーム。まさに気迫と気迫のぶつかり合い。PK終了後のレーマンのかっこよさには本気で惚れた。アルゼンチンは、次回大会が本当に優勝候補となるだろう。

○イタリア 3 - 0 ウクライナ×
イタリアの完璧な勝利。だけどこの試合から結局カテナチオのガチガチカウンターサッカーしかしなくなる。ゴールの瞬間以外見ててつまらないチームになってしまった。

×イングランド 0 - 0 ポルトガル○
未見。ルーニーがバカやったことだけ知ってる。でもそれまでの戦いを見てればポルトガルが勝ち上がるのは何も不思議じゃない。

×ブラジル 0 - 1 フランス○
熱狂的ブラジルファンなんだけど実は未見。ジダンがダンスしたのね。結局ブラジルは優勝候補すぎてここまでもいつもの調子で戦いすぎて、W杯モードに最後まで切り替わらなかったということだろう。いつもあまりにもすごいから普通にいいプレーしても物足りないと思われてしまうロナウジーニョに同情。

準決勝
×ドイツ 0 - 2 イタリア○
死闘。クリンスマンが作り上げた新生ドイツの集大成を見せるもギリギリのとこで決定力不足。ていうかイタリアの鉄の守備。つまり相変わらずイタリアサッカーはつまらないんだが、カウンターは見事。特に2点目のデルピエロのゴールは美しすぎて一生忘れなさそうなシーン。

×ポルトガル 0 - 1 フランス○
見たのかどうかハッキリ覚えてないんだけど(飲んでたような、見たような、再放送で見たような…)、好ゲームだった気がする。

3位決定戦
○ドイツ 3 - 1 ポルトガル×
素晴らしかった。どっちのチームも今大会見せてくれたものをしっかりと出し切っていた。特にカーンとフィーゴには魅せられた。シュバインシュタイガーはあと10年ドイツを引っ張るだろうな。

決勝
○イタリア 1 - 1 フランス×
ジダン退場で試合は終わってた。いろんな騒動で揺れる中、逆に団結したチーム力でイタリアの勝利、というところかな。それにしてもカンナバーロは素晴らしい。

■俺的表彰

○ベストゲーム
3位決定戦のドイツ対ポルトガル。

○MVP
優勝したからカンナバーロ。

○ベストイレブン
監督:クリンスマン
GK:レーマン
DF:カンナバーロ
  ザンブロッタ
  ラーム
  テュラム
MF:ピルロ
  リケルメ
シュバインシュタイガー
  リベリー
FW:クローゼ
クリスティアーノ・ロナウド

4年後、このベストイレブンに日本選手を入れられるようになるといいな。田中達也とか長谷部誠とか田中マルクス闘莉王とか。

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7 Comments

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イタリア優勝! (misayu)
2006-07-10 10:00:26
めちゃくちゃ嬉しいです~☆

イタリア人はほんとかっこいいから、イタリア大好き!!

Unknown (まこまこの実)
2006-07-10 11:45:21
同じくイタリアサッカーよりも

やっぱり、バルセロナのような

観てワクワクしてしまうサッカーを

次回W杯に期待したいです。

そんなチームに優勝してほしいな。
田中 (ビンカーン)
2006-07-10 12:18:54
田中達也からは可能性を感じます。新生オシムジャパンに必要とされ、世界をかきまわしてくれることを期待してます。
攻撃重視 (カモ⑯)
2006-07-10 21:02:02
だったと思うよ。リッピ(イタリア)は。



QUATER FINALのドイツ戦は、お互いに得点場面を多く作っていたと思うよ。

ドイツの方が凄かったから受身に成らざるを得ない状態だった。

ただ代表ともなるとデルピエロがスターターから出られない程のメンツが揃ってしまう...。(戦術的に)

デルピエロよりもペロッタのディフェンス力とスペースに走り込む能力をかっての起用なんでしょうね。

ユヴェンティーノとしては、左:デルピエロ、右:カモラネージ&ザンブロッタで両サイドを支配して欲しかったけどね。





FINALのフランス戦は向こうのサイド攻撃の方がイタリアよりも凄かったんで守らないといけない状況だったからと考えます。

マルダ&リヴェリーはキレキレだったね!あぶねーよ~。

押し込まれているのにスペースを埋めないで攻め続ける訳にはいかないでしょ?

リッピのやり方は、「しっかりと相手の攻撃を跳ね返してポゼッション高めて攻めていく。」(当たり前か)

JUVE時代となんら変わりない戦術だったと思う。

ただリーグ戦とW杯じゃやり方はそれなりにかわるのは至極当然のこと。



FINALはトニに巧くボールが収まらなくて押し上げができてなかったから攻められなかったし、トッティがヴィエラ&マケレレに消され続けていたね(汗)

あそこはもうちょっと速めに交代した方が良かったかなって思う。



まぁ前半はイタリア、後半~延長前後半はフランス。



最後は勝てばいいんです!











