時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

エノケンの洒落男  by 榎本健一

2023年11月22日 | 音楽全般

エノケン…といっても、令和の現代では知らない若者は多いと思う。

エノケンこと、榎本健一。 1904年生まれ、1970年65歳で没。

第二次世界大戦前後の頃に大活躍したコメディアンで、日本の喜劇王と呼ばれたレジェンド。

舞台、映画だけでなく、歌手としても大活躍した人物だ。

洋楽ジャズ(ポピュラーソング)を独自のキャラに合わせた歌詞をつけてカバーし、何曲もヒットを飛ばした。

今となっては古い人物なので、若い人が知らないのは仕方ない。

でも今回取り上げる「洒落男」は、たまにCMなどにも使用されることがあるので、エノケンの曲の中では1番有名な曲かもしれない。

どこかでこの曲を聴いたことがあるという方は、案外いらっしやるのでは?

 

私はかなりのオヤジではあるが、さすがにエノケンの活躍はリアルタイムで見れた世代ではない。そんな私でも、エノケンの曲は何曲か知っている。

それは、私の父がエノケンが大好きで、エノケンのベストヒットアルバムを持っていて、私が子供の頃に、それをしょっちゅう家で聴いていたからだ。

 

家の中でエノケンのレコードがよく流れていたせいもあり、私自身エノケンの曲を無意識のうちに何曲も知ることになった。

しかも、知るだけでなく、好きにもなった。

その明るくとぼけた味わいは中々キャッチーで、覚えやすく印象にも残った。

楽しくて、華やかさもあった。

この「洒落男」だけてなく、他の曲もかなり好きになったし、無意識のうちに私の心に染み込み、結構影響は受けたと思う。

しまいには、エノケンの曲に触発されて自作曲を作るようにもなっていた。

だから、私の中で、影響を受けた人物の1人にエノケンはなっている。

 

ちなみに「洒落男」にも原曲はある。

原曲は1928年にレコーディングされ、1929年にヒットしたポピュラーソングで、作詞はルー・クライン、作曲はフランク・クルーミット。最初のボーカルもフランク・クルーミット。

その後、何人ものシンガーによってカバーされている。

日本でも複数のシンガーにカバーされ、エノケンもその中のひとりだ。

 

日本語歌詞では歌詞の途中で「モボ」という言葉が出てくる。

これは当時の流行語で、「モダンボーイ」の略。

モダンガールを略した「モガ」という言葉もあった。

だが今ではすっかり死語になってしまっている。

意味あいとしては、当世風の男性、当世風の女性のことで、要するに「今風の男性や女性」をさす。

この言葉が流行った大正末期から昭和初期のモダンボーイとは「ちょびヒゲ」「ラッパズボン」「ステッキ」などのファッションが特徴的な青年で、モダンガールとは「ハイヒール」「ショートヘアー」「ダンスやスポーツを愛す」享楽的で開放的な女性だったようだ。

どちらにしても、派手な若い男女だったのだろう。

でもまあ、派手な若い男女なら、いつの時代でもいるということか、そういう格好をしたい人はいるということなのだろう。

時代性からくるファッションの違いはあっても。

 

かつてモボとかモガと呼ばれた人たちは、時代の変遷と共に、考え方や生き方や価値感やファッションはどう変化していき、子供にはどんな育て方をしたのだろうね。

 

そしてその後の世の中の流れの変化を、どう感じていたのだろうね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

原曲も紹介しておこう。フランク・クルーミットのオリジナルバージョン。

      こちら↓

 


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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (捨丸)
2023-11-24 13:49:11
榎本健一さん、エノケンさんと言えば戦前戦後の大スタアですね。今回の表題の曲の他、月光値千金も有名ですね。
ちょっと嗄れた声で、独特の歌い回しが記憶に残ってます。

でも、なんと言っても忘れられないのが・・・「ホホイのホイでもう一杯、ワタナべのジュースの素です、もう一杯🎵」と「ウチのテレビにゃ色がない、隣のテレビにゃ色がある🎶」と言う二つのCMソングですね。
カラーテレビの方は、ジャングル大帝の時に流れてたような気がします。

でも、その頃の芸能界では既に過去の人となりつつあったようです。
亡くなった後に制作されたドラマでは堺正章さんがエノケンさんを演じてました。
坂本九さんが演じたドラマもあったような気がしますが、こちらはハッキリ憶えてません。同時代に人気を二分していた古川ロッパさんを財津一郎さんが演じていたのはどちらだったかな?

