
夏休みの季節。
夏休みなるものは、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、そして社会人・・・と、どの時代にもある。
夏休みをどんな気分で過ごしたかは、それぞれの時代によって違ったように思う。
幼稚園の頃の夏休みは、さすがにあまりにも昔過ぎて、また、幼すぎて、よく覚えていない。
小学校から高校までの夏休みは、どの時代もだいたい長さは同じだった。
7月20日過ぎあたりから8月末まで。
大学の夏休みとなると、もっと長かった。
それこそ、7月上旬~中旬くらいから始まったと思う。
逆に、社会人になってからの夏休みは、学生時代のそれと比べると極端なくらい短い。
長さ・・という意味では、上記のように大学時代が一番夏休みが長かったのだが、気分的に一番長く感じたのは、なんといっても小学校時代の夏休みだった。
一学期最後の日は、ホームルームと、通信簿をもらうくらいしか学校ではやることがなく、通信簿をもらったら、半ドンで学校から解放されることができた・・と思う。
成績が下がった時などは、通信簿を親に見せるのが憂鬱だったけど、それさえクリアしてしまえば、あとは天下だった。
自分の前に、時間が無限に横たわっているように思えた。
強い日差しの中、学校から家に帰る道は、自由への道、ワンダーランドへの道に思えた。いつも歩く通学路、いつも見慣れている風景が、自分を祝福してるようにも思えた。
夏休みが終わる8月31日は、遠い未来のことのように思えた。
今にして思えば、たかだか一ヶ月半先のことでしかなく、それはそんなたいした長さではないし、今の感覚だとアッと言う間に過ぎ去ってしまう気がする。
だが、小学校時代はそうじゃなかった。
まず、一日が長かったから。
7月中の夏休みは、時間がゆっくりゆっくり進んでいる気分だった。
まだまだ始まったばかりで、序の口。8月31日ははるか先だった。
梅雨があけ、海水浴客でにぎわう海水浴場のニュースがテレビで流れると、始まったばかりの夏休みを実感。
さあ、長い長い夏休みをどうやって過ごそう、あれもいいな、これもしたい・・と思って、夢が膨らむ時期だった。
やがて7月が終わり、8月になる。
8月になった瞬間、時間が確実に過ぎていることを感じはしたものの、月末はまだまだ先だった。
夏休みが終わってしまうという事実は、差し迫ったことではなく、その現実から逃れてもいられた。
夏休みの第1部が終わった・・くらいの気分があったぐらいで、この先の第2部、第3部に思いをはせた。
夏が終わる月末は、今いる月と同じ月・・という現実が多少頭をよぎりはしたものの、まだまだ夏はピークだった。
テレビでは相変わらず、海水浴場や山の賑わいぶりを伝えていた。
蝉も、日差しも、夏を謳歌していた。
思うに、7月末から8月上旬までが、夏のピーク。一日で言えば昼の12時頃。
そして、8月も10日を過ぎ、中旬になって進んでいく。
この時期は、お盆のピークの季節。
家族で里帰りする車で渋滞する高速、混みあう電車で、人の移動が激しい時期。
親と一緒に田舎に行ける子供にとって、待ちに待った時期かもしれない。
もっとも、私はお盆の季節に親と一緒に田舎に行った覚えはないけど。
高校野球は佳境。
このへんもまた、夏休みのクライマックスの時期なのだろう。
だが、海にはそろそろクラゲが目立つようになり、海水浴は一つのピークを過ぎてしまったように思えてきはじめ、夏が確実に過ぎて、やがて過ぎ去ってしまう寂しさを感じはじめる。
お盆は夏休み最大のイベント時期ではあるが、子供心に分かっていたのは、お盆が過ぎてしまうと、夏休みは抜け殻のようになってしまうということ。
だから、お盆の時期の活気は楽しみでも、そのあとの寂しさを考えると、お盆には来てもらいたくない気もしていた。
お盆が過ぎると、あれほど長い期間あるように思えた夏休みの終焉が、リアルに見えてきはじめるから。
実際、お盆が過ぎてしまうと、高校野球の決勝戦と共に、夏は静かになる気がした。