4年後はどうなるか (mayor baohr)
2006-07-11 20:17:33
>misayuさん

イタリアの選手では、トッティとピルロの男前度は群を抜いてますね。でもぶさいくもいるけどw



>まこまこの実さん

そうなんです。俺は勝利至上主義よりも見てて楽しいサッカーが好きなので、昔からブラジルが好きだったのです。でもイタリアでも、たとえばミランのサッカーは本当に見てて楽しい。なんで代表だとああなっちゃうんだろ。



>ビンカーンさん

ケガさえなければ今回も出場してたと思います。俺が世界で一番好きな選手なので、4年後は期待しまくりです。



>カモ

残念ながら、イタリア贔屓じゃない人はみんな守備的だったという感想になると思うよ。

相手ボールになったらすぐ9バックになる戦術を、攻撃サッカーとは俺は呼ばない。

疑問なのは、リッピはそういうイタリアから脱却するサッカーを目指してて、実際そういうチームを作ってたはずで、それが何でこうなるのか。決勝トーナメント入ってからは昔のイタリアに変貌した印象。このメンバーならもっともっと面白くて強いサッカーができるだけに、残念。
終わりましたねぇ。 (Tak@Team2000)
2006-07-12 00:41:13
個人的にはフランスに優勝してもらいたかったっす。

やっぱりジダンは偉大だし、たまにはそんな美談も欲しかったところですけど・・・。



イタリア、残念ながらつまらない試合しかしなかったですしね・・・。

イタリアファンの人には申し訳ないけど最後の最後で萎んじゃいました・・・。

トッティはかなり期待してたんですけど。

デルピエロ、ピルロ、トッティ、トニ・・・。

これだけいたら、もうちょっとスペクタクルな試合が見れたのでは?というのは同感です。

監督がズーッとイタリア人だからかなー???

でも伝統的な戦い方が遺伝子レベルで存在するのは本当の強さなんでしょうね。



マテラッツィはプレイが野蛮だし、何か頭悪そうなのであまり好きじゃないです。(偏見バリバリ)

絶対何か差別的発言してるって!ヤツなら!!!



ドイツは面白かったですねー。

ポルトガルはベスト8までですかね、面白かったのは。

ベスト4からはちょっと力不足だったかなと。

ブラジルは「FWがアドリアーノ+ロビーニョなら」と悔やんでも悔やみきれず。

ロナウジーニョがもったいなかったです。



日本は中田、川口、玉田、巻以外は落胆のみでしたね。(三都主はクロアチア戦だけ可としましょう)

大会に入ってしまえば、もう監督云々ではないと思っているので、後は気持ちです。

超一流選手でさえ足を攣るほど走って、無様なまでに体を投げ出すのに、何で日本の選手は足を攣らないんだろうと不思議でした。



オシムイズムに期待です。

達也、巻の2トップなんてどうでしょう?

個人的には相性良さそうだと踏んでるんですけど。
頭突きは (mayor baohr)
2006-07-13 17:31:08
やっぱり悪口にムカついたからみたいね

ジダンのママンもすごい言葉で応戦したみたいだけど



フランスは、優勝してもらいたいというほどいいサッカーはしてなかったなあ

ジダンが下がってボール受けて相手のマーク寄せてスペースにリベリーとマルダが走るの繰り返し

アンリ一人じゃどうにもならない単調なサッカーだけど、ヴィエイラが一人でそれを盛り上げてた印象

決勝も、もしヴィエイラがケガしなかったらキッチリ90分で勝ってただろうね



イタリアは、俺も批判的に書いたんだけど、悪いチームじゃなかった

つまんないだけで

しかもつまんなくなったのはトーナメント入ってからで、それまではカテナチオ&アタッカンテってのを模索してたと思う

でもね、あれだけのメンバー揃えたら、もっと面白くて新しい可能性を見せて欲しかったよなあというのが本音

マテラッツィは、見るからにアホだし悪いことばっかするけど、やっぱりすごいバックだと思う

ネスタが下がって、結果的にはカンナバーロといいコンビだったような感じ

ドイツ、ポルトガルは本当に面白かった

ブラジルは、よくロナウド批判が聞かれるけど、俺はそこまで悪くなかったと思う

動かないで点だけ取るのは昔からだし

さらに省エネではあったけどw



日本、玉田はブラジル戦だけ

クロアチア戦であの動きをしてれば勝ってた

川口は、オーストラリア戦でありえないミスしたから手放しではほめられない

基本的にはすごかったけど

あいつ本当に大舞台だけ強いなあ



達也と組ませるなら、巻じゃなくて平山だね

巻は動き回るタイプなので、達也と組むなら2列目がボールキープできてなおかつどんどん前に出てくるタイプじゃなきゃだめ

そうなると俊輔は無理で小笠原なんて論外

やっぱ伸二だな