映画に関しては相当な本数に主演してらっしゃるエノケンさんですが、私が観たのは3本位かな。
「エノケンの西遊記」「とび助(の?)冒険旅行」そして黒澤明監督がメガホンをとった「虎の尾を踏む男達」。
「虎の尾を〜」は映画館で、あとの2本はテレビで観ました。小柄で全身バネのような動きが印象に残ってます。
Unknown (だんぞう)
2023-11-24 18:38:39
エノケンさんの曲には好きな曲はいくつもありました。
私がエノケンさんの曲からインスパイアされて作った自作曲は、月光値千金からインスパイアされた曲でした。

あと「エノケンのダイナ」からも影響受けました。

その後それらの曲のオリジナルバージョンも聴いたりしました。

カラーテレビのコマーシャル、覚えてます。そのCМソング、今でも歌えます(笑)。

私が物心ついた頃にはもうエノケンさんはすっかり過去の人になってました。

世代的に仕方なかったです。

エノケンさんの映画は私は見たことがなかったので、1本くらいは見てみたかったです。
Unknown (捨丸)
2023-11-25 08:41:05
映画をご覧になるなら私のお勧めは「虎の尾を踏む男達」ですね。歌舞伎の勧進帳の映画化ですが、エノケンさんは元ネタにはない映画のオリジナルキャラクターをやってらっしゃいました。

かつて日本には喜劇役者と呼ばれる人達が多くいました。そして戦前戦後の映画黄金期には、その人たちを主演に据えた映画が多く作られていました。
エノケンさん、古川ロッパさん、トニー谷さん、ルーキー新一さん、植木等さん(クレージーキャッツ)、柳家金語楼さん、なべおさみさん、そうそう今朝やってる朝ドラのモデル笠置シズ子だんもそうですね。
Unknown (だんぞう)
2023-11-25 09:01:05
朝ドラの影響で笠置さん再評価の機運が高まってますね。
私自身、昔組んでたロックバンドで、一瞬笠置さんの曲をカバーしたことがありました。
なんか懐かしい。
Unknown (捨丸)
2023-11-25 10:53:00
以前TVでスカパラの買い物ブギと東京ブギウギを観た事があります。両方ともすごくノリの良い曲ですね。
歌の途中の合いの手(?)「オッサンオッサン、これなんぼ」が面白かったです。

私が好きだったダウンタウンブギウギバンドの曲に「売り物ブギウギ」と言うのがありました。
庶民のおかみさんの買い物ではなく、成金のマダムが亭主のスキャンダルにより、財産をどんどん売り払っていくという歌でした。メロディの元は買い物ブギだったのかな。
Unknown (だんぞう)
2023-11-25 11:08:00
買物ブギですね。
私の好きな曲のひとつです。
できれは、朝ドラでも使って欲しいけど、歌詞の途中で、今では差別用語とされてる言葉が入ってるから難しいのかなあ・・
Unknown (捨丸)
2023-11-26 10:29:32
知りませんでした・・・
調べてみたら確かに。昔は差別云々ではなく、親から叱られる時なんかも使われてたし、友達との口喧嘩の時なんかに使ってましたね。うん、まあ当時から決して良い言葉ではない事は理解してたような気がします。

あとは商品名ですね。まあ現存する企業名でもあるし、でも時代を感じさせますよね。あの銀の小粒・・・
そう言えば、山口百恵さんの時はどうなったんでしたっけ?
真っ赤な「クルマ」になったんでしたっけ?
Unknown (だんぞう)
2023-11-26 11:16:19
そう、買物ブギは私は好きなんですが、途中の歌詞にあるいくつかの言葉は、今の放送コードでは問題視されるてしょう。
もったいないけど、世の流れ的に仕方ないのかも。

百恵さんってことは、ポルシェ?
よく覚えてないのです。
当時、百恵さんにはあまり関心なかったので・・
Unknown (捨丸)
2023-11-26 12:57:17
気になったので調べてみました(笑)
それまでのNHKの歌番組では「真っ赤なクルマ」と歌ってたそうですが、紅白ではちゃんと「真っ赤なポルシェ」だったようです。
似たような話と言うか(同じ年)の紅白では庄野真代さんの飛んでイスタンブールの歌詞「そんなジタンの空箱」がちゃんと歌われたみたいです。百恵さんと同じようにそてまでは「そんなタバコの空箱」だったそうです。

真偽の程は不明ですが、この年は目玉になりそうだったピンクレディが不出場を表明したため、話題づくりのために元の歌詞通り歌う事をNHKがリークしたとかしないとか(笑)

調べてたらこんな話もありました。
松本伊代さんのセンチメンタルジャーニーの「伊代はまだー」の部分が「私はまだー」にされたとか。

なんかNHKのスタンスがよくわからない時代ですね。
Unknown (だんぞう)
2023-11-26 13:10:14
伊代はまだ16だから〜 の部分ですね。
今ではすっかり年配の女性になった伊代さんは、今でもあの歌を歌う時、まだ16だから〜と歌うのかな・・なんて思うことがあります。

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