別れを前にしたメッセージ

以前、中学の同窓会があった時に、何十年ぶりかで再会した、中３時に同じクラスだった人がいて。

仮にその人をＫさんということにする。

そのＫさんとは、その同窓会がきっかけになって、普段は会うことはなくても、何かあった時の連絡先だけは知っていて（実際には、会う機会は同窓会の時だけになっているけど）。

 

Ｋさんと前回の同窓会で写した写真をメールでもらったときに何度かメールのやりとりがあり、そのやりとりの中で、ひょんなことから、ある画像が私に送られてきた。

 

その画像とは・・？

 

私がＫさんに卒業間際にノートに書いて渡した「卒業メッセージ」が書かれたページの写真であった。

 

中３の時の卒業間際の時に、Ｋさんは私にＫさんにあてた卒業コメントを求めてくれて、ノート１ページぶんのスペースをくれたのだった。

 

卒業間際には、サイン帳なるものをクラスメート１人１人にまわして、その帳面の持ち主にあてたメッセージを書き合うという習慣があったが、Ｋさんはサイン帳ではなく、普通の大学ノートをサイン帳代わりにしてクラスメートにまわしていたようだった。

Ｋさんの場合は、サイン帳というより、サインノート・・ということだね。

 

当時は色んな級友がそれぞれのサイン帳を持ち、都合色々な人のサイン帳が級友たちの間でまわっていた。

私も他の人同様に、何人もの級友のサイン帳に卒業メッセージを書いた覚えがある。

それが１人か２人ぶんくらいだったらまだ覚えている内容もあるかもしれないが、なにせ級友何人分（何十人？）ものサイン帳やノートがまわってきたから、誰にどんなメッセージを書いたかは、はっきり言って私はまったく覚えていなかった。

 

だから、当然Ｋさんの卒業記念のサインノートに私が何を書いたかも、まったく見当がつかないでいた。

 

その後、中学卒業してからＫさんには会うことはなかった。

それが、卒業後ン十年もたって同窓会で再会して、こうして卒業時に私がＫさんにあてて書いた卒業メッセージとも再会することになったのだが・・。

 

その内容が・・・

 

 

え～～～～？？？？

 

・・・・・・・。

 

なんじゃ、こりゃ～～～。

 

こんなことを私は書いたのか～～？？

 

恥ずかしい～～～、やめてくれ～。

 

ウソだ、私はこんなこと書いていない・・・と思いたい。

 

 

唯一の救いが、それが決してキザでかっこつけたようなメッセージではなかったことと、歯が浮くような甘い文章でもなかったこと。

 

では、どんなメッセージだったかというと・・。

 

さすがに、それをまんまで公にする気はない（笑）。それは恥ずかしすぎる。

 

 

ただ・・

どこか達観したような、とぼけたような内容であった。

 

そうか、中学卒業間際の時の私は、達観したような、とぼけたような奴だったのか？？

 

何十年か先に、もしもいつか再会できる日が来たとしたら、その時私はどんな顔をしているだろう・・・かいつまんで書くと、そんな内容だった。

で、その「どんな顔」のサンプルとして、何点かの人物画の顔アップが描かれ、１点は石ノ森章太郎さんのＳＦ漫画に出てくるようなヒーロー系、１点は少女漫画に出てくる少女（笑）、１点は赤塚ギャグに出てきそうなシュールでナンセンスなギャグ顔、そしてもう１点は平凡なユーモア漫画に出てきそうな普通の少年・・・・だった。

 

将来・・仮にそれが何十年も先のことである可能性を考えれば、少年顔だなんてありえないのだが（笑）、あいにく当時の私はそこまで深くは考えてなかったようだ。

 

 

で、文の最後のまとめでは、そのどの顔を選ぶでもなく、「将来はビートルズに負けないグループを作る」・・という主旨の文でしめくくっていた。ビートルズという固有名詞はハッキリ書かれて特定されていた。

 

まあ、ビートルズに負けないグループ・・というのは夢だったとしても、何点かの将来の自分の顔のサンプルを描いたのは、将来自分がどんな容姿になっていても、私は私だからよろしく・・・というような思いが、心の奥底にあったのかもしれない。

今考えると、そんな気はする。

 

そう考えると、卒業間際で級友に送る「別れの前のメッセージ」らしくも思えてくる。

 

 

あなたは、学校時代・・・特に小学校や中学の卒業間際に、級友たちとかわした「サイン帳」に、相手に対してどんなメッセージを書いたか・・・思い出せるだろうか？

 

もし、それらのメッセージを、卒業後何十年もたってから再び見る機会が訪れたら・・・・？

 

きっと・・

 

相当恥ずかしい気分になる方は・・多いのではないだろうか。

 

 

ただ・・・今ではもう思い出せない、当時の自分の側面が垣間見えて、興味深いといえば興味深い（笑）。

自分でありながらも、自分でないような・・・自分を他人のように客観視して「目の当たりにする」わけだから。

 

当時の自分は、他人が見たら、どんな奴だったのか・・・とか、級友に対してどんな奴だったのか・・・ということが少し見えてきて。

 

 

 

ただ・・何度も書くが、恥ずかしいことは間違いない。

こんなのが級友の手元に何十年も残っていたのかと思うと・・。

 

とはいえ、当時自分が書いたメッセージを、何十年たっても持ち続けてきてくれたことは、ちょっと嬉しくもあり。

 

もっとも・・私も、小学校や中学の卒業間際に級友たちに書いてもらったサイン帳は、今でも家のどこかに保管してあるはずだけど。

 

 

同窓会の時など、卒業間際に書き合ったサイン張を持ってくると、案外盛り上がるのかもしれない。

もっとも、そこに愛の告白みたいなものや、恨みみたいなものが書かれてあったら、ちとまずいことになるけど。

 

卒業間際のサイン帳に、特定の人に、愛の告白みたいなメッセージを書いた人は・・・いないとは思うが、念のため（笑）。

そんなのを保存されて、卒業後何十年もたって、見せられたら・・たまったもんではないのだ。

 

 

・・まさか、あなたは・・・卒業間際に級友たちで書き合ったサイン帳で、誰かのサイン帳に愛の告白とか、それに近いメッセージなど書いてないですよね・・・？？？？

 

もし、それをやらかしてしまったのなら、一刻も早く処分してもらわないと・・・。

 

え？　　もう遅い・・？