れんくみさんとオフでお会いするのは久々だ。行きの電車を待ち合わせ場所とし、大山崎山荘美術館で開催されている山口晃さんの『さて、大山崎』へ、いざ出陣!
しかし。ここまで書いて、この企画展を紹介するのは、極めて難しいことにハタと気付いた。はたしてどこまでネタをバラしてもいいのか、という境界線が難しいのだ。
ということで、まずひとこと。
これは、必見ですよ!
いやー、こんな展覧会は初めてです! こんなに笑える展覧会だったなんて。しかも大山崎山荘美術館の規模に合わせて、ゆったりとした展示と、意表を突くアイディアと、あちこちから漏れ聞こえる「くすくす」「うふふ」「ぷっ」という笑い声と、サービス精神満点の遊び心と。
そしてときには、作品自体が「なかった」りもして。
その「ない」作品については、会場にはいったとたん、いかめしい警備員のおじさんがおもむろに近づいて来て、「なんで!?何も怪しいことしてへんのに??」とどきどきしていたら、彼は外見とは似ても似つかない気さくで楽しい口調で、「作品の見方」を解説してくださる(そしてホッと安心する)、という一瞬面食らう趣向すらある。しかもその「作品」も「見方」も、まことに人を喰った大笑いな「見立て」だったりするのだ。
これについてなどは特に、やはり実際に現地に足を運んでもらって「あっと驚いて」みていただかなければ! そのためにも事前知識なんてあっちゃいけない、いけない。
この子どものような自由な発想、「そうだったらいいのにな、面白いのにな」という時間も空間もとっぱらった空想力、あくまで緻密で繊細な画力、シュールかつわかりやすく「これでもか!」というくらいてんこ盛りな笑い、すべてが素晴らしい!
入場券を購入したら、美術館のパンフとともに、山口晃さんご自身が個々の作品について書かれたメッセージ用紙を受付のお姉さんが渡してくださる。これを参照しつつ作品を見ると2回楽しめ、しかもより笑える、というサービスぶりだ。
入口には、明智光秀、豊臣秀吉、千利休という山崎に縁の深いお三方の(一見!)真面目テイストの肖像画がかけられてお出迎えしてくださる、という山口晃さんが知恵を絞って考えたホスピタリティ溢れる歓迎ぶりである。
明智光秀については、彼をメインにした『最後の晩餐』という素敵な絵もある。もちろんダ・ヴィンチの『最後の晩餐』を下敷きにしている悲劇的で、シュールなおかしさもある素敵な絵なのだ。チェンバロを幸せそうに弾く高山右近を描いたカッコいい絵もあるが、これはほとんどアルフィーの高見沢!?と見まごう(笑) また落武者を狙う土民たち(明智光秀は彼らの酎рフ露と消えた、と伝えられる)は、なぜか軽トラ!?に武器を載せたりしているのだ。
笑い声がひときわ聞こえたのが山口さんのコマ漫画『すずしろ日記 さて、大山崎版』だ。これ、傑作です! 笑いのクオリティの高さはべつやくれいさんと双璧だし、軽妙洒脱な絵がとっても楽しい。この企画展のため、たくさんの人に出会い、たくさんのものを観て、貴重な体験もした山口さんの漫画ダイアリー。私は宗教行事に式次第に『酒宴』がある!!のを見つけ、てっきり振る舞い酒がある♪と勘違いした山口さんが、その鬼払いの行事を見学することにした体験記が、ウケてしまって(爆笑)
しかし、山伏のホラ貝で始まり、神主とお坊さんが肩を並べて登場し、七福神を前座に鬼が登場し、ほとんどトランス状態にまで観客をもっていく宗教行事があるなんて!!! 絶対観たい!!!と、思ってしまうじゃないですか!
一方千利休を意識した作品もあちらこちらに。チープな素材できっちり組み立てられた『携帯茶室』なるものが、会場の離れた場所(これも、かなり山口晃さんの意図を感じる)にあり、誰も近くにいなかったので、心ゆくまでれんくみさんと爆笑した。これは・・・ぜひ実物をみて笑ってやってください!! ことにちょっとでも「茶の湯」をかじっているヒトなら、笑いのツボの下地が理解出来、より楽しめるはず。私には「待ち合い」が(笑) 「床の間」が(笑) くらいしか判らなかったので、ちょっと悔しい。
電柱好きの山口晃さんご自身のイラストによる「自由研究/柱華道」は、華道を知っていたらより笑えそうだし、新館の見立てシリーズは、子どもにもどったように、わくわくしながら爆笑できる。新館での展示は、入口からラストまで、とにかく笑える笑える!! ことにフィナーレを飾る『洛中洛外え(難しすぎる漢字で出て来ない!)』は、細密画で、そのいちいちに駄洒落が隠されているので、観るのに時間がかかるかかる! そして誰もが笑う笑う! れんくみさんと「この絵のャXターあったら、絶対買うのにね!!」といいながら、ショップで1月末に発行される『図録』を予約したのでした。
うーん、『おじゃる丸』に出て来る小鬼たちの名文句、「きいてオドロけ、みてワラえ!」というのは、そのままこの展覧会のコピーになりえるなあ、としみじみ思うのでした。
しかし。ここまで書いて、この企画展を紹介するのは、極めて難しいことにハタと気付いた。はたしてどこまでネタをバラしてもいいのか、という境界線が難しいのだ。
ということで、まずひとこと。
これは、必見ですよ!