で、高校野球の決勝戦の結果が出て、高校野球中継の終了のテロップがでる。
ここで、私ははっきりと夏の、そして夏休みの近づく終焉をリアルに感じてしまう。
怒涛のように、夏が来て、凝縮した時間が過ぎてゆき、海水浴の時期が過ぎ去り、お盆も過ぎ去り、高校野球も終わり、イベントらしいイベントは終わってしまった「祭りの後」のような時期に、夏休みは入ってゆく。
で、8月下旬。
心なしか日差しも少し弱まった気がし、蝉の鳴き声に寂しさを感じるようになり、惰性で日々はどんどん過ぎてゆき、そろそろ宿題のことも気になりはじめる。
もう、楽しみの時期は終わったのだ、あとはどう幕引きしていくか。それには宿題をなんとかしないといけない。
7月下旬の頃はよかったなあ・・・・なんて、たった半月くらい前のことが妙に懐かしく思えてきたりした。
そう思うと、楽しかった夏休みは、寂しさが日々増してゆくものになった。
7月下旬に比べ、時間の進み方が加速してゆくようにも思えてきた。
学校が再開された時の楽しみを、なんとか見つけて、夏休みが終焉する寂しさを緩和しなくちゃいけない。
そのためには、夏休みに入ってから会えていない、「密かに好きな子」にまた会える・・ということを自分に言い聞かせ、せめてもの慰めにした。
で、だんだん夏休み終焉のカウントダウンが進み、残っている宿題で時間がとられ。
鈍くて暑い晩夏の日差しと共に、あまり自由でもなくなり、8月31日が日ごとに近づき、・・・やがて8月31日を迎えてしまうのだった。
8月31日。それは、ある意味開き直りだったり、ちょっとした悟り(??)みたいな心境だったり、その夏休みを振り返ったりしてた。
この日もまだ休みであるにも関わらず、気持ちはとても休みの気分になどなれていなかった。
かなり憂鬱だった。
明日学校に行けば、密かに好きな子に会えるのに、それ以上にやはり夏休みが終わってしまう落胆感が私を支配していた。
とまあ、こんな「感じ方の変遷」で、夏休みを過ごしていたように思う。
中学になると、「好きな子」の存在が小学校時代よりも大きくなり、夏休みが終わることでまた教室で好きな子と再会できる楽しみがけっこう大きかった。
なので、夏休みが終わってしまう寂しさは、小学校の頃のほうが、大きかった。
そういう意味じゃ、「好きな子」の存在というのは、大きかったんだね、やはり。
夏休みの終焉という落胆から自分を救ってくれたのは、片思いの子・・・だったのだから。
さて、皆さんの過ごした夏休みは?
なお、写真は、最近完成した私の自主制作アルバム「空を見ていた。」のブックレットに使われなかった、ブックレット用写真のアウトテイクの1枚です。
夏の信濃川の土手です。
けっこうお気に入りの写真で、この写真もブックレットに使いたかったんですが、肝心の信濃川が写っていないため、ボツになったのでした。
こんな風景の中で、小学校の夏休みを過ごしたかったです。
虫網などを持って、ゲームソフト「ぼくのなつやすみ」のように。
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さて、せっかくなので、ついでにお知らせも付け加えておきます。
急きょライブに出させてもらうことになりました。暑気払いに一発(笑)。
本当にたまたま、相方と私のスケジュールが合い、出れることになりました。
以下の通りです。
ライブ YES! Folk Festival Vol.4
場所 東中野「YES」 お店のHPはこちら↓
日 8月7日(日)
時間 開店 15時30分 開演 16時
値段 2000円(1ドリンクつき)
出演 偽勢正三&山本ずん子 鍋ナビィ ネイキッドツイスターズ 時代屋
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ともあれ、いくつになっても、充実した夏を過ごしたいものですね。
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