いやー、こんな展覧会は初めてです! こんなに笑える展覧会だったなんて。しかも大山崎山荘美術館の規模に合わせて、ゆったりとした展示と、意表を突くアイディアと、あちこちから漏れ聞こえる「くすくす」「うふふ」「ぷっ」という笑い声と、サービス精神満点の遊び心と。
そしてときには、作品自体が「なかった」りもして。
その「ない」作品については、会場にはいったとたん、いかめしい警備員のおじさんがおもむろに近づいて来て、「なんで!?何も怪しいことしてへんのに??」とどきどきしていたら、彼は外見とは似ても似つかない気さくで楽しい口調で、「作品の見方」を解説してくださる(そしてホッと安心する)、という一瞬面食らう趣向すらある。しかもその「作品」も「見方」も、まことに人を喰った大笑いな「見立て」だったりするのだ。
これについてなどは特に、やはり実際に現地に足を運んでもらって「あっと驚いて」みていただかなければ! そのためにも事前知識なんてあっちゃいけない、いけない。
この子どものような自由な発想、「そうだったらいいのにな、面白いのにな」という時間も空間もとっぱらった空想力、あくまで緻密で繊細な画力、シュールかつわかりやすく「これでもか!」というくらいてんこ盛りな笑い、すべてが素晴らしい!
入場券を購入したら、美術館のパンフとともに、山口晃さんご自身が個々の作品について書かれたメッセージ用紙を受付のお姉さんが渡してくださる。これを参照しつつ作品を見ると2回楽しめ、しかもより笑える、というサービスぶりだ。
入口には、明智光秀、豊臣秀吉、千利休という山崎に縁の深いお三方の(一見!)真面目テイストの肖像画がかけられてお出迎えしてくださる、という山口晃さんが知恵を絞って考えたホスピタリティ溢れる歓迎ぶりである。
明智光秀については、彼をメインにした『最後の晩餐』という素敵な絵もある。もちろんダ・ヴィンチの『最後の晩餐』を下敷きにしている悲劇的で、シュールなおかしさもある素敵な絵なのだ。チェンバロを幸せそうに弾く高山右近を描いたカッコいい絵もあるが、これはほとんどアルフィーの高見沢!?と見まごう(笑) また落武者を狙う土民たち(明智光秀は彼らの酎рフ露と消えた、と伝えられる)は、なぜか軽トラ!?に武器を載せたりしているのだ。
笑い声がひときわ聞こえたのが山口さんのコマ漫画『すずしろ日記 さて、大山崎版』だ。これ、傑作です! 笑いのクオリティの高さはべつやくれいさんと双璧だし、軽妙洒脱な絵がとっても楽しい。この企画展のため、たくさんの人に出会い、たくさんのものを観て、貴重な体験もした山口さんの漫画ダイアリー。私は宗教行事に式次第に『酒宴』がある!!のを見つけ、てっきり振る舞い酒がある♪と勘違いした山口さんが、その鬼払いの行事を見学することにした体験記が、ウケてしまって(爆笑)
しかし、山伏のホラ貝で始まり、神主とお坊さんが肩を並べて登場し、七福神を前座に鬼が登場し、ほとんどトランス状態にまで観客をもっていく宗教行事があるなんて!!! 絶対観たい!!!と、思ってしまうじゃないですか!
一方千利休を意識した作品もあちらこちらに。チープな素材できっちり組み立てられた『携帯茶室』なるものが、会場の離れた場所(これも、かなり山口晃さんの意図を感じる)にあり、誰も近くにいなかったので、心ゆくまでれんくみさんと爆笑した。これは・・・ぜひ実物をみて笑ってやってください!! ことにちょっとでも「茶の湯」をかじっているヒトなら、笑いのツボの下地が理解出来、より楽しめるはず。私には「待ち合い」が(笑) 「床の間」が(笑) くらいしか判らなかったので、ちょっと悔しい。
電柱好きの山口晃さんご自身のイラストによる「自由研究/柱華道」は、華道を知っていたらより笑えそうだし、新館の見立てシリーズは、子どもにもどったように、わくわくしながら爆笑できる。新館での展示は、入口からラストまで、とにかく笑える笑える!! ことにフィナーレを飾る『洛中洛外え(難しすぎる漢字で出て来ない!)』は、細密画で、そのいちいちに駄洒落が隠されているので、観るのに時間がかかるかかる! そして誰もが笑う笑う! れんくみさんと「この絵のャXターあったら、絶対買うのにね!!」といいながら、ショップで1月末に発行される『図録』を予約したのでした。
うーん、『おじゃる丸』に出て来る小鬼たちの名文句、「きいてオドロけ、みてワラえ!」というのは、そのままこの展覧会のコピーになりえるなあ、としみじみ思うのでした。